ひょんなことから初のお百姓さん体験
おはようございます。
週末は晴れました。今日は梅雨っぽい朝です。1002hPa 16.5℃ @5.10am.
===ほぼ毎朝エッセー===
「いやぁ、ゴールデンウイークにお百姓さんしてきて!土を触るのって気持ちいいですよ。DNAに刻まれているのかなぁ」
ここのところ懇意にしている個人タクシーさんがいるのですが、先日その人がこう言っていたので、思わず返答します。
「農作業、気持ちいいでしょうね!自分もきっと嫌いではないと思います」
そんなやりとりから派生して「お百姓さん」を初体験してみることになりました。その後、面倒見のいい彼は、地下足袋、作業用手袋、麦わら帽子やタオルまで買ってくれていました。さらに、車2台で行くのももったいないからと、当日は彼の家近くの駐車場に集合、私の車を置き、埼玉県比企郡の小川というところまでタクシー用の車で行ったのです。端から見れば小川まで農作業をしにタクシーで乗りつける形ですね(笑)。
埼玉県の比企郡に無農薬農業を手掛けている彼の知り合いの夫妻がいます。ここ数年、たまに家族や知人と農作業を手伝いに行っているというのです。私は農業の実体験など、本格的なことはやったことがありません。しゃがんでやる作業も苦手の部類です。それでもいい機会だと思い飛び込みました。まずは、ネギ畑に行きます。初めての地下足袋を履き、手袋を付けて作業開始です。
長ネギはまず、種から苗を作り、その苗を分割しながら直線状に畑に埋めるのです。その作業の中の、ネギ坊主の首切りを担当しました。ネギ坊主とは長ネギに生えてくる花のことです。ネギは花にエネルギーが取られてしまうのでカットする必要があるというのですね。蜜を吸いにきたモンシロチョウに文句を言われるような気持ちで、次々と首切りをしました。きっと一生分の坊主の首切りをしたのではないかと思います。
作業が終わったら今度はネギの植わっている根元の草抜きです。「名の無い草は無い」です。草も生きるのに必死。まぁ、見事に生えています。それをせっせと繰り返し作業で抜いていく。抜き終わると、今度は、庭の剪定などで回収された草木をチップ状にしたものをネギの両側に盛ります。ネギの根っこの「名も呼ばれない草」たちは、太陽光を遮断されることで根絶。そして、長ネギの白い部分もこの盛った部分で白くなります。一段落するまで3時間弱。しばらくしたら、間の土を機械で盛り上げるそうです。
ネギ畑が一段落したら、次はキュウリ畑です。キュウリって、売っている状態は若い状態で、放っておくとウリほどの大きさになるそうです。そこから取れるタネは黒くて立派なタネ。その種から苗を作り、その苗を一定間隔で植えてある畑に行きました。節をしたから数えて7つ目にまでついている、花とかキュウリの子供とか、そういったものを排除します。
次にキュウリを垂直に立ち上げるための枠を組み、網を張ります。これも地道な作業。そして網を張ったところでキュウリたちに網に上るように方向づけをしてあげます。これらのキュウリ関連作業には優に2時間かかったでしょうか。
今度は収穫です。ズッキーニ。ズッキーニというのは地面近くに放射状にできるのですね。それをはさみで丁寧に収穫します。
最後に大根の収穫。大根は、少し離れたところをスコップで土を動かし、手で抜くとあっさりと抜けます。青首の太さを観察して、成長しているものを選んで抜きます。収穫のなんと簡単なことか。それまでの苦労の結果の収穫が一瞬なのが申し訳ないくらいです。
なんだかんだと10時前に始まった農作業、夕方5時過ぎになっていました。野菜作りの知識や常識が全く分かっていない状態で参加したのですが、何とも楽しい時間になりました。目の前のことに無心になれるって楽しいことですから。また、知らないことをいろいろと聞いて納得できるのもとてもためになりました。例えば温床。温床とは、早春のまだ寒いころに苗を発芽させるために使います。温めるのに、層ごとに配置した木や草や鶏糞を上手に混ぜて回して発酵させることで熱を作ります。カブトムシの幼虫がどっさりと取れるらしいです。
いずれにせよ、農薬を使わない有機野菜作りってなかなか大変です。でも、その野菜、少し分けていただいたのですが、おいしいこと!なにせズッキーニや大根の茎まで生で安心して食べられます。そして美味しかったです。
作業が終わった後はお風呂とお食事。夫妻と運転手さんと自分の4人での話も楽しく、会社で毎週野菜を取ることにしました。福利厚生として、無農薬有機野菜を会社まで毎週届けてもらい、それを社員に持ち帰ってもらいます。どのように選べるかなど、若干のルール創りをしなければいけませんが、日本の安心して食べられる野菜が毎週届くなんて、それだけで嬉しく思いませんか?試してみましょう。
それにしても、ご紹介いただいた気さくなタクシーの運転手さんには感謝です。今後たびたび駆り出されそうです(笑)。