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組織、マネジメントの理論とその実践を、スポーツ・学校を通して考える。

ジャニーズ問題はいじめ問題と同じ

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先週、ジャニーズ社長が会見を開き、長年にわたる性加害が行われていたことを認め、謝罪した。海外のTV局の取材と告発をきっかけに、ようやく明らかになった元社長の犯罪。黙殺してきた日本のメディアや事務所の人間は一体何をしていたのだ。もし、こんなことが学校で起きていたならば、マスコミは大騒ぎするだろう。大手芸能プロダクションだからといって、この問題を放置してきたメディアの責任は大きい。

この事件は「いじめ」と同じである。マスコミにはそのような論点で問題を掘り下げてもらいたい。大人から青少年への暴力・いじめなのだ。次々とターゲットを変え、性的ないじめを繰り返してきた。被害者は泣き寝入りし、周りの人間は「見て見ぬ振り」をしてきた。

いじめで問題になるのは、加害者だけでなく、その周りにいた「見て見ぬ振り」をする傍観者たちだ。いじめ問題での定義では「消極的加害者」と言われるものだ。これがいじめを助長してしまう。加害者のそばにいた大人たちは「消極的加害者」であり、「知りませんでした」「噂では聞いたことがあります」という言葉では済まされないのである。消極的ではあるが「加害者」なのだ。その認識がかけている。だから、記者会見では他人事のような発言しか出てこない。この問題を報じるメディアの方たちにも、この問題の本質は「大人による青少年への暴力・いじめだ」と認識してもらいたい。「いじめ」としてこの問題を捉え直した瞬間に、周囲の責任が浮き彫りになるのだ。本当に残念でならない。

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