ビジネスを批判するとあなた自身を否定していることになる
「ビジネスパーソンの相談を受ける」という仕事をしていると、ときどき、「ビジネスでやっている人は・・・」と批判されることがあります。
たとえば、先日、ある方がメールで「助けて欲しい」というのでやりとりをしていたら、「それができたら、見ず知らずの、ビジネスとしてやっている信用のない人に対して助けを求めません」という返信。
もちろん、誠心誠意かかわろうと思っていましたし、対価をいただいていたわけではありません。それでも「ビジネスでやっている」といわれて、「じゃあなんで、見ず知らずのボクに連絡してきたのさ」と思わなくもなかったのですが、そう受け取られたことは仕方が無いし(ボクの力不足)、それ以上何かを伝えても火に油を注ぐことになりかねなかったので、「ご意向に沿うことができずにごめんなさい」と、終えることにしたんです。
けれども、ボクの中には何か煮え切らないものが残りました。それは、批判されたうんぬんというよりも、「ビジネスでやっている」という言葉です。「『ビジネスでやっている』というあなたにとって、仕事って何なの?」と。「あなたが毎日会社に行ってやっているそれは、ビジネスではないの?」と。
ビジネスって、何だろう?
ところで、ビジネスって何なのでしょうか?
Wikipediaにはこうありました。
ビジネスとは営利や非営利を問わず、また、組織形態を問わず、その事業目的を実現するための活動の総体をいう。したがって、ビジネスの主体者としては株式会社などのような営利企業だけなく、NPOなどの非営利活動法人や住民サービス提供などを行う行政組織等を含み、個人または法人組織などの事業体がそれぞれの事業目的実現のために、人・物・金・情報などの諸資源を活用して行う活動全体を意味する。
出典:Wikipedia
goo辞書にはこうありました。
1 仕事。職業。また、事業。商売。「サイド―」
2 個人的な感情を交えずに利益の追求のみを目的として進める仕事。「―に徹する」
出典:goo辞書
「ビジネスでやっている」と批判する人にとって、ビジネスとは、goo辞書にある、「個人的な感情を交えずに利益の追求のみを目的として進める仕事」という意味でとらえているのかな?と思います。
仕事って、何だろう?
そう考えると、「ビジネスでやっている」という人にとっての仕事とは、「個人的な感情を交えずに、生活のため、お金のためのみを目的として進める行為」という意味でとらえられているのかなと思います。
というより、一般的な仕事のイメージって、こんな感じですよね。
「ビジネスでやっている」と批判するあなたもビジネスをやっている
でも、よく考えてみると・・・
「ビジネスでやっている」と批判するあなたも、おそらく、ビジネスをやっています。というより、日頃の仕事そのものがビジネスなんじゃないでしょうか。「社会福祉の仕事をしている私は、ビジネスなんてしていません」という人もいるかもしれませんが、ビジネスの意味が、「事業の目的をかなえるために、いろんな資源を使って行うこと」なら、社会福祉の仕事もビジネスです。「私は働いていないのでビジネスはしていません」という人もいるかもしれませんが、あなたの大切な人はビジネスをしているはず。
ということは、ビジネスを批判するということは、あなたが毎日一生懸命やっていること自体を、あなたがあなた自身を、あなたの大切な人を否定することになってしまう。それは、ちょっと悲しいんじゃないかと思います。
それでも、「ビジネスでやっている」と批判したい気持ちも分かります。それならば、せめて、あなたが毎日一生懸命仕事をしていることだけは肯定してみてはどうでしょう?「私は毎日仕事をしている。そして、お金をもらっている」ことを受け入れてみてはどうでしょう?でないと、一生懸命仕事をしているもう一人のあなたが悲しみます。なぜなら、「ビジネスをやっている一員」だから。
ビジネスや仕事に対するイメージが、もっと楽しい感じになったらいいのになと思いますね。