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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

BYODが社会現象のように素早く浸透してきています

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おはようございます。

ずいぶんと涼しくなり、夜の睡眠が深くなりました。
その分朝起きるのが辛いのですね。だからか早朝の電車が空いてきました。
今朝はBYODについて。

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■BYOD傾向が強まってきている

Bring Your Own Device、これを縮めてBYOD。つまり、会社業務をするのに、自分のデバイスを使ってしまうということを指します。このところのお客様からの情報だと、会社業務で私物スマホ利用を許可しようというところが増えています。それもかなり急速にです。

なぜでしょうか。

個人のiPhoneを会社が利用してしまおうという逆転の発想』を昨年の6月にエントリーしました。当時、あまりにもiPhoneが普及してきているので、それを会社が利用してしまおうと考えた人がいたわけです。従来は、個人のケータイと会社支給のケータイを分けるという風潮があったので、なかなか先進的だなと感心しました。

考えてみれば、個人で持つiPhoneは、パケット代が定額の上限に張り付います。あるいは、Wi-Fi環境を自宅に整えて利用する人も多いです。だから、その端末で会社業務をやっても余計な通信費も発生しないのです。さらに端末代もかからない。大幅なコストダウン。そこに目を付けたわけです。逆転の発想ですね。

その後1年。

日本でも、Androidをベースにした端末の増え方は、予測の上振れ上限くらいのラインで推移しています。とても増えている。一方、法人でのAndroid端末の契約はまだ限定的であると聞きます。つまり、ほとんどのAndroidは個人で購入されているわけです。

個人が多数の3キャリアスマホを持っている環境が整ったわけです。Android端末も、iPhoneと同じ通信費事情です。そもそも個人がパケット代を上限で支払っている。故にBYODが一挙に注目されてきたのです。このトレンドが止まらないようにもなっています。

一方、ユーザーが勝手にメールを転送してそれをスマホで利用するようにもなっています。

従来のケータイであれば、そういった使い方もある程度黙認されていたのでしょう。ところが、パソコン並みのパワーとSDカードなどの外部メモリーを持つスマホだと、添付ファイルなどを通じて個人情報漏えいなどにつながる危険が格段に増えます。ノートPCの持ち出しを禁止しても、スマホからデータが漏れてしまったら元も子もないです。

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■個人スマホを会社業務に使う際の注意点3つ

スマートフォンを安全に使うことに関しては『「私物スマートフォン」の会社業務利用についての考察』に詳しく書きましたが、注意するポイントとしては次のようなことでしょう。

・ActiveSyncなど、メールや添付ファイルを端末にコピーする方式を避ける
 →その際にはリモートワイプや端末ロックなどのMDMが必須です。
 →一方、落とした際に個人の写真や音楽まで消してしまっていいのかという議論もあります。

・VPNで会社につながさせない
 →端末が感染したウィルスが会社に入る心配はしたくありません。

・SDメモリーなどへのコピーを禁止する
 →添付ファイルなどをダウンロードして外部メモリーにコピーできない仕組みが必須です。

急速にBYOD傾向が強まっている中、システムとしては、利便性を最大限に保ちつつ、セキュリティがかっちりと安全な仕組みを導入することが求められています。スマートフォンならではの注意点ともいえるでしょう。

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