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あ倍返しだ

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最近「あ倍返しのドラマがまた流行ってるな」と感じる。

チコちゃんによれば「人一倍」の倍は「二倍」の意味だったそうだが、もともとは「倍」という言葉だけで二倍の意味だったとか。「倍」=「二倍」は同じ意味のため、混乱する。重みwのとき入力xならば、wをx一倍すると間違いかもしれない。一倍と二倍を混同するような〇倍のミックスはよい結果を生まない。

あ倍、といえば、そうそう、ほかにもある。

音楽演奏を趣味としないみなさんでも「半音」という言葉を知っているだろう。ドとレの間にある音で、「半音下がる」を記号では「♭」と書き「フラット」と読む。クラウドがらみで「世界はフラットになる」という有名な言葉があるが「世界は半音下がる」という意味だったかどうかわからない。逆に「半音上がる」は「#」であり「シャープ」と読む。「ハッシュ」ではない。

ドとレの関係を「度」という単位で表す。ドとレの間は半音が二つ分あるので、算数的に考えると「1度」と言いたいところだが、この二つの音の関係は「2度」だ。「半音=0.5」と考えれば、0.5+0.5=2 ということになる。レとミの間も同じ関係だが、ミとファの関係は半音だったりする。

では、ドとレが「2度」、レとミが「2度」なので、ド→レ、レ→ミとなったとき「2度」「2度」なので、ドからミは「4度」なのかというと、「長3度」という。つまり、2+2=3である。1オクターブは「完全8度」とかいうが、「さらに倍音なら完全16度」とか思っても、そうはいかないのである。

算数が得意な人は頭がこんがらがると思うが、ピタゴジラ・・・もとい、ピタゴラスが12音階の基礎「ピタゴラス音律」を考え付いてから2,500年くらい経っている。英語では「1番目の音」「二番目の音」的な数え方で、7番目を「seventh:セブンス」というので、足し算とか引き算とかするつもりはなかったのかもしれない。彼は幾何学者だったしね。

MIDI音楽家の間では0A,1Aのように記号を使う。音には半音ごとに「ノートナンバー」という数字が割り当てられており、0から数える。1オクターブは12半音で、C1から始まれば12半音めがC2で、さらに12半音めがC3だ。C1から24半音でC3だ。明確。ところが国際式とヤマハ式が1オクターブずれているというこれまたひょうきんなことが起きていたりする。

こんな風に倍という言葉は0とか1とか2とかでずいぶん混乱を招いていることが以外と多い。同じ言葉でも違う意味になる可能性がある言葉は言語処理では特に注意が必要だ。

こんな混乱をまねく「〇倍」の混乱が少しでもなくなって、よりよい社会が来たらよいなと思う。

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