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元・外資系ハードウェアメーカー・マーコム担当の、人生のお休み徒然日記。

仲間を得る、ということ ~ロスジェネ世代の私の就職観~

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先週末、前職同期の結婚式があり、久し振りに同期集合となりました。
私たちの代は特に仲が良く、先輩後輩からは羨ましがられるほど・・・みんなが独身だった頃は、毎年温泉で同期会するのが常でした。
入社から10数年が経ち、それぞれが違う道を選んで、家庭を持っても、新入社員の頃と変わらずに付き合える仲間がいるということは本当に有難いし、恵まれていたなと、みんなに会う度に思います。

ところで、10数年前の初夏の最終面接の日に、私は意図せずして、ひとつのアクション(今思えば、マーケティング?)を起こしました。
面接は男女に分けて行われ、最終面接に残っているのは女子で20人ほど。
女子最終面接の日のトップバッターは、私でした。

一番行きたかった会社、自分なりにやれるところまでやった、と安堵と充足感を抱きながら面接室を出た私は、次の人が呼ばれる声を聞いて、そちらの方向を向きました。
逆光でシルエットしか見えなかったけれど、私は彼女に咄嗟に声をかけました。
「頑張ってください。」
立ち上がりかけていた彼女が、はっと顔を上げてこちらを見たのが分かりました。

10月、内定式の名簿で、私は最終面接で呼ばれていた彼女の名前を見つけました。
最終面接で声をかけたことを思い出して、嬉しくなった私は、内定式が終わってから同期だけでお茶を飲みに行く時に、彼女に聞いてみることにしました。
「面接の時、声をかけたことを覚えている?」

その時帰ってきた言葉は、私の想像を遥かに超えた、嬉しいものでした。
「覚えてるよ! あれ、奈穂ちゃんだったの?」
「私、『頑張って』って言って貰えてすごく気持ちが落ち着いてうまく面接出来たから、私の後の子にも『頑張ってください』って声をかけたんだ」

あまりに私が驚いたので、他の同期の女の子たちが「どうしたの」と寄ってきました。
事情を聞いて彼女たちが、
「私も言ってもらった。なんか嬉しかったよ~」
「うん、私も。だから次の人に私も言ったよ」
というので、自分が火種(?)を播いたとはいえ、私は大いに驚き、喜びで涙が零れそうになりました。

結果、女子8人中5人が、『頑張って下さい』リレーに加わったことが分かりました。
もしかしたら、一度どこかで途切れたのかもしれない、誰か同じように声をかけてくれた人もいたのかも・・・でも確かに、私の"想い"のようなものは伝わったのだと、本当に嬉しかったのを覚えています。

ここ数年、『やりたいことがやれないから』と、就職して1年もしないうちに辞めてしまったり、入社して間もないのに『なぜ大きな仕事を任せてもらえないのですか?』と言う若者が増えている、としばしばメディアでも話題に上っています。
でも、最初からやりたいことが簡単に出来ると考えていること自体が甘いし、大きな仕事を任されるような実力があると、自分のことを過信・過大評価しすぎなのではないでしょうか。

私は、いわゆる「ロスジェネ」世代です。
しかも、就職氷河期の中でも、一番を争う有効求人倍率の低さだった年に、就職活動をしていました。
PC所持者も少なく、ネットに繋がるのは大学の共有PCのみ、就職サイトもオープンしたてのような状況で、せっせと会社四季報を見ながら、資料請求の葉書を出していた時代です。
みんな、葉書を何十通、何百通と出して、会社案内が届くのは半分くらい、中には案内が届いたときにはもうエントリーが終わっている、なんてこともありました。

そうやって苦労して勝ち取った内定・・・でも先日集まった同期は、私を含め実に8割が、転職済みです。
だけれども、誰もみんな生き生きしていて、入社式と同じくらい輝いています。

それは、みんなが決して、『やりたいことがやれないから、辞めた』のでは無く、それぞれに
『新しくチャレンジしたいことが出来たから』
『仕事を通して、もっと深く知りたい、極めたいと思う道を見つけられたから』
と、違う道を選んだからだと思うのです。
今でも、初めて入社した会社のことはとても誇りに思っているし、その会社でこの同期に会えたことを感謝していると、会う度にみんなが口に出して言います。
だからこそ、誰もがみな、お互いを応援し合い、付き合いも長く続いているのだと、私は思っています。

私が会社を辞めようかと迷っている若いロスジェネ世代の人たちへ伝えることがあるとすれば、
『やりたいことが、やれない』と言って辞める前に、
『自分には何ができるのか』
『どんな思いでこの会社を選んだのか』と、素直に心を開いて同期(や同僚)と話してみては? ということでしょうか。

それだけで、『辞めたい』という気持ちが単なる甘えだったと気づくこともあるかもしれませんし、逆に『やっぱりやりたいことがあるから、そちらに進もう』と前向きな転職・離職が出来るかもしれません。
仲間に救われる場面は、意外に多いです。

そしてもう一つ、マーコム屋として(他社のものですが)このCMの言葉を贈ります。

「小さな仕事だからって、クサルなよ。
  小さな仕事もできない奴に 大きな仕事は頼まないもんだゼ。」

「話がちがうからって、クサるなよ!
意外な展開が仕事をドラマにする、かもだゼ!」

Comment(2)

コメント

佐藤さま

『頑張ってください。』の連鎖を生むというのは、素晴らしいですね!!

自分が精いっぱい頑張った後、他の頑張ってきた人に「あとちょっと!」という、既に同僚・仲間のような共感を持ち、そしてその他の人に掛けた言葉は自分への「お疲れさま」とイコールなのかもしれませんが、そういった思いとか、行動とか、言葉は、伝わるのだろうと、改めて思いました。

自分が今、そういった声を素直に掛けられるか・・・と問いかけてみます。

nao

>方波見さん
お久しぶりです!コメントありがとうございます。

社会に出て何年も経つと、忘れてしまいがちな気持ち、私はこの同期達のおかげで大体1年に1度のタイミングで、思い出させてもらっている気がします。
誰かが社会的に成功したとしても、羨まない・妬まない・自分のことのように喜べる、ってなかなか人間として難しいことなのですが、素直にそれが出来る仲間がいるということが、私の支えになっていると思います。

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