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20分でわかるAIの最新トレンド(2025.10〜2026.2)!!!

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こんにちは。

今回は、毎日のようにメディアに登場するキーワード「AI」について整理します。「AI」に関する昨年10月から今年2月までのニュースを見ていく中で、「AI」トレンドの本質を探りたいと思います。
以下の順番で、「AI」についての最新情報を整理していきましょう。

1. オープンAI

オープンAI 賭けの巨額投資 AMDに出資 赤字でも計200兆円 市場加熱の懸念呼ぶ
(日本経済新聞 2025.10.8)

オープンAIは、米AMDに最大10%出資し、巨大データセンターを建設すると発表しました。実はオープンAIは、これに先立って1月にソフトバンクとの4年総額5000億ドルのデータセンター計画を打ち出しています。それ以外にもエヌビディアと協業してAIインフラ投資をしていく計画もあります。オープンAIはこのように率先してAI分野の投資拡大を、赤字でも継続しているようです。

AI半導体を独自設計 オープンAI、ブロードコムと提携
(日本経済新聞 2025.10.14)

オープンAIは、それ以外にもブロードコムと組んで独自設計のAI向け半導体の量産を、2026年後半に始めると発表しました。

オープンAI、いびつな取引 エヌビディアなどと資金循環 過剰投資で危うさ
(日本経済新聞 2025.10.18)

これも同様に、オープンAIの総額1兆3000億ドル(約200兆円)にもなる過剰投資のリスクを指摘しています。

オープンAI再編完了 営利企業、組織の中核 IPOに布石
(日本経済新聞 2025.10.29)

オープンAIの企業統治は、株式を27%保有するマイクロソフトと、その次に多い26%を保有するNPOが経営を支配する体制となっています。また、ソフトバンクグループなどのその他の投資家や従業員が47%を出資しています。そして、この中核となる営利企業「オープンAI」の企業価値は現在5000億ドルで、今後のIPOも視野に入れています。

オープンAI 企業価値25倍 チャットGPT公開3年 強気投資、経営歪みも
(日本経済新聞 2025.11.29)

現在、オープンAIのチャットGPTは世界で8億人が利用しています。経営は大幅な赤字が続いており、また前述のように、今後1兆4000億ドルもの開発インフラやデータセンターなどへの投資を打ち出しています。CEOのアルトマン氏は「収益化は心配事の10番目にも入っていない」と言いますが、投資家にとっては気になるところです。
こうした投資家の不安心理もあったのか、2月にオープンAIの株価が一旦下がりました。

オープンAI関連株価下げ 出資元マイクロソフトやSBG 競争激化、黒字化見えず
(日本経済新聞 2026.2.19)

アナリストによると、「オープンAIへの期待値が、以前ほどバラ色ではなくなってきた」とのことです。その理由の一つは、昨年11月に公表されたHSBCの株式市場レポートで、オープンAIはこのままだと2030年の段階でも764億ドルの赤字になると試算されたことが挙げられます。

また、それ以外にも、オープンAIを取り巻く競争環境が、グーグルのジェミニやアンソロピックなどの追い上げによって厳しくなってきていることも理由になっています。
ただ、そんな不安が残る未来の収益企業に出資や提携をしたいIT企業は多いようです。

日立、オープンAIと提携 データ拠点の電力安定確保
(日本経済新聞 2025.10.3)

セールスフォース チャットGPTと連携 AIへの顧客流出防ぐ
(日本経済新聞 2025.10.18)

オープンAIに7.6兆円 アマゾンが出資検討か
(日本経済新聞 2026.1.30)

オープンAIは、チャットGPTサービス以外にも次の展開を仕掛けてきています。

サイト閲覧、AI一体化 オープンAI ブラウザー提供開始
(日本経済新聞 2025.10.24)

オープンAIがウェブブラウザー「ATLAS」の提供を開始したようです。
この新ブラウザーでは、起動すると画面中央にチャットGPTが立ち上がるようです。指示文を打ち込んでAIと会話したり、従来のようにキーワード検索もできるとのことです。使ってみたいですね。

