「団扇(うちわ)になります!」
オフィスの最寄駅、西新宿で最近、マンションの広告として「うちわ」を配っています。
「こちら、うちわになりまーす、どうぞ~」と連呼しつつ、オフィスに急ぐビジネス・パーソンに受け取ってもらおうと男性が目の前に差し出すのです。
「うちわになります」・・・。「もうなってるやないか」とつい大阪弁(似非)で突っ込んでしまいました。
以前、別のコラムでも書いたことがあるのですが、喫茶店で、「こちら、コーヒーになります」と言われると、「コーヒーになる前はなんだったんだ!」と突っ込んでしまうという知り合いがいます。
「チーズケーキになります」と言われると、「チーズを持ってきて、カバーかぶせて、1,2,3,ほらっ!とチーズケーキになる様を見せてくれるなら納得する」という天邪鬼もいます。まあ、それはそれとして。
「なります」話法は実に広く使われていて、「コーヒーでございます」「うちわですよぉ」と言えばいいのに、なぜか「なります」。丁寧な表現だと思っているのかもしれません。
そういえば、仕事柄、多くの方のプレゼンテーションを見る機会があります。
「なります」話法は、プレゼン場面でもよく耳にします。
「今日のアジェンダになります」「デモ画面になります」「これがグラフになります」などなど。
「ございます」「です」と言うほうがシンプルなのに。
「なります」以外でよく耳にするのは、「ほう」と「させていただきます」です。
「本日はわたくし、鈴木の方がご説明の方をさせていただきます」「資料の方は、お手元の方にお配りさせていただきました」など。
「本日は、わたくし、鈴木がご説明いたします」「資料は、お手元にお配りいたしました」でも十分丁寧なのに。
・・・・・
「なります」
「ほう」
「させていただきます」
これらを除くとずいぶんシンプルなプレゼンになるのですよね。