予想以上に楽しかったANA機体工場見学—B787とB737を見た!
先日、羽田空港にある全日本空輸の機体工場を見学してきました。最寄り駅で降りて羽田空港に発着する飛行機を見たとき、学生時代に何度か仙台空港に行って、時間の経つのも忘れて飛行機の離着陸を眺めていたことをふと思い出しました。
■航空機の機能美
機体工場では、B787とB737の2機が整備中でした。写真は、B787を正面から撮影したところです。間近で787と737を見ると、大きさに圧倒されると同時に、とても美しいと感じました。機能美と表現すればよいのでしょうか。
※ 掲載に先立ち、全日空社広報部門に写真をご確認いただきました。
■巨大な工場
機体工場はとても大きく、東京ドームの1.8倍もあるそうです。これだけの大きさがありながら、内部に柱がないということには驚きます。柱に掛かった時計は、直径がなんと1メートル80センチもあるとのこと。しかし、遠目には体育館の時計くらいの大きさにしか感じません。建設に550億円もの巨費がかかったというのも、うなずけます。
■見学者は航空機が好き
学校行事で見学に来ていた少年少女を除けば、見学者はわざわざ足を運んで見学に来ていたわけなので当然かもしれませんが、みなさん航空機がお好きなようでした。
エンジンの回転方向を尋ねられた説明者が「イギリス製とアメリカ製で違う」と回答したあと、それぞれの回転方向をメモで調べようとしたら、見学者のご婦人が即答していました。正面から見て、イギリス製が時計回り、アメリカ製が反時計回りだそうです。
■炭素繊維のパーツに触れた
機体工場に行く前に説明を受けた会場では、B787で使われている炭素繊維の壁と、従来品のアルミニウムの壁を手にすることができます。従来品でも軽いと思ったのですが、炭素繊維の壁はさらに軽くなっていました。燃費向上の鍵のひとつと言われる炭素繊維のパーツに触れることができて嬉しくなりました。
筆者は、長年購読している週刊東洋経済でB787の記事を読んできて、炭素繊維には興味をもっていました。改めてWebで検索してみたところ、Business Media誠に興味深い記事がありました。
「ボーイングはなぜ東レと炭素繊維の独占供給契約を結んだのか」(2009年2月16日)
■施設の呼び名が複数あって分かりづらい
最後に、見学で少し分かりづらいと思ったことについて触れておきます。
「機体工場」と「機体メンテナンスセンター」という呼び名が使われています。さらに、最寄り駅はモノレールの「新整備場」で、なじみのない人は呼び名で混乱しそうです。
おまけに、モノレールの駅には「整備場」が別にあり、間違えてそちらで下車してしまう人もいるとか。しかも、ここで降りてしまうとタクシーもなく、またモノレールに乗る羽目になるとのことです。
「機体工場」だと機体を作っているかのような印象を受けるので、少なくとも素人には「機体整備場」の方がわかりやすいと思いました。
筆者も時折やってしまうのですが、プレゼンテーションなどで用語が統一されていないと、聴き手(あるいは読み手)が混乱してしまいます。「人のふり見て我がふり直せ」ではありませんが、用語の一貫性には注意したいと思います。