平成27年度通訳案内士試験1次筆記試験
8月30日(日)に平成27年度通訳案内士試験の1次筆記試験が行われました。問題と解答は、NPO日本文化体験交流塾(IJCEE)などで公開されています。
4月19日に投稿した記事「通訳案内士試験がさらに緩和されました」では、今年の試験はさらに易化すると見ていたのですが、実際に受験された方の感想では難しかったということです。
邦文3科目(地理、歴史、一般常識)とも、例年に比べて突っ込んだ知識を問う問題が多く出題されたようです。
地理は、特定の観光資源になじみがあるかどうかで大きく得点に開きがでるような出題になっています。問1は、4つの観光資源について5問ずつ出題(各3点、計60点)、問2は、5つの観光資源について2問ずつ出題(各3点、30点)、問3は大都市について5問出題(各2点、計10点)でした。一連の問題はall or nothingになりそうで、広く深い知識を持った方でないと、合格ラインの70点は厳しそうです。
唯一60点が合格ラインとなっている一般常識も、かなり細かい知識が求められました。60点が基準でも、かなり厳しそうです。
今年は、訪日観光客が年間2000万人に達するのではないかという予測もあります。少し前までは、この2000万人という数字は2020年の達成目標だったのですが、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」(主宰:内閣総理大臣)では、訪日観光客の激増を踏まえて2000万人は単なる通過点に格下げとなり、時期は明言していないものの年間3000万人を目標としています。
こうした動きも踏まえ、筆者は今年の試験では政策的に通訳案内士を増やすものと見ていましたが、出題内容を見ると厳しくなっているようにも思われます。11月19日(木)に予定されている合格発表が待たれるところです。