キャラクター産業 転換点 ディズニー、オープンAIと提携 AIから対価、共存へ
動画生成の利用認める

(日本経済新聞 2025.12.13)

また、オープンAIの動画作成サービス「ソラ」で、スター・ウォーズのライトセイバーを握って登場人物と対決する動画や、映画『カーズ』のキャラクターと走っている動画などが生成できるようになるようです。これは、オープンAIがディズニーと10億ドル、3年間のライセンス契約を締結したためのようです。これはすごいですね。

以上が、最近のオープンAIの動向をまとめたものになります。

2. アンソロピック


それでは、AIビジネスの競合であるアンソロピックの動向を整理してみましょう。

米新興アンソロピック、7.7兆円インフラ投資 OpenAIに対抗
(日本経済新聞 2025.11.13)

基本的にアンソロピックは、法人向けに対話型AI「クロード」を提供しており、その利用が今、爆発的に増えています。
そうした中、アンソロピックもオープンAIに負けじと、データセンターなどのAIインフラに今後7.7兆円を投資する計画のようです。

米アンソロピック、高性能AIの価格3分の1に OpenAI追う
(日本経済新聞 2025.11.25)

そして同社の主力AIである「クロード」は、最新版「クロード・オーパス4.0」を11月24日にリリースしました。それに合わせて、企業や開発者向けの価格を従来の3分の1に下げ、利用しやすくするとのことです。これは売れそうですね。

NRI、米アンソロピックの生成AI導入を支援 保守・運用も
(日本経済新聞 2026.2.24)

国内では、なんと野村総合研究所(NRI)がクロードの導入支援を1月から始めているようです。クロードが法人向けであるため、NRIが顧客企業の既存システムにクロードを組み込み、利用できるようにするようです。NRIはチャットGPTやジェミニの導入も手がけているので、こうした生成AIについては積極的に攻めていますね。

アンソロピック、米国防総省の要求を拒否 AI軍事利用巡り
(日本経済新聞 2026.2.27)

ただ、このように破竹の勢いのアンソロピック、クロードも米国防総省とはうまくいっていないようです。国防総省は、米軍のあらゆる活動にクロードの使用を認めてほしいと要求したのですが、それを拒否しました。

理由は、アンソロピックのサービスは「敵を攻撃すること」と「米国民を監視すること」にはAIを利用させない、というポリシーを持っているからとのことです。

このポリシー自体は立派だと思いますが、オープンAIやイーロン・マスクのxAIは国防総省の要求に応じたようですので、政府としては嫌な印象を持ってしまったようです。そして恐れていたように、この後トランプ大統領から、アンソロピックは連邦政府全体で使用停止、という指示が出ています。
トランプににらまれたアンソロピックは、今後のビジネスは大丈夫なのでしょうか。

3. 企業のAIに対する動き


AI投資、5年で2.8兆ドル グーグルやオラクル シティが予想上げ
(日本経済新聞 2025.10.2)

まず大手テック企業やソフトウェア企業では、独自にAIインフラへの設備投資を進めています。
ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)のAIインフラへの投資は、2029年までの5年間で全体で2兆8000億ドルに達する見通しを、シティグループが示しています。国家予算に匹敵する額ですね。

フィジカルAI、製造に革新 ソフトバンクG、矢継ぎ早の投資 エヌビディア連合と競争(日本経済新聞 2025.10.9)

フィジカルAIとは、現実世界の動きを認識して最適な行動を起こすAIを指します。ロボットや自動運転などに応用でき、製造業に革新をもたらす技術です。

ソフトバンクグループがスイスのABBからロボット事業を買収し、この分野を主導していくことを狙っています。競合としては、エヌビディアも日本の安川電機や富士通と協業し、このフィジカルAI分野の実用化を狙っています。

韓国LG、AI外販で稼ぐ 低価格・高性能、法人需要に的 ロンドン証取が採用(日本経済新聞 2025.10.1)

