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新しい価値探しの時代を楽しんでみた

官房機密費問題から、偏りの少ない情報の得かたを考える

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最近、移動時間など、ちょっとした時間にツイッターを見るのが習慣づいてきました。
先週末には参議院選挙などもあったので、政治関連の話題をウォッチしていました。

ツイッターでは個人ジャーナリストの直の意見などを知ることができます。その意見によって、政治の見え方等がかなり変わることがあり、話題としてなかなか面白いです。
中でも、僕自身にとってかなり衝撃的だった、内閣官房機密費と記者クラブ関連の話題を少し。

■内閣官房機密費と記者クラブの問題

詳細な内容は、岩上安身さん( @iwakamiyasumi )、上杉隆さん( @uesugitakashi )の過去つぶやきや、対談のUstreamなどを参照ください。
また、最近の週刊ポストにも、上杉さんの連載記事で詳細が書かれているようです。


官房機密費自体の存在や、政権(=権力側)がそれを使用する先として、ジャーナリズムもターゲットになりうる、ということは理解できますし、許容されるかと思いますが、ジャーナリズムの側が、それを許容する(=権力側から懐柔される)ということは、間違いなくNGです。そのジャーナリズムの存在意義が、根底から揺らぎます。
上杉さんはニューヨークタイムスの記者でもあったことから、このあたりのジャーナリズムのスタンスについて、欧米などの他国と日本とを比較されています。

記者クラブというものも名前は知っていましたが、その意味、効力を初めて知りました。そして、今回の機密費の使われ方と、記者クラブの存在とが連携すると、非常に問題な構図が浮かび上がります。

本当にこれらの指摘の通りに機密費が使用されていたとするならば、岩上さんが上の対談にて指摘されている通り、問題は大きく4つあると言えそうです。

  • 税金が目的外に乱費されている
  • 世論の形成を歪めることになる
  • 20万円以上の金額を供与しているとしている場合は脱税となる
  • 各ジャーナリズムが(政権以外の政治家などに対して)取材した内容について、官邸に報告する仕組みとなっていた

各点について、議論できるポイントは多いですが、ここでは割愛します。

しかしこの仕組みは、過去の世の中では機能していたようですが、インターネットのようなツールの発達した今後の世の中では通用しないと思います。

■偏りの少ない情報を得たいと思ったとき、どのように行動するべきか

ここからが本題ですが、今後、政治の事をよく知りたいと思ったときに、どういった行動を取れば、偏りの少ない情報が得られるのでしょうか。
これは、政治に限らず、権力のあるところから発信される情報に対して、どのようなスタンスで受け取り、分析するべきかと言い換えることができます。

個人的には以下のように考えます。

  • 情報を収集するにあたり、ミッシー(モレ、ダブり)を意識する
    →権力や、大手メディアの発信する情報だけでなく、いろいろな情報源から収集することで、かなりカバーできると思われる
  • 情報を発信している人/組織の、世の中的な立ち位置を考慮する
    →その情報の発信元の方向性を考慮する
  • 情報源に(できれば直接)アクセスする
    →一次情報へのアクセスが可能となるツールが多くあるため
  • その情報に対し、逆の立ち位置の情報源がないかを探す
    →全体から見た偏りをなくすため、たとえ誤っていると思われる内容でも、探す

今回は、政権と大手メディアが同じ位置から発信しているという状況であるため、その逆の立場から発信している個人ジャーナリストの2人の意見を聞いてみました。
そうすると、大手メディアの発信内容が、非常に偏っているように見えます。
では、本当のところはどうなのか、実際の官房機密費の授受に関わった方々(一次情報)が少しずつ発信しはじめている、というのが、現時点のようです。


おそらく、日本には、まだまだこのような「過去の慣例による問題」が多くあると思います。
ワイドショーのようにそれらを煽って楽しむのではなく、なぜそのような仕組みが出来上がったのか、といった背景も含めて、今後すべき打ち手について考えていきたいと思います。

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