韓国の音楽マーケットは日本の1/35
最近、男性タレントだけでなく、女性タレントの韓流がものすごい勢いで日本に流入してきていますね。
テレビの特集で「韓国だけでは儲からないので、ターゲットにアメリカ、日本、中国が入っている」と言っていました。音楽マーケットの規模は、1位:アメリカ、2位:日本・・・で韓国:18位。日本が2位というのも驚いたのですが、韓国は規模的に言うと、日本の1/35しかないのだそうです。
この規模の理由として専門家が挙げていたのが「CDの価格が日本の1/3」という金額のこともありますが、著作権保護法がきちんと整備されていないことで勝手にコピーされてしまうことが強く影響している、ということでした。
韓国の音楽マーケットを見てわかるように、市場が成り立たなければ、プロ集団が十分働けない、ということもあるわけで、市場を形成するには著作権保護法などをきちんと整備し、市場化が必要だと思います。
最近のインターネットやソーシャルネットワークにおいて、「著作権保護法によって、著作権料をきちんと支払うことが、音楽や映像の自由な流通に対する障壁になる」という主張を聞くことがあります。私は基本的にそれには反対しています。
インターネットでは保護されている国と保護されてない国の境界をまたがって音楽や映像が流通するわけで、このへんの「国際法」あるいは「インターネット法」の整備が必要なのではないのかな、と最近感じます。無料でどんどんばらまくことが自由なのだ、という主張は結果的に「無法」を生み出すだけで、真の自由はルールの上に成り立つものなのではないかと思うのです。
ところで、「CDの価格が1/3」というのは、インターネットで正規に流通している音楽データの価格とほぼ同じくらいでした。もし、著作権保護法がきちんと整備されている上でその程度の金額で流通できるのであれば、これはコスト削減がうまくいっているということになるんだろうと思います。(実際には違うようですが)
どういうことかというと、CDを流通するためには「メディア製造」「プレス(焼く)」「印刷」「パッケージ」「運送」「仲買」「小売り」という人がたくさん働くことになるわけで、これがある意味市場を形成している、ということになります。市場が大きい=たくさんの人が巻き込まれて働いている=無駄なコストが多い、ということも成り立つかと。これらの全体のコストを下げれば、当然価格は下がりますが、働く場は減るわけです。
インターネットは、ある意味「こういう人達を巻き込まないで音楽を流通する」方法であり、コストを下げる手法の一つです。市場は小さくなりますが、著作者への支払いは変化しません。逆に、部数は多く出る可能性があり、著作者は儲かるかもしれません。
無料ビジネスも最近流行しており、その辺りとの関わり合いもあって音楽市場の構造もいろいろ変化してきています。インターネットは、新しいビジネスモデルの宝庫。それを保護する法律の必要性を今日のテレビ番組で実感しましたし、インターネットはそういった整備がまだまだ不十分と感じます。