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いまさら聞きニクいクラウドCRMあるある

第10回 Salesforceのメール管理について

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皆さんこんにちは。

先日開催されたSalesforceイベントWorld Tour Tokyo 2015には参加されましたでしょうか?

1日目は両国国技館、2日目はプリンスパークタワー東京と虎ノ門ヒルズで開催されましたが、私は急遽別件で遠方に出張していたので、残念ながらイベントには参加できませんでした。

そのため今回はイベント参加報告ではなく、いつも通りSalesforceに関するお役立ち情報をお届けします。

Salesforceを利用したメール送受信

別の記事でもお届けしているとおり、コンタクトセンターではメール-to-ケース機能を利用してお客様からのメール情報を問合せ情報として管理したり、ケースフィードを利用してお客様にメールでの回答を行ったりと、Salesforceのメール送受信機能を頻繁に利用するシーンがあります。

ただし、お客様へメールを送信する際のメールアドレス間違いなど、何らかの理由でメールの送信がうまくいかないケースがあります。

このような場合、エラーメールがSalesforce側にどのように通知され、どのような処理が行われているかを今回の記事でご紹介いたします。

メール-to-ケースでのメール管理

メール-to-ケースは、お客様からのお問い合わせメールをSalesforceのケースに直接登録することができる優れた機能です。

また、簡単な設定をするだけで、お客様からのお問い合わせに対してオペレーターがメールで回答する際に、元のケース情報を紐付けるための番号(ref番号)がメールの件名や本文に記載されます。これによってお客様からの返信内容を時系列に紐付けることも可能となっています。

※メール-to-ケースの設定内容については第3回の記事でご紹介しています。

Pic10-1.png

一般的に、お客様からメールで頂いたお問い合わせに返信する場合には、メールアドレスの間違いによってエラーになるケースは少ないと思いますが、お電話でお問い合わせ頂いた際に電話越しにメールアドレスをお伝え頂く場合や、Webフォームからお問い合わせ頂く際の記入ミスなどで、オペレーターからメールを送った際にエラーになる場合があります。

メール不達の原因は、「ドメインが存在しない場合」と「ドメインが存在する場合」の2パターンで挙動が異なりますので、これらについてご説明します。

ドメインが存在しない場合

送信先のメールアドレスのドメインがそもそも存在しない場合、Salesforceから送られたメールは下図の通り「MAILER-DAEMON@salesforce.com」からフレンドリー差出人として指定されているサポートメールアドレスに配信されます。

ただし、このメールがメール-to-ケースのサービスアドレス宛に転送された場合でも、Salesforceはこのメールメッセージを処理しません。

そのため、もしエラーメールとして何らかの処理を行いたい場合には、転送元のメールサーバー側でメール-to-ケースとして処理されるように差出人を書き換えるなどの処理が必要となります。

Pic10-2.png

ドメインが存在する場合

一方、送信先のメールアドレスのドメインは存在する場合には、送信先のメールサーバーからエラーメールが通知されます。エラーの種類は、ユーザがいない場合や添付ファイルの容量オーバーなど様々なケースが考えられます。

この場合もドメインが存在しない場合と同様に、エラーメールがフレンドリー差出人として指定されているサポートアドレスに転送されます。

ただし、送信されたエラーメッセージはメール-to-ケースの仕組みによって処理され、新規のケースで登録またはref番号により元のケースに紐付けられます。

Pic10-3.png

メールサービスを利用してエラーメールをハンドリングすることも可能

ここまでご紹介した内容は、エラーメールを受け取る仕組みがメール-to-ケースの場合についてです。

Salesforceではメール-to-ケース以外にもメールを処理する仕組み(=メールサービス)をApex開発によって実装することが可能です。

この仕組みを用いることで、エラーメールのハンドリングを柔軟に対応することが可能ですがそちらについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。

まとめ

今回ご紹介した内容は、メール送信エラー時にどのような挙動になるかを簡単にご説明したものですが、標準機能であるメール-to-ケースを利用している場合には、ドメインの存在有無でハンドリング方法が異なります。

このように標準機能を利用した場合の動作特性を正確に把握しておくことは、Salesforceを利用してカスタマーエンゲージメントに繋げるために必要になります。

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