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IoTは近い未来だ

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IoT(Internet of Things)という言葉がバズってますね。そもそも、IoT、モノのインタネットとはどういうものなのでしょうか。IoTとは、モノが識別可能な状態でインタネットにつながって、相互作用する仕組みを指します。

実は、Things、モノの前に、Persons、人が来るのではないかという資料があります。

この資料は色々と面白い示唆があるので、英語ですが是非参照していただきたいです。その資料の中で一番衝撃的なのは、2019年までに、世界で見るとインタネットにつながったモバイルデバイスが一人あたり1.5台になるということです。え、主要国が一人何台もスマホやタブレットを持つからじゃないのと思った方、この資料をよく見てください。実は地域別でちゃんと出されており、一番多いのは北アメリカ地域で、2019年までに一人3.1台のインタネットにつながったモバイルデバイスを持つとされています。一番少ないアフリカ地域でさえも、2019年までに、一人1.1台のインタネットにつながったモバイルデバイスを持つとされています。

つまり、世界中の人間が少なくとも一台のモバイル端末を持っているということになります。

一方、昨今のスマホ事情を鑑みるに、スマホにはGPS、照度センサ、傾きセンサ、加速度センサ、磁気センサ、近接センサ、ジャイロセンサなどたくさんのセンサーが内臓されています。

我々すべての人間がセンサーの塊にセンシングされながら、その情報がインタネットに配信される時代がもう来てしまったということを意味しています。

別の見方をすれば、我々すべての人間が、言語、文化が違えど、いろんなデータを享受することができることを意味しています。このデータが意味を持ち、情報(テキスト、画像、音声、動画)、知識として流通するということは、異種異分野の人、他の国の状況を把握することができることを意味しています。

まずは、前者の社会的脅威を考えましょう。我々すべての人間がインタネットにつながってしまった、Ineternet of Everyoneな状況です。すぐにジョージ・オーウェルの「1984」のように、監視社会を考えるかもしれません。もちろん、そう考えるのも無理はないでしょう。しかし、スマホを持つだけでもたくさんのセンサーの数です。それが世界中、しかも色んな種類、色んな精度のセンサーです。人によっては巧みにアクセス制限をしているかもしれません。センサーデータ自体はデータ管理できるかもしれません。そんな玉石混合の多数で時事刻々と変わるセンサーデータ群から意味のある情報、知識を抽出することが容易でしょうか。例えば、ある一人のみに着目して、その人の移動履歴を追うことはできるでしょう。でもその人がなぜそのような行動をしたかまで、センサーデータで検知することは、おそらく難しいでしょう。ましてや、大人数の多様な心理や要望を検知することさえ、難しいです。もちろん、消費者心理を読み解くなどの、購買の現場などの行動の範囲を狭めれば意図読めることがあります。実際マーケティングで使われています。しかし、日々の生活「全体」をセンサーデータから意図を導くことは現状では無理でしょう。

どこが難しいのでしょうか。それこそ、以前に小職がこちらに書いた記事でも挙げたFeature Engineeringの問題に帰着するのです。まぁ、そうじゃなかったら、テロリスト、もしくはテロを仕掛けそうな人は全員追跡されていて、大惨事になる前に防げるはずです。え、テロリストはインタネットなんて使ってないって?じゃ、連絡手段は?電話や無線とは言いませんよね?そっちの方が盗聴簡単ですよ。そうです、今や、そういう人もインタネットを使っていて、インタネットに繋がれた状態なのです。

もう既に、今を生きている人全員がインタネットから抜け出すことができません。IoTの一番のポイントはウエアラブルであったり、センサー付きのガジェットではありません。【現実がサイバーにマッピング可能になる】ことなのです。サイバーにマッピング可能になることで、全体を観測、俯瞰、分析がしやすくなるのですが、その分析においてFeature Engineeringの問題があると理解していただければよいのです。

インタネットに繋がっている現在の我々にとってのいい部分と悪い部分があるわけです。

次に後者の社会的脅威を考えてみましょう。実はこちらの方が現実的なのです。結論を言えば、「グローバル」というのが叫ばれていますが、実は「ローカル」のメリットをどのように守るかを考える時代が来ます。

世界中の人間がインタネットにつながっていることで、後進国、発展途上国が、先進国の生活というものをよりリアルに見てしまうことができるのです。リアルに見てしまうと、先進国の良いところを取り入れようと一生懸命になるでしょう。

情報の流通の過多により、文化が一様になる危惧があります。もちろん、気候、宗教などの要因がありますので、単純にはいかないと思いますが、多様性がなくなるということは、唯一の価値を巡って、取り合いになるということなのです。単純な話をしましょう。地球の資源は有限です。使える水の量も有限です。すべての人が満足し、かつ環境に優しい生活を送るか、非常に難しい問題です。

技術的には、これこそ、IoT、ビッグデータ分析で解かないといけない問題の一つです。

社会的には、ローカルの価値をもう一度考え直す時代が来るでしょう。その土地で得られる価値って一体何か?グローバルと叫ばれていますが、ローカルの価値が存在するから、グローバルで物事を見つめ、価値を生み出せるのです。世界中が一様になってしまったら、グローバルで物事を見つめる必要も無くなってしまいます。

ローカルでの価値を守り、グローバルで展開していく。これが次世代の流れです。この次世代の流れをより加速し、最適化するものが、IoT、ビッグデータ分析であるという位置付けで考えるのが妥当でしょう。

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