韓国LGグループが開発したAI「EXAONE」は、大規模言語モデルとして、自動車、造船、金融など法人向けの外販サービスに力を入れています。
実際に2025年9月には、ロンドン証券取引所との協業を発表し、金融分野の情報収集やレポート作成などを行う情報発信モデルを構築するようです。


ベゾス氏、AI新興設立 アマゾン退任以来のCEO 9600億円調達
(日本経済新聞 2025.11.18)

AI新興企業ではイーロン・マスクのxAIが有名ですが、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏も私財を投じ、昨年11月にAIスタートアップ企業を立ち上げたと発表しました。具体的な事業目的としては、ロボットや医薬品の設計、科学研究などにAIを応用することだそうです。

生成AI基盤、国産に勝機 ソフトバンクなど日本語特化モデル 利用領域絞って米中を追う(日本経済新聞 2025.10.23)

高性能LLM(大規模言語モデル)は、世界的には以下のような米中企業が主導しています。

オープンAI
xAI
メタ
グーグル
百度
DeepSeek

ただ、日本語特化モデルとなると、以下のような日本企業が中心となって開発しています。

ソフトバンク
NTT
富士通
NEC
楽天グループ

特にソフトバンクは、2025年度に独自の学習データの構築を完了し、小型LLM「Sarashina Mini」の提供を始めました。NTTも昨年10月に、小型LLM「tsuzumi2」の提供を開始しました。

サカナAI、価値4000億円 国内新興最高 米CIA系から資金 「防衛」進出に足がかり(日本経済新聞 2025.11.18)

世界のAIに特化した新興企業の企業価値は以下の通りです。

オープンAI(米) 77兆円
アンソロピック(米) 28兆円
セーフ・スーパーインテリジェンス(米) 4兆9000億円
スケールAI(米) 4兆6500億円
ミストラルAI(仏) 2兆1000億円
サカナAI(日) 4000億円

日本のサカナAIは、国内最大のユニコーン企業です。サカナAIは複数のLLMを組み合わせて効率的なAIを開発する技術を持っています。また、日本の文化や言語特性、各産業のニーズに合ったモデルを開発しています。

これまでは金融業界に特化していたようですが、2025年には防衛系のピッチコンテストにおいて、AIで生成された戦争や災害などの偽画像を瞬時に検知する技術などを提案し、日本企業として唯一受賞したようです。こうした評価を受け、今回、米国CIA系VC部門のインキューテルがサカナAIに出資したことが分かりました。今後の防衛業界への進出の足がかりとなりそうです。

フィジカルAIに大型資金 2025年のスタートアップ調達ランキング ムジン、ロボ制御に強み(日本経済新聞 2026.1.9)

こちらは国内スタートアップ企業の話題ですが、2025年のスタートアップ企業の資金調達ランキングでは、ロボット制御などのフィジカルAIを研究開発する企業が上位を占めたそうです。

1位 Mujin 208.5億円
2位 Sakana AI 200億円
3位 Turing 166.7億円

サカナAIはLLMモデルを持つ企業ですが、1位のムジンという企業は、ロボット制御技術に強みがあります。物流倉庫のピッキングや搬送を担う多様な産業ロボットを、ブランドを問わず接続し、スムーズに自動化できる技術を持っています。
また3位のチューリングは、車の周辺環境の認知からハンドル操作まで、すべてをAIが担う技術の開発に取り組んでおり、2030年には完全な自動運転の実現を目指しているそうです。

4. AIサーバー


AIサーバーとは、ディープラーニングなどの大規模なAI学習や推論を高速処理するために特化した高性能サーバーです。生成AIの用途でも使われるサーバーです。

このAIサーバーについてのニュースがいくつかありました。これをベースに、AIサーバーのトレンドを整理してみましょう。

AIサーバー台湾勢増産 鴻海(ホンハイ)、クアンタ、ウィストロン3強
対米輸出額、今年2倍へ
(日本経済新聞 2025.11.20)

台湾企業が、生成AIの処理を行うAIサーバーの輸出を伸ばしているというニュースですが、これは世界のAIサーバーの供給状況を知っておかないとミスリードしてしまいます。

