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元・外資系ハードウェアメーカー・マーコム担当の、人生のお休み徒然日記。

企業イメージと髪を切ることの類似点?

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私、2週間ほど前に髪を切りました。
30センチ切って肩よりも短くなったのですが、切った翌日気づいてくれた人は極々少数・・・。
明らかに違いが分かるはずなのに、切っても自然に見えてしまうほどピッタリ似合いの髪型なのだわ!と自分を慰めつつ、でもやっぱり「髪、切ったねー!」と言ってもらえないのは、ちょっと寂しいもの。

そんな折、古くからの同僚の方々に、
「昔も同じような髪型、してたよねー?」
「あの時は切ったインパクトが大きかったから、そのイメージが強くて、そんなに伸びてたなんて気づかなかったよ」
と口々に言われ、インパクトやイメージは、一旦植えつけられるとなかなか払拭出来ないものなのだなぁ、と実感しました。

さてそんな折、弊社が古くからお世話になっている調査会社さんから、企業イメージ調査に関する結果と分析資料をいただき、マネジメント層の方含めレビューをする機会がありました。
実のところ弊社では、私たちマーコムメンバーが予想していたものとやや違った、イメージ調査結果が上がってきました。
それは、今後私たちが何を訴求すればいいのか、ということへのヒントにもなりました。
意外であったのは、数年前のイメージ調査の結果からはやや良い方向へイメージが変わっており、代わりに、顕著にマネジメント層の方々には耳の痛いような弱点が露呈したことでした。

それを見たマネジメント層の方々の反応も、また私にとっては意外なものでした。
「こんなの、一部のユーザーの意見で参考にならない」
「ウチの会社の製品を使ったこともない人に調査したって、わかりっこない」

典型的な、拒絶反応(言い換えれば、非を認めたくなくて事実を正しく認識できていない状態)です。

こんなことを、調査会社さんの前で言うのは大変失礼ですし、実際のところ、データは公平でソース数も十分足りており、信用が置けるものです。
ユーザーが弊社にとって都合の悪い反応を示したのは、弊社の製品を導入したことが無いからではなく、イメージが悪いから導入時に見積もり依頼やシステム相談が来ない(もしくは営業が行ったところで、案件内容を教えてもらえない)、結果として新規導入はされないからユーザーの反応は悪いまま、という悪循環を生み出しているからだと思うのです。

「分からない奴には、いつまでも分かってもらわなくて構わない」
なんて、傲慢すぎる主張ではないでしょうか?・・・・嗜好品を売ってるのではないのですから。

このようなやり取りを続けていても、何も良い方向へは進みません。
建設的な意見も交わせなければ、現状をどうしたら変えていけるか、というアイディアもでてくるはずがないのです。
至らない点を指摘された場合に、それを認め、周囲の意見を吸収し、改善策を見出せないようであれば、組織は確実に硬直するのだと思います。
一方で救いだったのは、一人のマネージャーがデータから自分たちの立ち位置をしっかりと確認し、先を見据えた意見を述べてくれたことです。

もうひとつ感じたのは、企業も、私の髪型チェンジも、イメージを大きく変えるという作業においては、あまり違いはないのではないか、ということ。
私は、3年前の髪型変更のインパクトが大きすぎたことと、その後の変化が緩やかであったこと(いきなり髪は伸びませんから・・・)で、今回も大きく変化したにも関わらず前回ほどのインパクトは周囲に与えられなかった。
また、緩やかな変化そのものに気づいていない人さえいた、ということになります。

企業イメージも同じで、大きくブランディングを変更するにあたり、どんな手法を使って、どういった変化を演出するか、ということを考えながら、市場および顧客に与えるインパクトを計算することが大事なのだと思います。
一度ユーザーに植え付けたイメージを、違った方向へ転換させることは非常に難しく、イメージと事実とずれがある場合にも、その"レッテル"を覆す事は、新しい(もしくは正しい)イメージを露出する際のインパクトや広告の継続性に多大に左右されます。
今後の課題として、"どうやって"、"どんな言葉で"、新たなイメージ広告を創り上げ、舵を取っていくのか、ということが残りました。

マーコム担当として、やらなければいけないこと。
まだまだ壁は沢山ありますが、一つ一つ乗り越えていかなければ、と来年を見据え始めた師走の初めです。

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