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新しい価値探しの時代を楽しんでみた

温暖化は人為的に解決可能なのか

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 COP15はあまり具体的な枠組みが締結されずに閉幕しました。
ちょうど、友人が12月にデンマークにワーキングホリデーに行っているので、現地での詳細な話を聞きたいところです。

今回はこの「地球温暖化」について考えてみたいと思います。

地球温暖化は、現在の世界の状況を大きく変える可能性が高く、例えばこんな予想をしている本もあります。

 +1℃ 2100年には地上の水の3分の1が失われる
 +2℃ グリーンランドの氷がとけ、ロンドンの中心部が水に浸かる
 +3℃ 北極の氷の80%がとけ、ニューヨークは浸水し、オランダは島になる

温暖化が起こることで、このように人類の生活に大きな影響を与えるであろうとの予想には、納得ができます。

ただ、それとリンクする形で、「人間が排出した温暖化ガス(二酸化炭素等)によって温暖化が引き起こされている(もしくは大きく加速している)」という主張に対しては、僕はかなりの疑問を持っています。


■そもそも、温暖化のメカニズム全体は解明されているのか

 月の動きで潮の干満が発生するとか、太陽のフレアが大きく発生したり、黒点の動きが活発化することで、地球上の電波障害が起こったり等、地球上だけではとても完結しない動きもありますし、エルニーニョ、ラニーニャなどの海面温度の動きで砂漠化に変化が見られたりするなど、地球規模のメカニズムに関わる要因は多様です。
それだけ多様なメカニズムを持つものに対し、1つの要因のみで考えるのは相応しくありません。


■相関を示すデータの信憑性

 人間の二酸化炭素排出量の増加と、地球規模の平均気温の増加の動きが似ているとされているデータが、確かにあります。
しかし、近年IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が、一番重視しているこのデータは、英国のイースト・アングリア大学気候研究機関(CRU)から出されたものですが、今年の11月ごろ、こちらに捏造疑惑が起こっています。
CRUのサーバがハッキングされた事で暴露されたのですが、そこから出てきた「データ作成に関するメールのやりとり」を見ると、どうも都合の悪いデータ部分にはバイアスをかけて、綺麗に相関をしているようにデータを作成することにしていたようです。


■情報の報道の偏り

 今回、こちらの捏造の話にはかなり興味を持ったのでいろいろと検索をしようとしたのですが、国内のマスコミでは殆ど扱っていないのです。
海外からの情報については、かなり偏った形で国内展開されているとは思っていましたが、記事にもなっていないとは驚きでした。(参考までにGoogle News検索結果

一応、12月16日発行のニューズウィーク日本版には、こちらの記事が出ていましたが、ここまで記事がでないと、やはりデータが出されたものを信じてしまいそうです。


結局、どうするべきなのか

 もちろん、化石燃料の使用料を減らしたり、二酸化炭素排出を抑えることは、良いと思います。それはおそらく間違いなく、ベターな事です。
しかし原因も解明しきれていない、相関を証明していたはずのデータは捏造されていたかもしれない、そもそも情報が偏っている、という状況にも関わらず、なぜ「地球温暖化を止めるためには二酸化炭素排出量を抑えなければならない」と、なぜ一本調子に言えるのでしょうか。
化石燃料を使わない(=二酸化炭素排出を抑える)事を目的としたアジテーションの一種かも、といって勘ぐりたくなるほどです。


 政治的に、将来の危機を回避するために打つべき手として、この対策を考えているとするならば、あまりにも確率の低い対策と思えます。
「温暖化を防ぐ」事を目的としていたはずが、「二酸化炭素排出量を抑える」(おそらく1手段)だけで、達せられるとは言えません。
逆に、「二酸化炭素排出量は激減させたが、温暖化が止まらない」という状況は考えているのか、甚だ疑問です。
「実は太陽活動がこれまでウォッチしていた観点とは異なる部分で活性化していた」等といったことで、温暖化していたとするならば、どうするのでしょうか。
「すみません、目論見が外れたので何もうち手がありませんでした」とは、できないのです・・・。

 二酸化炭素排出量の抑制だけではなく、他の原因&対策を考えるべきです。
また別の観点から、温暖化していることが事実であるならば、温暖化することを許容できる生活方法を考えたり、温度を下げるための技術研究を行うなど、そういった検討もすべきだと思います。

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