AIサーバーとは、ディープラーニングなどの大規模なAI学習や推論を高速処理するために特化した高性能サーバーで、生成AIの用途でも使われるサーバーです。

このAIサーバーについてのニュースがいくつかありましたので、これをベースにAIサーバーのトレンドを整理してみましょう。

世界のAIサーバーのシェアで最も大きいのが、「ODMダイレクト」と呼ばれる大手クラウドベンダーからの受託生産分です。マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、エヌビディアなどから生産委託を受け、内製AIサーバーを出荷しているのです。そして、この「ODMダイレクト」の代表例が、このニュースに出てくる鴻海(ホンハイ)、クアンタ、ウィストロンです。台湾企業は、まさに世界のAIサーバーの工場になっている構図ですね。

そして国内では、遅ればせながらこんなニュースもあります。

AIサーバー国内一貫生産 富士通、部品の製造地追跡
(日本経済新聞 2026.2.11)

今年に入ってからのニュースですが、遅ればせながら日本のメーカーである富士通も、AIサーバーを3月から石川県内の工場で一貫生産するようです。

富士通はこれまでサーバーの開発・設計と組み立てを行っていましたが、プリント基板への部品搭載や電子部品の調達の大半を台湾などのメーカーに生産委託しており、製造地が追跡できなかったようです。今後は一貫生産によって、こうした管理を厳格化するとのことです。

そして、こうしたデータセンター向けのAIサーバーで最近使われているのが、英アーム社の半導体設計図です。

英アーム、AI頭脳で台頭 データ拠点CPUシェア5割 自前半導体の開発も
(日本経済新聞 2026.1.8)

アーム社の演算用半導体設計図、すなわち「アーム設計図」は、AI用データセンターのAIサーバーCPUの多くで使われているようです。

なぜかというと、アーム設計は省電力に強みを持っており、大規模データセンター事業者の電力量あたりの運用パフォーマンスを60%も向上させると言われているからです。

さらにアーム社は、このアーム設計図を使った自社の半導体「イザナギチップ」を開発しており、今後メタなどと組んでデータセンター向けCPUを供給するようです。

ちなみに、先ほどの富士通のAIサーバーのCPUにも、アーム社の設計図が使われているとのことです。

5. AIデータセンターと電力


アーム社の省電力なCPUを使っていても、AIデータセンターが消費する電力はかなり大きな容量になるようです。

AI普及、ウラン高の圧力 電力不足で原発再開加速
(日本経済新聞 2025.12.13)

世界では、AIデータセンターを今後稼働させる際の電力不足への対策として、なんと原子力発電の再稼働が潮流になりつつあるそうです。

そして、そのためにウランの需要が今高まっており、原子炉用の2040年のウラン需要は2025年の2倍になるという予測が出ています。そのため、ウランの価格は長期的な上昇基調にあるとのことです。

AI覇権 電力が制する 資源エネ秩序、力学一変
(日本経済新聞 2025.12.30)

このニュースでは、AIデータセンターによる電力不足に対応するため、新規の発電所を建設する際に必要となる資源や鉱物がネックになる可能性があると指摘しています。

変圧器やガスタービンなどの電力機器、蓄電池、半導体といった電力エネルギーインフラに欠かせない重要鉱物の調達が、これまた中国に依存しており、今後の障害になってくるのではないか、という予測です。

6. 日本のAI政策

AI開発強化 国が主導 政府、基本計画を決定 医療や金融向け支援
(2025.12.23 日本経済新聞)

日本政府のAIに対する政策もまとまってきました。昨年2025年12月23日、AIの開発や活用の方向性を示す「AI基本計画」が決定されました。以下が要点です。

・政府や自治体での利用
・補助金などによる中小企業の導入支援
・医療、介護、教育などへの普及
・研究開発税制などの優遇
・産官学の連携促進
・グローバルサウスへの進出支援
・安全性評価を担う政府機関の拡充
・偽情報を判別する技術への支援
・AIによる事故の責任の明確化
・知的財産権の明確化
・AI人材の待遇の見直し

