有料職業紹介事業ライセンス取得のコツ
今回のブログはワクワクする話ではありません。むしろ憂鬱になる話ですが、ライセンスがとれた後の新事業を夢見てワクワクするようにしていますW
実はこの度、事情により、「有料職業紹介事業」のライセンスを取得することになりました。
そのプロセスにおいて取得にはいくつかコツがあるようですので、今後取得する方に参考になればと思い、伝えたいと思います。
事務的には以下の提出様式を埋めて、労働局の窓口に提出するだけです。
- 職業紹介事業許可申請書
- 職業紹介事業計画書
- 届出制手数料届出書
- 職業紹介事業取扱職種範囲等届出書
以上のうち、私が窓口で追加で指示を受けたのが4番目の「職業紹介事業取扱職種範囲等届出書」です。こちらはどんな職種の紹介をするかをあらかじめ決めておくらしいです。この取扱職種を書く際に適当に書いてはダメです。必ず
厚生労働省編職業分類
https://www.hellowork.go.jp/info/mhlw_job_dictionary.html
がベースとなります。ご注意ください。
続いて添付資料ですが、これが結構大変です。ざっと以下のものが必要です。
- 定款または寄付行為
- 登記簿謄本
- 代表者・役員の住民票
- 代表者・役員の履歴書
- 職業紹介責任者の住民票
- 職業紹介責任者の履歴書(役員が兼務の場合は不要)
- 最近の事業年度に係る貸借対照表・損益計算書等
- 法人税の納税申告書
- 法人税の納税証明書
- 賃貸借契約書
- 手数料票
- 個人情報適正管理規定
- 業務の運営に関する規定
- 職業紹介責任者講習会の受講証明書のコピー
- 代表者・役員・職業紹介責任者が他の法人で代表者、役員をかねている場合、その法人の定款、登記簿謄本コピー
- 事業所のレイアウト図
実はこの添付書類の一つ一つに適格要件が含まれているのです。そこが苦労しましたのでいくつかポイントを書いておきます。
1.職業紹介者が適格かどうか
まず住民票、履歴書などで紹介者がいい加減な人間でないかがチェックされるようです。過去に犯罪を犯していたり、住所不定であったり、未成年者は除外されます。まあこの辺は大抵の方は大丈夫かと思いますが。
2.法人(個人でも)が財務的に適格かどうか
ここの要件が結構きついです。特にきついのが財務要件で、
500万円以上の資本金及び準備金
現預金の額が150万円以上
私は当初300万円で法人を設立してしまったため、500万まで増資しました。
また、この増資により、適正な資本金があることを証明する為に公認会計士の「監査報告書」が必要となりました。そのために公認会計士を探すところから始まり、「監査報告書」を作成するのに25万円〜50万円程度の監査報酬の支払いが必要となりました。また「監査報告書」を作成するまでに銀行の残高証明なども監査人が入手する必要があるため、そのやりとりで最低1〜2週間かかります。
この財務要件で注意するべきは、新規で資本金500万円の法人を立ち上げた場合にはその設立時のBSとPLだけでよいのですが、私のように増資をしたり、期の中で活動をしている場合に、決算、納税まで待ち、その資料(決算書、納税申告書、証明書)を使用するか、また私のように期の途中で公認会計士に監査報告書を作成してもらうのかです。
3.法人の事務所が適格かどうか
賃貸借契約や事業所のレイアウト図などでチェックされるものですが、以下のような要件があります。
職業紹介に使用する事業面積が20平方メートル以上であること
→20平米以上の事業所を借りる必要があります。
求人者、求職者の個人的秘密を保持できる構造であること
→シェアオフィスとかでは難しいということです。またここで重要な事は専用の「鍵付きのキャビネット」があるかどうか、がポイントとなります。
→賃貸契約等で他社と共有や間借りしている場合は、この情報保持を担保するために鍵付きの部屋などが必要となるようです。
ちなみに私のところは広さは大丈夫でしたが、鍵付きのキャビネットがなかったので今回の申請のために用意しました。
またそれ以外で事業所の近くに風俗店がないことなども要件だそうですので繁華街に事業所を構えている方は注意が必要です。
4.職業紹介責任者講習会を事前に受講しているか
申請する前に講習受ける必要があるので、まずこの講習の予約をする必要があります。厚生労働省公認の研修がネット上、開催されていますので月複数回は開催されているようです。ちなみに講習の時間は丸一日かかります。
以上の適格要件を示す書類を原本と必要部数コピーして最寄りの労働局需給調整事業部窓口に行きます。たいがい一度では必要な書類が満たせずに何度か来る事が普通のようです。私も3回行きました。
さて、めでたく申請が受理されると、次は事業所視察があります。事業所視察のポイントを書いておきます。
- 事業所の場所が適切か(近くに風俗店がないか)
- 提出したレイアウト図通りか(応接スペースがあるか)
- 鍵付きキャビネットがあるか、また実際に鍵がかかるか
- (職員が実際に目で見るまで信用しないようです)
- 事業所に鍵がかかるか
ちなみ視察の時間は15分程度です。
私はここまでクリアして、現在、審査の最終確認待ちです。
申請してからライセンスがおりるまで、最低2ヶ月はかかります。それまでは有料職業紹介をやっていることを宣伝しないように何度も言われました。
最後にライセンスを取るための費用についてですが
- 申請の際の収入印紙5万円
- 登録免許税9万円
の合計14万円ほどかかります。
以上、有料職業紹介のライセンスのコツでした。
取得する際には参考にしてください!!