教育を受けられない、子どもたち。大気汚染の教室に入れない!がまんせずに、伝えよう。 ~日用品公害・香害(n)~
学校での香害に困っているけど、どう伝えればいいのだろうーーーそんな声を、しばしばSNS上で目にする。
原因は、香り付き柔軟剤、抗菌系合成洗剤、制汗スプレー、除菌消臭スプレーなど、2000年代半ば以降、ナノテクノロジーを利用して開発された日用品だ。
徐放、包摂、嗅覚制御などの新技術が使われており、従来品と違い、生体リスク・環境リスクが大きい。
そのうえ、コロナ禍で、除菌抗菌ニーズが高まり、複数の製品で成分が増量された。
こうした事情により、教室の中の空気が、短期間で様変わり。とくに2018年以降、不調を訴える声が増えている模様だ。
そうしたリスクを知ってか知らずか、クラスメートや教師や職員が使う。
保護者が使って給食着や制服やアンダーウェアを洗う。それを着た学生たちが教室に集まる。さまざまな製品の成分が拡散することになる。水着にいたっては、プールが洗濯槽と化す。泳げば「すすぎ」状態になることはいうまでもない。
含まれる成分は速やかに生分解するわけではない。蓄積する。
汚染された空気に晒され、制服や人体とくに頭髪に、成分が移り、固着する。通学カバンや教科書、文具、弁当箱にいたるまで、教室に持ち込んだ物すべてに、移香する。それを自宅に持ち帰る。自宅がじわじわ汚染される。この移香を確実に除去する方法はない。
教室で曝露し、自宅でも曝露。皮膚炎、咳、鼻炎、喘息、頭痛、視力低下、倦怠感などが生じてしまう。
学校に行くのがつらい。教室で過ごすのがつらい。でも、学びたい。友だちと一緒にいたい。相反する、気持ち。
声をあげられない。口火を切るのが難しい。
空気を読むと、怖くなる。下手に伝えて悪い結果になったら、どうしよう。二の足を踏む。だよね。そりゃそうだ。そして、耐えて、症状を悪化させてしまう。
そこで、広告を作ってみた。
まずは、知ってほしい相手に渡す。無言で渡してもいい。見てね、考えてみてほしい、といった一声を添えてもいい。
相手が、「なにこれ?イミわかんないんだけど!」など、何らかのストロークを返してきたら、そこから、話を始めよう。「何に困っているか」「どのように困っているか」を伝え、「どうすれば解決できるか」を提案し、「どのように行動すればよいか」を具体的に説明しよう。
X上に、低リスクの製品のリストが流通しているので、渡すといいだろう。友達の保護者にとっては、価格も重要な要素。コスパが同等かそれ以下の製品を選んでもらうといい。そして、購入方法を調べて伝えよう。スーパーやドラッグストアで見かけない製品でも、コンビニやオンラインショップで買えるものが少なくない。
自分は化学物質に弱い個体なのだろうか?などと悩む必要はない。短期間での大きな変化に、生体が対応できないのはあたりまえだ。耐えなくてもいいことを、耐える必要はない。こと香害に関しては、忍耐は美徳ではない。教室に足を踏み入れることができなくなる前に、伝えなければ。
小さなアクションを、ひとつでも、起こしてみればわかる。ひとりではない。困っている学生はほかにもいるはずだ。湿疹ができても、何かにかぶれたのかな?頭痛がしても風邪をひいたのかな?と不思議におもいつつ、原因に気付いていない人がいる。症状がなくても、カオリやニオイにうんざりしながら黙っている人もいる。
大人たちは、考えを改めなければならない。大気汚染の事実を知らせることは、勇気を振り絞らなければできないことだろうか。アイドルや動画やスィーツの話と同じように、気軽に、環境問題を発信して話し合える、そんな雰囲気作りがもとめられるだろう。
そして、大人たちは、教室に漂う化学物質を、正しく恐れる姿勢を持つ必要がある。
しばしば、SNS上に流れてくる投稿を見ると、ユーザーの考えは、似通っている。
「どの店にも売っているし、多くの人が使っているから、問題ないとおもう」「好きなアーティストがCMで宣戦している」「規制されていないのだから、危険なものではないはず」「好きな香りを使う権利もあるとおもう」「マイノリティに合わせる必要があるのだろうか」「ユーザーに対してではなく、メーカーに伝えるほうがいいのでは」といったところだ。
こうした言葉が、友立ち、というよりも、友だちの親や教師から発せられる可能性を考えると、学生は発信しづらくなるだろう。
未成年の子をもつ大人たちは、メディアの情報を、「まるっと、ストレートに」受け入れるのではなく、精査して、フィルタリングしてください。製品の仕様や、環境リスクについての研究報告書や、メーカー側の対応について、調べてください。
X上で「#香害は公害」で検索すれば、多数の情報が得られる。とくに本日(第一土曜日)は、情報が多く流通する日でもある。
ただ学校に通いたいだけの子どもを、追いつめてはいけない。
なお、ここに掲載した2点は、ブログの画像サイズ上の制限から、幅600pxに縮小している。原寸大のものは、Xで流通している。
誰でも無償で利用できる。著作権は放棄しないが、使用にあたって筆者に連絡する必要はない。ただし、香害を伝えるために制作したものであるから、それ以外の目的、たとえばイラストのガスマスクをコロナ禍と関連付けて使うなどは控えていただきたい。
なお、画像素材の制作には、Adobe Firefly を使っている。フォントは、標準のUDフォントだ。
前回記事で書いたように、現在の Adobe Fireflyは「生成AIモデルのトレーニングに、Adobe Stockなどの使用許諾を受けたコンテンツのデータセットおよび著作権の切れた一般コンテンツ(Adobe公式サイトより引用)」を使用しているため、安心して利用できるだろう。