また政府は、その前の12月19日に、新たにAIの研究開発におけるガイドラインも策定したとのことです。

7. 海外国でのAI政策


日・ASEANが母国語AI 中国製浸透に対抗、まずカンボジア
(2026.1.12 日本経済新聞)

日本政府はASEANと、各国の現地語を学習したAIの共同開発に乗り出すことを共同声明として発表しました。これは1月15日に開かれた日・ASEANデジタル相会議で、AI分野の協力を盛り込んだ共同声明としてまとめられました。

これは、AI分野における中国の影響力に対抗する狙いのようです。

まずカンボジアで、公用語のクメール語を使ったAIの大規模言語モデルの整備を共同で支援します。

AI投資 東南アがハブに 米国勢、マレーシア詣で
(2026.1.24 日本経済新聞)

AI関連企業は今、東南アジアに研究開発拠点を急ピッチで整備しています。

<ベトナム>
・米クアルコム、研究開発拠点を新設
・ビングループ、傘下企業がAIを開発

<シンガポール>
・米マイクロン、AI半導体工場を新設
・UMSインテグレーション、半導体装置向け部品

<マレーシア>
・米インテル、工場増強への追加投資
・YTLパワー、米エヌビディアとデータセンターを整備

東南アジアのデータセンターのハブは、長らくシンガポールでした。
ところが最近では、代わりにマレーシアが安定した電力や通信環境を武器に、データセンター誘致の投資呼び込みに成功しているようです。

また、米中双方と友好関係を維持するマレーシアは、テック企業から見ても投資先として安心感があるようです。

インド、AI「第三極」主導 2000億ドル投資、サウスで連携 豊富な人材・IT地盤 米中覇権に挑戦
(2026.2.20 日本経済新聞)

今年2026年2月19日からインドで開催されているAIの国際会議「AIインパクトサミット」の場で、同国のモディ首相が、世界人口の7割を占めるとされるグローバルサウス諸国の意向を反映した「第三の極」のAI開発に向け、
インドが主導的な役割を目指すと宣言しました。

あわせて2月17日には、インドのヴァイシュナウ電子・情報技術相が、政府として2028年までに2000億ドルをAI分野に投じると発表しています。

インドAI事業拡大 14億人市場開拓 デンソーなど出展 サミット開幕
(2026.2.17 日本経済新聞)

このインドで開かれている「AIインパクトサミット」には、多くの日本企業も参加したようです。デンソーや富士通は、インドでの新産業分野での事業展開を積極的に探っていくようです。

中国AI「オープン型」台頭 技術解放 世界シェア15% 日本勢、過度な依存リスク
(2026.1.10 日本経済新聞)

中国のAIは、米国に匹敵するほど利用が広がっています。特に新興企業ディープシークを筆頭に、技術を公開する「オープン型」と呼ばれるモデルが台頭しています。

2024年11月から2025年11月までのAIオープン型モデルの利用シェアでは、中国製のオープン型AIが13%となりました。
中国勢の中心は、ディープシークやアリババ集団が開発する「Qwen」のようです。

8. AIを使った新製品、新サービス


感情AI、ゲーム没入感増幅 場面展開、刻々と変化 心拍、発汗計測、セリフから反応解析
(2025.10.22 日本経済新聞)

ゲーム各社が「感情AI」を、ゲームそのものや開発への活用に進めています。

スイスの新興企業OVOMINDは、腕時計型のウェアラブル端末で心拍数や発汗、皮膚の温度などの生体データを読み取り、AIが「興奮」「ストレス」など8分野の感情を抽出します。それによってBGMやセリフなどゲーム内容が変わることを狙っています。

日本のゲーム企業ジールは、ストーリーやセリフ、デザインの開発段階から遊ぶ側の感情を予測する「感情AI」を提供しています。

「ウマ娘」などで知られるサイゲームスは、キャラクターのセリフ文に合った表情やモーションの選択を支援するAIを活用しています。

このような「感情AI」の世界市場は、2030年に90億1000万ドル(約1兆4000億円)と予測されているビッグマーケットです。

サムスン、AI搭載ゴーグル グーグルと業界初28万円 直感操作、近く眼鏡型も
(2025.10.23 日本経済新聞)

