オルタナティブ・ブログ > 田中淳子の”大人の学び”支援隊! >

人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

ノートをとるという行為

»

講演を聞きに行ったり、セミナーに参加したり、研修を受講したりするという時、すーごくメモを取る人間です。

配布資料に線を引いたり、マークしたり、さらに、講師が話したことを自分なりに余白にばしばしメモリます。配布資料がなければ、手帳などにやはり大量に書いていきます。

ホワイトボードに書かれたことも書き写しますが、話しているだけの内容でも、書きとめていきます。

だから、事後にその資料を見返した際、「ああ、そうだった、そうだった。そういうキーワードが出てきたな」と思い出せますし、「どんな話だったの?聞かせて」と興味を示してくれた誰かに、そのノートを元に熱く語ることもできるのです。

その時わかったつもりでも、「ああ、役立つなあ」と思ったとしても、メモしていないと、後日、詳細に記憶を再生することはままならず、「だいたいこんな話だったかな」「ちょっと違うかも知れない」などと戸惑うことになってしまいます。

・・・。とメモを取ることは、自分の学習を高めるために、学んだことをずっと後になっても役立てるためにとても重要で、欠かせない行為なのですが、実は、講師をしていると、受講される方が案外ノートをとらないことに気付きます。

テキストを見ているけれど、メモをしない。板書はメモするけれど、配布資料には詳細まで書いていない行間を埋める話、補足説明した事例など、じっと聞いているだけという方が案外多いのです。

新入社員研修の場合は、顕著で、「ノートをとってくださいね」「メモしないと後日役立てられませんよ」と促しますが、新入社員でなければ、「ノートとりましょう」とわざわざ言いません。

ただ、あまりにも長時間、両手が机の下に隠れている場合は、「これ、大事なことなのでメモしておいたほうがいいですよ」と声を掛けることもあります。

いつも不思議なのです。メモしなくて大丈夫なのかなあ、と。学習した時間・その内容を今後も生かそうと思ったら、書き留めておいたほうがいいと思うのだけれど・・・、と。

ノートをとる際に、考える行為が伴うはずです。そして、自分の言葉に直して、自分の考えた書き方でノートに記していきます。

講演や講義を「聞く」だけではなく、「考える」「理解する」「書き留める」「読み返す」「さらに理解を深める」といったことができるのは、ノートをとる、メモする行為だと思うのです。
(最近は、PCなどに打ち込んでいく方もいらっしゃいますが、その場合であっても、ポイントは、”自分”で記録すること、です。)

講師って、案外、行間を埋める「小ネタ」みたいなものに、実践的なことを挟んでいることが多く(というのは、そういうものは、日々最新情報に更新されていくので、テキストに反映しづらかったり、文字に残すわけにはいかないものだったりするからです)、それをメモしておくと、きっと後で役立つと思うのです。

Comment(2)