iPad向けKindleアプリ正式発表。iBookStoreと比較すると?
Amazonから,正式にiPad向けアプリケーションが発表された。
・ Kindle Apps for Tablet Computer (Amazon.com, 2010/3/22)
すでにITメディアからも速報記事「Amazon、iPad向けKindleソフトを発表」が出ているが,アプリのポイントは次の通りだ。
- 同社はこれまでもiPhoneをはじめ,PC,BlackBerry,Mac向けにKindleアプリをリリースしてきた。
- これによりAmazonが取り扱う45万冊以上の書籍をタブレットPCでも購入して読めるようになる。
- Whispersync技術により,購入済みのコンテンツをそのしおり機能やメモとともに共有できる。
- PC版、Mac版と同様にカラーの書籍はカラーで表示できる。
- 他のKindleアプリとはユーザーインタフェースが異なり,背景色やフォントサイズをカスタマイズできるほか明るさの調整も可能。ページをめくるアニメーションを追加した方式も選択できる。
このカウンターとしてSilicon Alley Insider記事で,Kindle(Amazon)とiBookStore(Apple)の興味深い対比が掲載されていたので紹介したい。
これは書籍選択画面だ。iBookStoreのリアルタッチが印象深い。
こちらは閲覧画面。やはりiBookStoreは,よりリアルな書籍感を表現しているようだ。
そしてこちらは購入画面。KindleはAmazonで,iBookStoreはAppleとなるのだが,ここでアプリは大きな差がでる。iBookStoreはiBooksアプリ内で購入できるのに対し,Kindleの場合はWebブラウザを起動し,その上でAmazon.comから購入しなくてはいけない点だ。
これは,バーチャルグッズのeコマースはAppleStoreで独占するというAppleのポリシーに従うもので,当分の間,iPad上の商売ではAppleが明らかに優位であることを意味している。
ただしユーザーにとっては,書籍の品揃えと価格があくまでポイントだろう。
参考まで,第3勢力であり,やはり電子書籍リーダーNookを出荷しているBarns&Nobleも,iPadアプリを3月11日に発表している。これはシンプルなiPhoneアプリを踏襲したものだ。
ちなみにiPad発売日は米国で4月3日,日本では4月末とされている。
先行販売では初日に12万台が予約され,数十万台が売れたとされている。目玉商品であるメディア・コンテンツの取り込みに関しては苦戦しているとの報道もあるが,いよいよ発売が楽しみになってきた。
【追記】
オルタナ・ブロガーの松尾氏が,Kindle for iPadについて詳細をレポートされているので紹介したい。
・ Kindle for iPadの画面が公開、詳細も明らかに (3/22)
【関連記事】
・ iPad予約開始。6時間で9万台のロケットスタートか!出荷予想をiPhone/Androidと比較する (3/13)
・ 日本でも4月末発売決定。iPadはどれくらい売れるのか? (3/6)
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