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開けてしまったらあふれ出すテクノロジー。そこには希望が残っていた!

DIYを勘違いしないで

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前の記事を書いていて書きたくなってしまったので、あっためていたネタをもう一本。

ソフトウェアの世界でもDIYが流行していて、それを勘違いしてる輩が多いので、その点について注意を。

私の個人ブログを読んでいる人はご存じですが、私はDIYが趣味です。昔の言い方なら「日曜大工」ですね。といっても、素人さんの仕事とは違いますよ。一応大工の息子で、プロの仕事を現場で手伝ってましたから・・・中学の進路指導で「IBM行きたい」と書いたら勘当騒ぎになり大変でしたが・・・。でも、今でも電動機を何台も持っていて、家の中には手作りの家具やら巨大な棚がたくさんありますし、リフォームも製図して指示しました。

みなさんのお家の近くにも「ホームセンター」というのがありますよね。いわゆるDIY(Do It Your Self:自分でやっちゃう)店です。大工さんとかが仕入れるような素材や器材を売っていて、そこで材料を買ってきて自分で作る、というための店です。

つい先日もテレビを買い換え、液晶テレビになったもんですから床にあったオーディオ類もすべて壁に吊りました。オーディオ類は合計60kgもあり、テレビは26kgです。でも自分で設計し、強度計算もし、すでに1ヶ月以上経ち地震も経験しましたがびくともしません。一応、元プロの息子ですから(えっへん)。

材料費は12,000円くらいだったと思います。たぶん、大工さんに頼んだら、8万とか10万とかかかります。

こういう話しを聞くと、「あーDIYて安いんだ」と思う人が多いでしょう。「でも、自分じゃできないしな」と思う。だから「大工さんに頼んでDIYで安く作ってもらえないかな」と考えるんです。

ちょっとまってください。それは大きな間違いです。

大工さんに頼んで作ってもらう場合、ホームセンターで調達するよりずっと安価に材料を手に入れてもらえます。支払う料金のほとんどは大工さんの「工賃」なんです。

もしホームセンターですべての材料を購入して大工さんに組み立てを頼んだら、よけいに高くなるでしょうね。

これは、オープンソースにも言えることなんです。

オープンソースは、DIYショップで入手できるソフトウェアみたいなもんです。ネットワークアクセス費で入手できるソフトウェア。流通コスト(流通に従事する人に対する対価)を支払わなくていいので、安く手にはいります。「オープンソースをサポートしてくれるベンダーはいないの?」という人がいますが、それは「DIYで作ってくれるプロの大工さん」を探すようなもの。なんかおかしいと思いませんか?

オープンソースでコストを削減できるのはDIYする(自分でやる)ときの話。プロに頼みたいなら、商用ソフトウェアを購入したほうが安いですよ。

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