【驚いた】グレン・フライの死と、イーグルス内部の人間関係について。
世の中には、「完璧な曲」というものがたまに出現するものでありまして、わたくしの中では(ロックの場合)ビートルズの「ヘルプ!」であり「サムシング」、ビーチボーイズの「グッドバイブレーション」「カリフォルニアガールズ」などなどなどですが、イーグルスの場合は「ホテルカリフォルニア」になります。(「完璧な曲リスト」に関しては、各人が勝手に決めればいいことですので、ここでの議論は置いておきます。)
その、「完璧な曲」を作り上げたミュージシャンについては、当然のことながら最大限の敬意をもって曲を聴いてきたのですが、わたくしが一番音楽にどっぷりだった若いころと、今ではいろんな状況が変わってきました。
もちろん、作品である音楽そのものは変わることなく輝いているのですが、インターネットが普及して情報にあふれた昨今では、単に知らなかったことに加えて、知りたくなかったことさえも目や耳に飛び込んできます。今日は最近感じたそんなことを書かせていただきます。
今年に入って、デヴィッド・ボウイ(「ジギースターダスト」もわたくしにとって完璧な曲!)、グレン・フライの訃報が続き、ロックファンは悲しみに暮れているわけですが、ふとYouTubeでイーグルスのことを検索してみたら、昔は見たくても見られなかった「動くイーグルス」がたくさん出てきました。感動です。
「ホテルカリフォルニア」、こうやって演奏していたのか!
この1977年の演奏、名演ですね。まさに完璧です。この時の演奏メンバーは、ドン・ヘンリー、グレン・フライ、ランディ・マイズナー、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルシュの5人。
(最近のメンバー)
ドン・ヘンリー(Don Henley)
vo, cho, ds担当 1971年~
グレン・フライ(Glenn Frey)
vo, cho, g, key担当 1971年~2016年
ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)
vo, cho, g, key担当 1975年~
ティモシー・B・シュミット(Timothy B. Schmit)
vo, cho, b担当 1978年~
(過去のメンバー)
バーニー・レドン(Bernie Leadon)
vo, cho, g, banjo, steel guitar, mandolin担当 1971年~1975年
ランディ・マイズナー(Randy Meisner)
vo, cho, b担当 1971年~1978年
ドン・フェルダー(Don Felder)
g, cho担当 1973年~2000年(ウィキペディアより)
さて、熱心なファンのかたは当然ご存知のことと思いますので、ここから先はお読みになる価値はないと思われますが、彼らの人間関係について、わたくしの驚きを書かせていただきます。
「あれ?」
と思ったのは、先のライブ映像の下に関係動画として出てきた、この「ホテルカリフォルニア」です。
イーグルス時代にはリードボーカル歌っている印象がないドン・フェルダーが歌ってる、、、しかもドン・ヘンリーと比べるとあんまり上手くない。(歳のせいもあるかと思いますが)
あの、当時からこの曲の演奏で使われているギブソンのダブルネックギターとパーフェクトなギターフレーズはそのままですが、なんでこんなことになってるんだろう?
ウィキペディアなどで調べたら、なんと、彼は2000年にバンドを解雇されたとあります。
上の演奏は、その後のステージだったんですね。
驚いて、ヤホーでいろいろ調べてしまいました。すると、過去に辞めていったメンバーは、バンド内のグレン・フライとドン・ヘンリーの専横に耐え切れず出ていったパターンばかり。
面白かったのは、オリジナルメンバーである
バーニー・レドン
ドン・ヘンリー
グレン・フライ
ランディ・マイズナー
と、
3枚目のアルバムから参加したドン・フェルダーは、「有限会社イーグルス」の社員で、当時は民主的に平等な権利を保有していたということ。(エグザイルみたい!)
要は、ギャラなども均等配分していたようです。
しかし、次第にドン・ヘンリーとグレン・フライの横暴?が目立つようになり、初期サウンドの核であったリーダー的存在のバーニー・レドンが出ていき、最強のベーシストでありボーカルも上手い「いい人」ランディ・マイズナーも去っていきます。
その後入ってきたジョー・ウォルシュも個人的には大好きで、「ホテルカリフォルニア」以降のロックなイーグルスも超かっこいいのですが、あのカントリーチックなさわやかイーグルスはこの時点で完全に終わったわけですね。そして82年には解散。
それでも、すでに国民的バンドになっていたイーグルスは、90年台に再結成したあとも商業的には大成功し続けたようですが、なぜかギャラは7等分され、ドン・ヘンリーとグレン・フライが2/7ずつ、残りのメンバーは1/7と、後釜組はお給料半分になってしまった!
ギャラのことだけではないと思いますが、オリジナルメンバーふたりの独裁政治に、「有限会社イーグルスの社員」であるドン・フェルダー(ジョー・ウォルシュとティモシー・B・シュミットはそもそも加入時に会社に入れてもらえなかったようです)がブツブツ言ったところ、先に書いたように「解雇」となるわけです。
理由は、「バンドに対して貢献していない」から。
おいおいちょっと待てですよね。実はバンドの成功を決定づけた「ホテルカリフォルニア」の作曲者は他でもないドン・フェルダーです。再結成後のステージでも必ず演奏したであろうこの代表曲を作ったメンバーに、貢献していないというのは赤の他人が見てもあんまりです。
事実、ドン・フェルダーは不服を申し立て裁判を起こし、勝訴しています。(でもバンドには戻らなかった!)
だから、「作曲者」として一生懸命ひとりで歌っているのかと思うと、非常に感慨深く思えてきましてね、今回あえてブログに書こうと思ったわけなのです。
バンドでも会社でも、なんでもそうだと思いますが、成功してお金が入ってくると、多くの人間は人が変わってしまうようです。そして、「もっとお金が欲しくなる」という現象がおきます。これは何なのでしょうね、病気に近いものがあると思いますが。ドン・ヘンリーとグレン・フライもそうなってしまったのでしょうか?
亡くなった人のことを想像で悪くいうのは良くありませんが、結局人間なんて死んでしまうんだから、使い切れないほどお金を持ってたって、仕方ないような気がしますけどね。「残された家族のため」というのかもしれませんが、例えば大金を残された子どもが、まともに育っているのを、見たことがありません。放蕩の挙句の果てに、ドラッグに手を出してまわりに迷惑をかけたり、バカ息子ばっかり。
持たざる者からすると、生まれながらに親から受け継ぐものがある人を見ると、人生は不公平だなぁとあらためて思うわけですが、本当に自分の人生を自ら切り開いて楽しんでいる人は、そんなことさえも思わないんだろうなと。そういう人生を目指したいですねー。
あれ、何を話しているんでしょうか。失礼しました。
脱線しましたが、結局ブログで何が書きたかったのかと言いますと、仲間とは仲良くしたいものですねということです。シンプルにそれだけ。(・∀・)
(↑絶版になっている暴露的自伝本。当時のロックシーンのことも詳しく書かれているようで読みたい!)
※今回、ネット上の情報を調べただけですが、2013年に出た下の↓↓↓DVDセットには、両者の言い分がそれぞれドキュメンタリー的に描かれているようです。(アマゾンのレビューにファンの方の複雑な思いがたくさん書かれています。)うーん、見たいような、やはり見たくないような。
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