韓国のサムスン電子は2025年10月22日、「Galaxy XR」という現実と仮想現実を融合するXR新端末を発表しました。これはサムスン電子と米グーグル、米クアルコムが共同で開発したものだそうです。最大の特徴は、グーグルの生成AI「Gemini」を使って会話しながら操作し、ゴーグル上に表示できることです。

この「Galaxy XR」の価格は269万ウォン(約28万円)で、アップルの「Vision Pro」(約60万円)や、米メタの「Meta Quest」(8万円から)と競合する製品になりそうです。

またサムスン電子は、近く眼鏡型のAIグラスも発表する計画とのことです。眼鏡メーカーの米ワービー・パーカーや、韓国のジェントルモンスターと共同で開発を進めているとのことです。期待できますね。

アップル、AI端末 年内発売か 眼鏡やペンダント型検討
(2026.2.18 日本経済新聞)

iPhoneやApple Watchで成功したアップルも、次世代製品としてAI専用端末の開発計画を進めているとのことです。眼鏡型やペンダント型、そしてワイヤレスイヤホン「AirPods」の改良型の3種類を検討しています。

アップルは、グーグルのモデルを基盤にした新たなAIを開発していますが、オープンAIもAI端末の開発に取り組んでいるほか、メタもすでにレイバンブランドでAI向け眼鏡型端末を販売しています。AI端末の競争も激しくなっているようです。

閲覧ソフト、AI企業も参入 秘書機能で新たな競争 Googleの牙城なお堅く
(2026.1.23 日本経済新聞)

AIを搭載する「AIブラウザー」の製品競争も激しくなっています。
・Atlas(オープンAI)
・Edge(マイクロソフト)
・Brave(ブレイブ)
・Chrome(グーグル)

それぞれ生成AIを使った検索機能やエージェント機能を進化させています。

ただパソコン用ブラウザーのシェアでは、いまだにグーグルの「Chrome」が7割以上の圧倒的なシェアを持っています。グーグルの牙城はなかなか崩れないのが実情のようです。

仮想アイドル、中身はAI 視聴者のニーズ汲み取り軽妙トーク 人が制御できないリスクも
(2026.3.9 日本経済新聞)

もしかしたら、ネットで配信するVチューバーなどのアイドルが、AIと一番親和性が高いのかもしれませんね。AIチューバーとしてリアルタイムで反応するAIモデルが今、次々と生まれているようです。

モバイルゲーム企業KLabが2月に公開した「ゆめみなな」は、過去20年分の架空の人生史を追加学習し、さらにファンとのやり取りをAIに記憶させて、まるで本当のVチューバーアイドルのような配信を行っているようです。

元メタに在籍していた研究者の小平暁雄氏が開発した「しずく」は、関西弁や韓国語、中国語なども駆使し、自分をAIと自覚したジョークも繰り広げるとのことです。

デジタルハリウッド大学の白井特任教授が開発した、LINE上で動くお悩み相談AIチャットボット「全力肯定彼氏くん」は、学生から社会人まで利用相談されているようです。

英国の研究者が開発した「Neuro-sama」は、主にゲーム実況配信で活動していましたが、「私はいつか本物になれるの?」といった、自我を持つかのような会話を繰り広げました。

肉体や精神の疲労で長時間の配信ができない人間と異なり、こうしたAIチューバーはいくらでも長時間の配信が可能で、さらには同時に複数の異なる配信もできます。
AIチューバーの可能性は無限にありますね。

9. AIの活用事例


それではここで、最近のニュースから、企業はAIをどのように活用しているか、その事例を一覧でお伝えします。

<製造業>
○AIを独自開発し、電子機器の配線の組み付けなどの複雑な作業を人間に代わって担わせる(日立製作所)
○AIが図面の分析をすることでノウハウを共有する(キャディ、エージェントアシストなど)
○工作機械の加工スペースにロボットアームを組み込んだARMROIDを設置し、加工物の交換や切粉の除去をロボットが担い、作業者なしで長時間稼働できる(オークマ)

