オルタナティブ・ブログ > 路の上で >

日頃考えていることをぽちぽち書きます。

NTTドコモ一連の不具合対応の報告

»

昨年12月26日1月30日にNTTドコモの不具合対応に疑問を呈しました。今回、それらを含む行政指導等に対する報告書の提出が発表されたので、見てみましょう(URLから報告書(PDF)がリンクされています)。

僕が指摘したのは、spモードで違う名前でメールが届くことと、パケット交換機の性能の問題でした。
前者は、報告書7ページに「spモード接続手順の変更(IPアドレスの不一致が発生しない接続手順への変更)」と書かれているので、直接的な対処はしたようです。ただ、5ページに書かれている対策含め、そもそも可変のIPアドレスをキーに使用する危険な状態はそのままのように読めます。
後者は、「信号量を把握した上での新型パケット交換機への切替」(5ページ)とのことで、完了は今月だそうです。

報告書のほとんどは体制等間接的な対応が書かれていることもあり、以前に指摘した本質的な問題が対策されたのかはわかりません。

また、総務省の携帯電話通信障害対策連絡会から6点の指示を受けたそうですが、報告書に書かれている内容は抽象的です。例えば、「3. ソフトウェアに不具合がないこと」とか。これをどう対処して、不具合無いことをどう証明するのかと思ったら、「ソフトウェア点検WG」を発足し、384件点検したそうです(8ページ)。指示する方もひどいですが、答える方も行動を言っているだけで、不具合が0になったとは言ってません(意図した回答かもしれませんが)。今回やったことが無駄とは言いませんが、こんな抽象論を繰り返しても、根本問題が解決する保証がありません。
不具合が0であることを証明するのは実質的に不可能なので、不具合が出ないように開発かつ検証する基準なり体制なりを作り、確実に運用していることでも示す方がまだましです。

以上のように他人を避難することは簡単ですが、自分が同じような文書を作成する場合にもやりかねない。深く考えさせられました。

Comment(0)