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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「仕事を楽しむ」ことが大事だよ、と。

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私のほぼライフワークのようになってきているのが、企業の「OJT制度」支援です。2003年に開始し、年々、支援する企業も増えてきました。

新入社員から入社3年目くらいの若手にOJT担当者の先輩を1対1で割り当て、一定期間(1年から3年くらい)、育成にあたる、というものが「OJT制度」です。(非常にざっくり説明すると、ですが)

OJT担当者に任命されたからといってすぐ後輩の育成ができるだけではないので、「育てるノウハウ」「成長支援のコツ」を学ぶワークショップが開かれ、そこをお手伝いしているのです。(という前提をまずは説明しておいて、と・・・)

ワークショップの中で、わいわいがやがやと色々なテーマで話したり、モノを作ったりしていくのですが、中に「後輩に伝えたい大切なことは何か?」を考えるセッションがあります。大切なこと、といっても、「ゴミは分別すること」とか「節電を意識しなさい」といったレベルではなく、仕事をする上での価値観や信念、想いを言葉にしてください、というものです。

これ、毎回聞くのが楽しみで。皆さん、「へぇ」とか「なるほどぉ」と思うことをおっしゃるので、私も勉強になります。

先日、30歳くらいのOJT担当者の方(SEです)が、こうおっしゃっていました。

「仕事をする時は、楽しみながら取り組むこと。楽しい気持ちで取り組めば、創意工夫も生まれるし、いいアイディアも湧いてくる。質の高い仕事につながり、結果的によりよい成果が生まれ、それにより、一層の達成感を味わえるから。だから、どんな仕事でも”楽しい”と思える箇所を見つける努力を欠かしたらいけない・・・。こう、後輩に伝えたいです」

聞いていた周囲の方たちと共に私も「ほぉ~」と唸ってしまいました。

「仕事を楽しむ」という言葉自体は意外ではありませんでしたが、「そのほうが質のよい仕事ができるから」とは、なるほど、なるほど、です。

誰にだって、1つや2つ、あるいは、10も20も「後輩に伝えたい大切なこと」はあるはず。ただ、言語化したことがないので、すっと出てこない方もいらっしゃる。

後輩を迎える前に、自分が「大切にしていること」を一旦棚卸して、言葉に直しておくっていいですよぉ~。自分のことを振り返るきっかけになりますから。

私は、「Noと言わない」かな。「顧客に相談された何か」「上司にアサインされた業務」「依頼されたタスク」・・・。出来る限りですが、「Noと言わない」。

相手が私に相談してくれる、依頼してくる、ということは、「この人ならできるだろう」「やってくれそうだ」と思うからであって、「絶対に無理!この人に言っても無理!」と思われたら、相談も依頼もされないと考えるからです。「No」と言って、チャンスを逃す人をたまに見かけますし。「ああ、ここで“No”と言っちゃうんだ、もったいないなー」と思うようなケースも。(ほら、「チャンスの神様は、前髪しかない」とも言いますし)

「やったことがないからできません」「未経験なので無理です」などと言うのは好きじゃない。だから、後輩にもそう伝えたい・・・かな。(今、若い後輩がいないポジションなので、想像でモノを申してますが・・・)

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