一太郎新製品発表会潜入記
■招待されていたのに潜入してしまった
本日(2015年12月3日)、都内某所で開催された一太郎新製品発表会に潜入捜査参加してきました。実際にはユーザーとしてご招待いただいて受付で名刺をお渡しして入場したのですが、その旨をお伝えしなかったためにプレス関係者と同じ席で発表を伺ってしまった次第です。サンバをやっていたときのニックネームは警部ですが、決して潜入捜査してきた訳ではありません。
ちなみに、プレス関係者とユーザーでは配布物に違いがありましたので、きちんとお返ししてきました。このあたりは日本人らしいな、と自分でもおかしくなりました。日本人の多くは無神教だと言われ、筆者もとくに帰依している宗教はありません。しかし、「お天道様が見ている」という感覚は、ある種の宗教なのではないかと思っています。
■一太郎/ATOKユーザー以上に開発元はアツい
発表会の方は淡々と進みましたが、やはり一太郎/ATOKユーザーには物書きに対するこだわりのある方が多いようで、Q&Aでは鋭いツッコミがみられました。驚いたのは、MCの方が無難にまとめるのではなく、逆に「ご要望のある方は、どんどんお寄せください」と話されたことです。そのあとの体験会で開発関係者からお話を伺ったところ、開発チームはすべての要望を見ているのだそうで、ユーザーのフィードバックを求めるのは企業文化として根付いているようです。
■面白かった体験会
体験会では、実際にPCを捜査(←くどい)操作して、一太郎2016の新機能を体験することができました。会場には4つのテーブルがあり、どこに座ってもよいと言われていたのですが、実際にはテーブルごとに趣向が決まっており、担当の方がついていました。最初はモバイルビューイング/タブレットビューアのテーブルでしたが、筆者の興味は、電子書籍、校正(読み上げを含む)、辞書引きなどでした。
電子書籍については、表紙デザインに使えるテンプレートの提供、モジグラフィ、画像編集機能が役立ちそうでした。筆者がこの夏発行した電子書籍「通訳ガイドのインバウンドマーケティング」の表紙は、Photoshopを使って自分で制作したものです。おかげさまで、これまでほとんとの期間でカテゴリー1位ですが、今となって思えば、表紙デザインは「いかがなものか」という出来栄えです。以下は、会場で制作されたサンプルをスキャンした画像です。こんな感じの表紙が簡単に作れる訳です。一太郎2016の機能を使えば、もうちょっとましなデザインになって、売上増につながったかもしれないとも思います。ちなみに、本日の名札は、モジグラフィのサンプルになっていました。
校正に関しては、日英混在文書をそれぞれの言語のナレーターが滑らかに読み上げるのがよい感じでした。なぜ読み上げが校正機能なのかというと、自分の文章をチェックするのは難しく、読み上げによって不自然な点に気づくことが多いからです。Just Right!譲りの校正機能はもちろん有用ですが、それで見逃すこともあるので、時間に余裕があるときには読み上げ(詠太)を使ってチェックするのです。原稿の重要度と締切までの時間的な余裕次第ですが、筆者も校正に詠太を活用しています。これまでは英文混じりの文章では英文も日本語として読み上げられていたので、とても不自然でしたが、これで自然な読み上げになりました。ちょうど今月、技術者向けの英文ライティングセミナーを行うので、「これがあったら、教材のチェックにいいのにな」と思いました。
辞書引きに関しては、MacとWindowsの違いが大きいと感じています。MacはOS自体に辞書アプリが含まれており、各アプリから簡単に辞書引きすることができます。頻繁に辞書引きし、この機能になれている筆者は、Windowsを使っているときに辞書引きができないことが非常に不満でした。今回のバージョンアップで、コントロール+ダブルクリックで簡単に辞書引きできるのが気に入りました。
■バージョンアップ費用は安くならないものか
筆者は一太郎プレミアムユーザーですが、アップグレード費用の高さには音を上げています。税別15,000円は高いと感じます。今年からOffice 365 Businessを契約していますので、これに比べても随分と割高に感じます。もう少し安くならないものでしょうか。