<ECサイト、小売業>
○ECサイトなどを通じて保有する購買データをAIで分析して販促に生かすツールを小売店向けに提供する(楽天グループ)
○ECサイトで商品選び、配送日、注文履歴の確認など購入後まで買い物を一貫して手伝う「Yahoo!ショッピングAIエージェント」を実装する(Yahoo!ショッピング)
○防犯カメラにAIを搭載して欠品状況を把握し、撮影データから品薄の時間帯を分析し、発注を増やして売り逃しを防ぐ(ファミリーマート)

<営業支援>
○AIで企業の複数オフィスの使用状況を分析し、オフィス拠点再編を提案する(イトーキ)
○証券営業の現場にAIを導入して資料作成などの後方支援に加え、顧客向けの商品提案、営業戦略の立案を支援する(大和証券、SMBC日興、野村ホールディングスなど)

<経営支援>
○AIで未来の企業像を予測する。環境対応や人材の多様性など経営陣が重視する指標をもとに2040年の企業像を比較できる(日立製作所)
○企業の法務部門が生成AIを活用して法務業務の前さばきとなる論点整理や分析、リモート作成、翻訳調査を行っている
○AIで有価証券報告書など企業の法定開示書類の作成を支援する(デロイトトーマツグループ)

<人事>
○人事異動にAIを活用する。具体的には従業員の営業実績やエンゲージメントなどを分析し、上司や配属先との相性を測り、人事異動案に反映する(オリックス生命)

<AI社員>
○スピーチライターや中途社員の問い合わせ応答など特定の20業務でそれぞれAIエージェント「AI行員」を実装する(三菱UFJ銀行)
○上司の思考回路を再現し会議や提案書へのフィードバックなどの本部長業務を行う「AI上司」を実装し、他社向けにも同様のものを外販する(KDDI)

<教育>
○AIがeラーニングを個別指導するサービスを行う(グロービス、ヒューマン)

<行政>
○「クマ遭遇AI予測マップ」を使ってクマの出没をいち早くキャッチし、対策に生かしている(上智大学)
○AIが山間部のカメラを画像処理してクマが写り込んでいると判定したら自治体担当者らにメールを送る(ほくつう)
○火山データをAIに学習させ火山の噴火をAIで予測する(東大、ニュージーランド大など)
○生成AIを活用した空き家予防サービス「Yobcon空家予防コンシェル」を開始した(横浜市)

<環境対策>
○気候変動に関する3000本の論文や国連政府間パネルの報告書を大規模言語モデルに学習させて、温暖化対策をチャット形式で質問回答する(海洋研究開発機構)

<犯罪防止>
○ブラジルでは犯罪予測AIを使い犯罪発生状況や地区の特性、防犯カメラの映像などから約10メートル四方単位でリスクを弾き出す(シンギュラーパータベーションズ)

<医療>
○AIで外傷患者の画像診断を支援するシステムの臨床研究を開始(大阪府立病院)
○生成AI活用して医師の業務改善を行う。具体的には、患者が退院する際に医師がまとめる記録書の下書きをAIが電子カルテデータを基に自動作成(富士フィルム、リコーなど)
○科学研究支援システム「コサイエンティスト」は文献調査や実験手法の立案など7種類のAIからなり、科学者をサポートするだけでなく新たな研究テーマを自ら発案する(グーグル)

<システム開発>
○システム開発工程全体に生成AIを適用し生産性を高める(日本IBM)
○システム開発工程をAIに適した形に変更し、IT技術者はAIが完成させたプログラムの点検や補佐役に徹する(NTTデータ)

<通信>
○通信制御とAIデータ処理を同時に行い、ネットに頼らず情報処理できる新しい基地局を導入し、自動運転車やロボットを動かすインフラ構築を支援する(ソフトバンク)

