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【聴いてきた】講談師、日向ひまわりさんの「徂徠豆腐」で泣きそうになった件

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昨日、お取引先である三菱鉛筆東京販売株式会社さん(三菱鉛筆の販売会社)の、販売店さんたち(=ほとんどが文具店)を集めたパーティにお招きいただきました。これからの文房具業界一番の繁忙期(年末から春)に向けて、どうぞ拡販よろしくおねがいします!という会ですね。

その席で、はじめて講談を聴く機会に恵まれました。
日向ひまわり師匠という女流で、二代目神田山陽の門下生とのこと。ショートカットのきれいな方で、女性らしい澄んだ張りのある声、ダイナミクスにあふれた語りがなんとも小気味良い講談師さんでした。

演目は、「徂徠豆腐」。
五代将軍綱吉に仕えた側用人、柳沢吉保に召し抱えられた学者ですね。赤穂浪士の切腹を進言した人。わたくし高校では日本史専攻でしたが、名前しか覚えていなかったので今回また勉強になりました。

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落語、講談で有名な演目ですが、あらすじは以下。昨日は元は同じですが、ところどころ端折ったりクローズアップしたり、時系列を圧縮したりして、人と人との縁、人情についてギュッと魅せてくれました。

徂徠が貧しい学者時代に空腹の為に金を持たずに豆腐を注文し店先で食べてしまう。豆腐屋は、それを許してくれたばかりか、貧しい中で徂徠に支援してくれた。(数年後、徂徠は出世するも豆腐屋はそのことを知らない。)
その豆腐屋が、浪士討ち入りの翌日の大火で焼けだされたことを知り、金と新しい店を豆腐屋に贈る。ところが、義士に切腹をさせた徂徠からの施しは江戸っ子として受けられないと豆腐屋はつっぱねた。それに対して徂徠は、「豆腐屋殿は貧しくて豆腐をタダ食いした自分の行為を『出世払い』にして、盗人となることから自分を救ってくれた。法を曲げずに情けをかけてくれたから、今の自分がある。自分も学者として法を曲げずに浪士に最大の情けをかけた、それは豆腐屋殿と同じ。」と法の道理を説いた。
さらに、「武士たる者が美しく咲いた以上は、見事に散らせるのも情けのうち。武士の大刀は敵の為に、小刀は自らのためにある。」と武士の道徳について語った。これに豆腐屋も納得して贈り物を受け取るという筋。浪士の切腹と徂徠からの贈り物をかけて「先生はあっしのために自腹をきって下さった」と豆腐屋の言葉がオチになる。
(ウィキペディアより)

この演目を選ぶのに、三菱の担当者さんといろいろ考えた結果、「販売店さんとの絆をより強くしたい!縁を大事にしたい!」という思いを汲み取って決まったそうですが、なかなかのチョイスだなと。

IT化が日々進んでいくこのご時世、自ら「うちはアナログ屋ですから。」と言い切る三菱鉛筆さん、販売店への思いを、講談の感動話に乗っけて届けようとされたのでしょうか。粋ですね。

人に尽くし続けていれば、いつかはその恩が大きくなって巡ってくる。いわゆる「恩送り」のお話ですが、やはり人間の声で語られると迫力が違います。グイグイと心に入ってきますね。42歳のおじさん、思わず泣きそうになってしまいました。

その後、お隣にいらした世田谷ビジネススクエアタワーの本屋さん、優文堂書店の鈴木常務が落語や話芸にお詳しいことがわかって、いろいろその周辺の知識も得ることができました。

楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。m(_ _)m

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