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元・外資系ハードウェアメーカー・マーコム担当の、人生のお休み徒然日記。

企業のブランド力について再考するの巻 パート2 ~ バリ島夏休み日記 その3~

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ミーティングと外出、プランニングに追われてすっかり更新が止まり、はや2週間経ってしまいました。

このままでは「日記その1」のイメージのまま、”日本人のおじさまを叱りつけた、凶暴なマーケッター”(ばんちょ~さんはお優しいので、定例ミーティングでは”男前”と表現してくださいましたが)のイメージが定着してしまう!

・・・というわけで、真面目な夏休み日記その3、オルタナブロガー中村さんからもリクエストいただいていたホテルのお話を書きたいと思います。

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そもそも、今回の旅の目的は、日本から離れて心と体を癒すことでした。

直前で自分に宿題を課してしまったため、結局はバカンスの合間に、このホテルとスタッフの皆さんを観察しまくり(笑)、完全に仕事を忘れていたわけではありませんが、観光はせず、お土産を買うためにだけ1日外出したきりで、滞在の殆どをホテル内で過ごしました。

かなり奮発してヴィラに宿泊したのも、滞在中に殆ど外に出ないため・・・。

さて。滞在中の朝は、まず身支度をして、バトラーさんを呼ぶことから始まります。

何せ、朝食会場のレストランまでもが遠いのです(よって、移動はバギー)。

道すがら、すれ違うスタッフの皆さんは、みんな笑顔。

「Good Morning!」と必ず両掌を合わせて挨拶してくれるので、こちらも自然と笑顔で挨拶を返していきます。
滞在中、このスタッフさんたちの笑顔と挨拶には、朝夕問わず心を癒してもらえました。

翌日あたりから自然と、自分から先にバリ式の挨拶をしたり、すれ違う他の滞在客の方全員に挨拶が出来るようになりました。

朝食の後は必ず、散歩をしながら広い敷地を歩いて自分のヴィラまで戻ります。
ガラスのチャペルの前で、結婚式の準備の様子を眺めたり、ショップを覗いたり、スタッフの方と立ち話をしたり、大体15分くらいの道程をゆっくり30分ほどかけて歩いて、それから「さぁ今日は崖の下のビーチまで行こう」とか、「プールサイドで本を読もう」とか、何となくの予定を決めて動いたりしていました。

滞在中のトラブル(らしきもの?)は2度ほど。

<1度目>たまたま急いでいたので、珍しくバギーに乗ろうとしたら、2度ほど続けてバギーが来ず、「来ないみたいだから歩くね」と、仲良くなった朝食会場のレストランのウェイターさんに断りを入れて(バギーを呼んでくれていたので、来た時にもう居なかったら申し訳ないと思った)、歩いたら、その日の夕方に急にヴィラにバトラーさんが、ココナッツのお餅を持って来てくださったこと。

でも、バギーの件で、とも何とも言わずに「これ、バリのお菓子ですからどうぞ」とにっこりされたので、鈍ーい私が”お詫びだったのかも?”と気づいたのは、お菓子を食べわった後でした・・・。

確かに急いではいたけれど、バギーも忙しいみたいだし、ちょっと遅刻でも何とかなるかな、くらいの軽い気持ちでいたので、”バギーが来なかったので歩いた”ということ自体をすっかり忘れていて、こんな些細なことまで気を遣ってくれるのね、と却って驚き・・・。

<2度目>部屋のプールサイド(ヴィラにはプールがついている)で、たまにはプールに足でもつけようと思ったら、毎日出ていたジェットバス(多分、プールの水を循環させるため、始終ジェットバス方式で敢えて水を溢れさせている)が動いていなくて、おかしいなぁ、ジェットって止まるんだっけ?と暢気に思っていたのです。

そうしたら庭のほうから機械の技師さんが現れて、「10分で直します!」とのこと・・・裏でガチャガチャ音がしていたのはこれが壊れていたからなのね、と納得。

30分後、やや重症気味で直らなかったようで、技師さんが申し訳なさそうに再登場し、
「プールが使えないのでお部屋を移動されますか?」

翌日チェックアウトだった上、それほどプールに重きを置いていなかった私(注:私は泳ぎが苦手なので、プールは足をつける程度なのです)は、明日チェックアウトだし、大丈夫ですよとお返事しました。

日も暮れてきたし、予約していたシアター(日記その1で書いた、ダンスのシアター)に行く時間が迫っていたので、プールのことは気にもしていなかったのですが、急に客室マネージャという方から電話が入り、プールが壊れたお詫びと、またまた「ヴィラを変更されますか?」という提案・・・”明日チェックアウトだし、プールのことは気にしてないので大丈夫。ありがとう”と電話を切りました。

そしてまた30分後、バトラーさんが「お菓子どうぞ!」とバナナのフリッターを持ってやってきました・・・。

ちょっと古い言葉ですが、「ホウ・レン・ソウ」がよく出来ているお手本のようだと、この連続パーフェクト対応で、すっかり私はこのホテルのファンになってしまいました。

この(私にとっては)ほんの些細な、トラブルとも呼べないようなことでも、「このくらい大丈夫」と放置せずに万全の対応をして下さったホテルの方々のホスピタリティとスタッフに浸透していると思われる”企業理念(メソッド)”には、私の夏休みの宿題に対するパーフェクトな答えが隠されているのではないかと思いました。

2日目の朝の挨拶から、常々感じていたことですが、ここのスタッフの皆さんの対応には、決してマニュアルに留まらない、「温かさ」や「優しさ」がありました。

作り物の笑顔でない、心からの笑顔。

作業をしながらもいつでもにっこりと笑いかけてくれるスタッフの方々を見ていると、本当に働くことを楽しんでいるように見え、精神的な豊かさを分けて貰ったような気がするのです。
きっと、裏での努力があり、辛いこともあるのでしょうけれど、それを感じさせずにきちんと私たちゲストに対して、一貫して心地よい対応をしてくれました。
もちろん、お金を払って宿泊しているわけですから、サービスされるのは当たり前なのかもしれませんが、お金に対する対価としてのサービス以上のものを、貰えた気がするのです。

そしてそれは、そのままこの「アヤナリゾート&スパ バリ」の"企業ブランディング"や"ブランド エクイティ"の向上そのものに直結し、いわば”ブランド力”そのものであると感じました。
(こういった経緯があったからこそ、その1で書いたような言動に私も出てしまったのかもしれません・・・今、冷静になって、帰国後の気持ちが熱いうちにその1を書いたので、感情的だったなぁ、と反省してもいます。 今更、言い訳がましいですが・・・)

チェックアウトの日の朝、真っ先に名前を覚えてくれて仲良くなったウェイターさんが、
「また来年!」
と、日本語で言って(普段は英語Only)、レストランからずーっと手を振ってくれました。

そこには、友達と別れるような淋しさがありました。
本当に、また来年もここへ来たいなぁ、とすっかり歩きなれたヴィラへの道を歩きながら思いました。

期待をいい意味で裏切ってくれ、そして私の宿題に対して素晴らしい答えをくれた、本当に良いホテルとの出会い。
いい夏休みの過ごし方ができた旅でした。

また、行きたいな~。

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