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相手に「伝わる」!?〜臨時福祉給付金の通知

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実家の母に、臨時福祉給付金のお知らせが来ていました。(TV CMでもやっているあれです)よくわからないから見てほしいということで、中の書類に目を通しましたが、なんともわかりにくい案内でした。

この給付金はお年寄りや障害のある方が対象になるケースが多いにもかかわらず、その通知は「単なる伝達通知」であり、相手に「伝わる」という点で全く配慮がありません。更には、出向いた役所でも不便なことや疑問に感じることがありました。
それは以下の点です。

・通知のタイトルと送付書類の意図がずれている。

そもそも臨時福祉給付金の申請のための書類送付であるにもかかわらず、お知らせのタイトルが「平成28年度市民税・県民税 課税状況について(お願い)」でした。
まずは、市民税・県民税に関する通知が来ているかどうか。来ていない人で、この封筒の書類が届いている人には「臨時給付金」給付対象となる場合があることがかかれていました。

そもそもこの臨時給付金の申請書兼請求書が発送されていることで、その対象であることが、役所の方では管理されているのですから、こんな回り道のきき方が必要なのかも疑問です。

・申請会場がわかりにくい

この申請に役所へいったところ臨時会場が設営されたのですが、その会場案内が目立つところになく、窓口できくと不愛想に上の階の会議室を教えられました。

・かなり待つ

会議室にはたくさんのお年寄りが受付を待っており、なんとその時点で30人待ち。しかも窓口は4つ、一人一人の確認に最低10分はかかっている模様です。なかには、申請に添付する書類が不足で、帰ってからコピーをとって送るように促されている方もいらっしゃいました。

・添付書類が必要~コピーして添付

本人を証明するためと給付金振り込みのために、添付書類が2種類要ります。保険証などのコピーと振り込みのために金融機関の通帳のコピーが要ります。そもそも、通常コピーを取る用事が発生しないお年寄りにとって、コンビニでコピーをとる行為が大変であること気付くべきです。(そのために役所にくれば、給付金申請窓口でコピーをとってくれるのですが)

・受付業務は人材派遣会社が請け負っている

会議室は狭く、外まで人があふれ、待ちの番号をとるところには案内の職員?・・・と思いきや人材派遣会社の名札をつけた方がいらっしゃいました。(そこの受付業務をこの会社が請け負ったのです)
会場に来た方の、わかりにくかったことや、待たされたりわからなかったりした「怒り」は、すべてこの方々が受けることになり、役所の方に果たして伝わるのでしょうか。(少なくとも臨場感をもっては伝わらないでしょう。)

ほかにもあげれば
・申請しないともらえないしくみ
(お年寄りにはわかなかったり、申請に来れない人もいる)など数々の疑問点があり、企業だったらとっくに、顧客を逃がしているだろう対応ばかりです。

まずは、市民の方に物事をきちんと伝達する仕組み、つまり相手に伝えようと工夫することが大切ではないかと思います。

今回の給付金の対象はお年寄りが多いので、もう少し優しい気遣いがあるべきだと思います。この案内の内容がわからなかったり、申請書に添付する本人確認書類をコピーできなかったりで、申請できない人に対しても優しくあってほしいと思います。

実際に、こういう書類作成時に、お年寄りにみてもらって、内容がわかるか、字の大きさや見やすさは適切かといった検証をしてみてから、送付してはどうでしょうか?

役所は市民に「サービス」を提供するものとして「サービスマネジメント」を意識することが重要ではないでしょうか?

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