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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

バリバリじゃなくてもいいじゃない?

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最近、いわゆる「ワーキング・マザー」という方たちとよく出会います。たとえば、研修に来られる中には、時短勤務中という方もいらっしゃるので、「私は16時半には退席します」とあらかじめ教えてくださる方も。 仕事で出会う方には、「来月出産です」などというプレ・ママもだいぶ増えました。

私には子どもはおりませんが、同性として、彼女たちの思いや生活に興味・関心があります。

先日、こんなことを言われ、「本当にそうだよね」とうなずきまくってしまいました。


「小さい子どもを育てながら、会社員やってます。自分のキャリアも興味あるし、同じような境遇、立場の女性たちはどうやっていろんなことに折り合いをつけているのかなあ、ということに関心もあります。 働きながら子育てしている女性は、必ずしも、”バリバリ”働く、”バリバリ”働きたい、と思っているわけでもないと思うんです。ただ、”ふつう”に働きたいだけで。」

いやあ、これ、心当たりがたくさんあるので、「いいね!」ボタンを押しまくりたい気持ちになりました。

20年以上も前の話だけれど、結婚していた時期に、何度も言われたのは、

「結婚しても仕事続けているんだあ。キャリアウーマンを目指しているの?」

というセリフ。

20年以上前ですからね、今じゃない、けれど。

でも、

「結婚しても仕事続けているんだあ。キャリアマン(?)を目指しているの?」

と男性には、きっと、いや、絶対に尋ねないだろう、と私はよく思っていました。


件の女性(たち)も、

「お子さんを育てながら仕事続けているなんて、バリバリ働く派なのね」
「子育てと仕事を両立させて、バリバリ働いてて偉いわねぇ」

などと、社内外から言われるのではないかしら?

彼女に、「男性は、”子供が生まれても仕事続けているなんて、バリバリ派だね、偉いね”って言われないのにね」とつぶやいたら、「そう、そう!そうなんです。女性だって誰もがバリバリとは限らないと思うのですよ。」と言ってました。(そもそも、「ワーキング・マザー」とは言うけれど、「ワーキング・ファーザー」とは言わないですものね。「自称」は別として)


いまや「結婚しても働くなんて偉い」とは言われない(声高には)ようになったと思いますが、子育てはまだまだその辺の理解が人によってまちまちなのかなあ。

「子育てしている」「働いている」というモードが同時にあるだけであって、それを「バリバリ」と言われちゃうとちと違うんじゃないかしら?

もちろん、今まで以上に「バリバリ」という人もいるでしょうが、「ふつう」に働いているし、「ふつう」に働きたい、とそう思っている方もほうが多いようにも思うのです。

女性誌見てても、「この人、1日何時間と換算して生きているんだろう?」と思うような「バリバリ」派ばかりがフォーカスされているけれど(そうでないと、記事にならないのでしょうし)、そういうのを読まされて、プレッシャーに感じる女性もいるかも知れないですね。「ばりばり」やらねば、というプレッシャー。

子育ても、仕事することも、「ふつう」のスタンスでいいと周囲も当人も思えるようになればいいなあ。

肩に力入らない働き方があってもいいし、肩に力を入れない働き方のほうが、心身共に長続きするようにも思うのです。

もちろん、「バリバリ」行きたい人はいけばいいし、「バリバリ」じゃなくて、「ふつう」がいいという人はそれでいい。

「ふつう」に頑張る。「ふつう」に取り組む。
「ふつう」に会社員をし、「ふつう」に母をし、「ふつう」に妻をし、「ふつう」に大人をしている。(←順不同)

私はずっと「ふつう」モードで来ましたし、これからも「ふつう」モードがいこう、と思ってます。

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