ブランド エクイティを向上させるマーコム戦略とは?
ブランド エクイティ(資産価値)について取り上げた記事を読んでいたところ、タイムリーなことに、製品ブランディングに関してマーコムとしては悩ましい依頼が飛び込んできたので、少し考えてみました。
依頼内容は、あるメディアの取材についてだったのですが、"悩ましい"というのは、その依頼が弊社で出している2製品(別々のブランド)の特長を特集記事として露出したい、ということだったからなのです。
この製品は、対象ユーザ・機能・サポート内容が全く異なり、価格も違うため、並べて出した場合に価格面で圧倒的に差がついてしまう恐れがあります。
いわゆる、"自社内競合"です。
もちろん、私の立場では、大企業向けユーザにフォーカスしていますので、スペックが高いほうを大々的に露出したい、という思惑があります。
しかしながら、会社全体で見たときの売上げ等を考えると、汎用版も露出していく必要があります。
並べて露出することは出来ますが、それでは「一体どちらをメインで売りたいのか」という印象を与える可能性もあります。
(本当はどちらも売りたいのが心情ですが・・・)
メディアのユーザ層(ターゲット層)が分からなかったため、今回は判断を広報に委ねましたが、これで正しかったのだろうかと思いながら、とある記事を読んでいて、下記のような一文を見つけました。
「いま、ブランドのテーマには“integrity”、すなわち『正直さ』『誠実さ』が大きく掲げられている。それがブランド・エクイティに直結するからである。」
私が入社したての頃は、会社の売上げが鰻登りで、とにかくハードを売って売って売りまくって稼ぐ!という戦略が取られていました。
そんな中で、システム構成もろくにヒアリングせずに売るような事が出来ず、私の営業成績は"上位だけどいまいち"の位置をいつもプラプラしている状態。
"必要なものを、必要なだけ、お客様の予算内でサイジングし、押し売りはしない"という私の営業スタンスは、もちろん異端児扱いで、
『もっと頑張れば、インセンティブも一杯貰えるのに、欲がない』
とか
『気合が足りない』『モチベーションが低い』
とか、色々と言われたものでした。
クレーム発生時はそちらを最優先、というポリシーも絶対に譲らず、対応が長引きそうな場合や、お客様にとってのネガティブな情報も、お伝えできる範囲のものは全て正直に伝えました。
営業には全然向いていない人間だったのかもしれませんが、営業を離れて5年近く経った今でも、昔の電話番号やメールアドレスを頼りに、システムアップデートやハードの増設で私に連絡を下さるお客様がいらっしゃることは、ちょっとした誇りでもあります。
一営業担当として、少しは企業ブランディングに役立てたのかな、と思える一瞬です。
小さな小さな範囲での、私が担当したお客様にだけの、"ブランディング"。
ふとそんな営業時代のことを思い出しながら、マス・マーコムで出来る"企業ブランディング"や"ブランド エクイティ"の向上について、製品の露出という観点からだけでなく、改めて考え戦略を立てる必要がある、と自分へまた一つ課題を課しました。
来週から赤道直下の島へ飛ぶので、少し遅めの夏休みの宿題にしようと思います!
※一部文字化けがありましたので、修正しました(9/1)