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ITエンジニアは白内障に気を付けろ

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先日、眼科を受診した。
両目の瞼が重く、「一」が「二」に見える。右は、「I」や「T」が「Ⅱ」に見える。
20代から3回、霰粒腫を手術、その後も繰り返している。

白内障の初期だという。手術は必要ない。10年先だ。進行を遅らせたり、止める手立てはない。白髪が増えるように加齢によるものだから仕方ない、というのが医師の説明だ。ドライアイのための目薬が処方された。

だが、筆者には、加齢が原因ではないとわかっている。原因は、外部要因だ。「睡眠負債と、24時間臨戦態勢からの高血圧」それを引き起こしたのは、ワンオペ・オンコールからのワンオペ介護と香害だ。

髪の色は正直だ。目の状態と比例する。
3年前まで、白髪はゼロだった。そして、1週間ほど前まで、疲れた翌日に数本を観測する程度だった。
それが、受診前の数日で一気に増えた。といっても、見た目は一見、真っ黒だが。何があったのか。

3年半前、近居の高齢の親が突然不穏になった。
昼間はすぐ近くに借りておいたオフィス(名ばかり書斎)に常駐して、食事と服薬管理などに日参し、夜だけ自宅に戻っていた。自室で眠ることができた。

3年前、親が救急搬送された。十中八九、原因は減薬による離脱症状だ。
親の挙動は狂気そのもので、6畳一間の居室に常駐せざるをえなくなった。
当初は、カーテンを開けることさえ嫌がり、薄暗い中で、Surfaceを使った。この頃から、視力が急激に低下した。

その後、親の状態は良好になり、普通に会話できるまでに戻った。

だが、半年前から、親に錯視と独語が増え、Surfaceを居室に置いておくことができなくなった。
オフィスと親宅と一日何往復もする生活が始まった。さらに、ガスは危険なので使えないようにしているが、電気コンロも徘徊でコードを引っかけるため使えなくなった。
親がうとうとしているのを見計らって、オフィスで調理して持ち運む。偏食がひどく、スーパーの惣菜で食べられるものは数種類、配食サービスも受け付けない。
オフィスにいる間にも、目を覚まし、這って段差を超えようとして転倒する。外に出ようとしてドアを叩く。
親の就寝時間が決まっていないため、眠れない。3年間、フォールディングベッドとシュラフで眠り、入浴もシャワーでサッと済ませる生活が続いている。

さかのぼること33年、ワンオペオンコール対応が始まった。それが激化したのは、2015年頃からだ、その頃から、血圧が高くなった。原因は、昼夜逆転せざるをえなかった環境と(これについてはまた別途書く)深夜のオンコール対応による、睡眠負債だ。そして、この3年、それが激化。24時間臨戦態勢。交感神経優位。睡眠時間は、2~3時間だ。

ショートステイやデイサービスを利用しようにも、拒否が激しい。熟睡を確認して、毎日30分ほど帰宅するのが精一杯。外出できない。買い物はネット頼み。

オフィスとの往復をし始めた頃から、左目に霰粒腫ができ、二重に見え始めた。だが、霰粒腫が退くと元通りになる。
鏡を見ると、目の色が違う。2週間ほど前から、顔色が違う日があった。(休眠中だが)デザイナーだから、ささいな色の変化にも気が付く。
1週間ほど前から、TANITAの体組成計で計ると、筋肉量が減っていた。体重が増えた。顔と足がむくんでいる。これはまずいな、と分かっている。だが、通院できない。
ワンオペだ。代わりがいない。

さいわい、数カ月前から、近くの事業所でショートステイサービスが利用できるようになり、予定が組まれていた。半ば強制のかたちで送り出して、ようやく眼科へ行ったというわけだ。むくみが解消しなければ、次のショート利用の機会に内科受診の予定だが、それまでに、できれば自力で改善する。

そして、筆者の睡眠負債を加速させているのは、介護だけではない。
「香害」だ。
筆者の住む地域には、2019年から香害が来襲。香害原因製品を大量に使う来訪者から、衣類へ移香。食品は、買えば9割がパッケージに移香。除去のための繰り返し洗濯と、パッケージの移し替え。
2021年春からは、住居の共用部も、医療や介護の現場も、香害に染まった。避けられない。住居への侵入防止対策と、移香除去の洗濯に疲弊する。

こうした、6年前までは必要なかった香害対策に、ぼうだいな時間を奪われている。そのぶん、睡眠時間が削られる。

なお、目を保護するため、2020年にUVカットのメガネを2本買っていたが、樹脂部分が強く移香しており、除去できず、使えなかった。

これから先、徐々に画面が見えなくなるのでは、いずれ、文も絵もコードも書けなくなるではないか。とはいえ、白内障は手術で治る病気だ。親は、75歳で手術して、90歳過ぎまで裸眼で新聞を読んでいた。ならば、10年先に手術すればいいのだろうか。
その頃、日本の健康保険制度はどうなっているだろう。実費なら高額だ。払い戻し制度は続いているだろうか。
その費用だけでなく、入院保証人サービスの費用も捻出しなければならない。身内は大半が年上だ。いとこたちはほぼ同年代、同様に年をとる。生命保険会社や行政書士のサービスを利用することになるだろう。医療が進歩して手術以外の選択肢が増えること。ITの進化で見える技術が開発されること。この2つに期待しておこう。

なに見えなくなっても音があるではないかといえば、こちらは左側の突発性難聴からのメヌエールで右の聴力も揺れている。
耳のこの状態を引き起こしたのも睡眠負債、外部要因だ(これもまた別途書く)。
健康を維持するために、周りには、何度となく、実行可能で具体的な提案をしてきたのだが、スルーされたり拒否されてきた、その結果である。

高血圧の原因は、塩分や肥満だと言われるが、筆者の場合では、「睡眠負債」だ。
日常生活では、精製塩の塩水を飲むわけではない。自然塩のみそ汁に野菜や海藻を入れるのとでは、違うのだ。

ITエンジニアには、体内に日付変更線を数本持つ人も少なくない。じゅうぶんな睡眠を確保できていない人もいるだろう。

単身のうちはいい。ブラック勤務でない限り、睡眠時間を決定する権利は自分にある。

だが、介護や結婚などのイベントを機に、場合によっては、その権利を手放さざるをえなくなる。
睡眠時間を確保できるよう、模索し、実践し、改善要求を突きつけるべきだ。闘え。そして、闘いに敗れ、生活を改善できず、単眼複視が認められたときには、早めに眼科を受診してほしい。

あなたの目が悪くなったとき、その原因を作った人たちは、「辛いね、かわいそうに」とは言う。
だが、ことばだけだ。何も補償はしない。
なにより、あなたが生涯をかけて、するはずだったことは、あなたにしかできないのだから。

いま読める本は読み、いま見える映画は見て、いま聴ける音楽は聴いておけ。
いま書ける文章は書き、いま描ける絵は描き、いま作れる音楽は作っておけ。
後回しにするな。

あなたの人生はあなたのものだ。あなたの健康はあなたのものだ。誰にも邪魔させてはいけない。

※ 透明レンズのサングラスをかけて、手元を見て入力しています。そこは長年VDT労働をしている者の経験とカンです。練った文章にはなっていませんが、ご容赦。

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