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開けてしまったらあふれ出すテクノロジー。そこには希望が残っていた!

コスト削減による学芸会のような社会

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最近、いろいろなところを見ていて「学芸会みたいだな」と感じることがあります。それは質の低下から感じます。
どういうことかというと、「コスト削減」を理由に「外注をやめる=自作する」ということがまかりとおっているため、デキのよくないものをたくさん見かける、ということです。

これは別段ITに限った話ではなく、どんなものでもそうです。旅行業、運送業、製造業・・。

  • セールスのプロでない人がセールスをしているケース。商品の品揃えも、在庫も頭に入ってない、値引き交渉もできない。
  • マーケティングのプロでない人が宣伝をしているケース。市場調査もしない、客層の把握もしない。
  • なんでも自作したがるITユーザー企業。ベンダーソフトウェアを買うより、余っている人材に作らせるほか無い悲しい現実。

こうして「外注できないから余剰人材でなんとかまかなう」を繰り返していると、日本には「専門家」がいなくなってしまうのではないか、と危惧します。

これって、学芸会に似ていると思うんです。

学芸会はクラスの単位で出し物を作りますから、ポスターでも、内装でも、みんな手作りですよね。手作り感がたまらない、という人もいるでしょうけれど、私はイベントを何十回と経験したので知っています。大道具さん、ポスターやさん、本職にはかないませんよ。専門にやってるひとがやったほうが、絶対に質はいいのです。

大学などでなにかを作るとき、ポスターは美術学部やデザイン学科の学生が担当し、内装は建築学科などが担当する。当然、受付システムなどはコンピューター・サイエンスの学科が担当する、とすれば、非常に高度な学園祭が可能なはずです。(実際、そういやっているものをみたことがあります)

社会が学芸会的趣向に走るのは危険だと感じます。企業の単位でお金を閉じ込めてしまわず、もっとお金を横方向に動かして専業化できる体勢を進めないと、日本全体の質が低下してしまいそうです。

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