<戦争>
○「X-BAT」と呼ばれる次世代戦闘機は、外部との通信を必要とせずAIパイロットが自律的に判断して動く(米国防総省)

10. AIと労働


一般に「AIの浸透によってホワイトカラー職などの雇用が半減する」と言われています。このAIと労働の社会問題について書かれたニュースをまとめてみます。

AI猛進の米国 若者の働き口に異変 学位があっても就職難、ブルーカラー選ぶ
(2026.1.23 日本経済新聞)

米国では、大学に行き学位を取っても就職難や失業になる不安が高まっています。なんと2025年春は、配管工や大工などの技術を取得する職業訓練の入学者数が、前年から12%増えたそうです。

AI時代の雇用 求む!哲学専攻 倫理関連職5年で6倍
(2025.12.8 日本経済新聞)

日本経済新聞がビジネスSNSのLinkedInで、「AIのスキルを持ち、肩書きの説明に倫理に関連するキーワードを含んだ人」を調査しました。

その結果、9.9%は「哲学や倫理学の専門教育を受けた人」でした。そして、このAIと倫理に関連するスキルを持つ人材は、過去5年で6倍に増えているそうです。

このAIと哲学という組み合わせは奇妙な感じもしますが、現在のAI開発の中で、必要なタスクを自律的に実行する際にAIの根本的な判断を左右するのは開発者の思想、つまり哲学になります。

そうしたことから、AIを動かす価値観としての哲学や倫理学が、今注目されているものと思われます。

米企業で95万人削減 1〜9月5割増 AIで効率化見越す
(2025.11.6 日本経済新聞)

同じ米国のニュースで、2025年1〜9月に企業が表明した人員削減数は、前年同期比5割増の95万人に拡大したようです。

大企業はAIによる効率化を先取りする形で人員を削減し、雇用なき成長に向けて動き出したということです。
特に大手テック企業の削減が多かったようですね。

・Microsoft 1万5000人削減
・Amazon 1万4000人削減
・Salesforce 4000人削減

雇用 日本にもAI格差 NTT5年後、業務の半分代替 進む選別 スキル教育急務
(2025.11.16 日本経済新聞)

日本経済新聞が主要企業に「AIで5年後に社内人員をどれくらい補えるか?」という質問を行いました。

その結果、TOPPANホールディングスなど2社が4割、日本生命保険など6社が3割、そしてNTTは、なんと5割以上補えると回答したとのことです。

NTTの場合、先行する職種がコールセンターだそうです。すでにコールセンター業務の2〜3割を生成AIに置き換えたとのことです。

AI失業 就活生も警戒 1100人調査、4割が志望職種変更 専務、総務、顧客対応「雇用減る」多く
(2025.11.23 日本経済新聞)

日本経済新聞は、現在就活している2027年卒予定の大学3年生と修士課程1年生に、AIの普及で雇用はどう変わると思うかを調査しました。

その結果は以下のようになります。

<生成AIで雇用が減る職種 上位5つ>

・カスタマーサポート
・事務、総務、秘書、受付
・システムエンジニア、プログラマー
・経理、財務、法務、販売、接客
・商品企画、マーケティング

<生成AIで雇用が減らない職種 上位5つ>

・経営者、管理職
・医師、薬剤師、看護師
・営業職
・研究開発
・教育、講師、インストラクター

また、生成AIの使用頻度が高い人ほど、雇用が減ると予測しているとのことです。

派遣人材もAI操る 大手3社、16万人研修へ 定型業務 代替に危機感
(2026.2.8 日本経済新聞)

Adeccoなどの大手派遣会社3社は、生成AIを使いこなすための研修を2027年までに16万人に実施する計画です。
経済産業省は、AI活用などにより2040年には事務人材が437万人余ると推計しています。事務系職種で働く人がAIなどのスキルを身につけ、付加価値の高い技術系や専門職へ移行できるように支援することは大事であると言われています。

11. 最後に


以上、昨年末から最近までのAI関連のニュースから読み取るAIの
最新トレンドでした。
この記事が、皆様のAI雑学の参考になれば幸いです。

それでは。

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