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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

”How can I do it?”で考える。

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ここ半年以上、ずーっと心にとどめている言葉、意識している考え方があります。

How can I do it?”

これは、上田信行さんの『プレイフルシンキング』に出てきた表現。

Can I do it?”ではなく、”How can I do it?”で考える。

そういう人こそ、仕事を楽しめる。楽しみながら、仕事に取り組める。成長する人は、「できるか、できないか」ではなく、「どうやったらできるか」で考える。

そんなことが書いてあったように記憶しています。(読んだのは1年近く前なので、正確ではありませんが、”How can I do it?”という表現だけは鮮明に覚えています。)

「やったことないからできません」なんて言うの、つまらないなあ。
「それは難しいからできません」「やり方がわからないから、自分には無理です」なんて言うの、カッコ悪いなあ。

「どうやったらできるのか?」「どうすれば実現するのか?」を考える方が楽しいし、自分の成長にもつながるように思えるし。それに、年長者が「できる、できない」を考えていたら、年若い人たちの範にならないし。

・・・・・

自分ひとりの力でできることは限られているけれど、誰かの知恵や力を借りて、多くの人に助けてもらいながらだったら、できないことはさほどないようにも思います。

そんなことをずっと意識しながらここのところ過ごしていたら、昨日読んでいた本に、こんな一文が出てきました。

自立は「その人なしに生きてゆけない人」の数を増やすことによって達成される。」(内田樹著『ひとりでは生きられないのも芸のうち』文春文庫)

ここだけ引用すると意味が通じづらいのですが、とにかく、一人でなんでもかんでもできることが自立なのではなく、「この人がいないと困る」というような大勢の人を持つことが逆に生き延びる力を強くするのだ、なんてことが書いてあるんですね。

How can I do it?”を考える時、”独力で”と考えたら、気が遠くなりそうですが、「その人なしには生きてゆけない」と思える周囲の人々の助けを得ながらであれば、たいていのことはなんとかなりそうな気がします。

プレイフル・シンキング


ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

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