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楽天ビジネスから教わったテキスト営業 10の極意

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先日、納期の近い仕事が複数迫ってという事実から目を背けるべくネットを徘徊していると、楽天が運営するビジネスマッチングサイトの「楽天ビジネス」が、サービス終了するというニュースが飛び込んできました。

2000年から運営されてきたこのサービス。現在では、クラウドワークスやランサーズのような後発のサービスに(機能的に)圧倒され、また出展者に初期の段階でかなりの高額出費を求めるところから、モデル的になかなか難しいのではないかなぁ、、、と思っていたのですが、まさかいきなり終了するとは思っていませんでした。

いざ終了となりますと、寂しいものがありますね。

楽天ビジネスは、私にとって、長年営業に連れまわしてくれた営業部長のような存在であります。

プログラムの勉強は、とても楽しかったのでなんの苦労もなくできたのですが、それだけでは会社は立ちいきません。

やはり先に仕事があってこそのプログラムです。

といって、起業したての私は営業なんてやったことがないですし、電話は怖いですし、ましてピンポンして回るなんて心臓が飛び出そうですし、そもそもシステム開発でピンポン営業が通用するのかって話もありますし。

どうしようかと思っていたところに現れたのが楽天ビジネスという営業部長(以後、R部長)。

R部長から春夏秋冬、雨の日も風の日も街中引っ張り回され、ド突き回されて教えてもらったからこそ、今、曲がりなりにも営業らしきことができるようになったように思います。

本当に感謝してもしきれない御仁です。

今日はそんなR部長から、直々に教えてもらったテキスト営業の10の極意をご披露いたします。

これはクラウドワークス、ランサーズなどで今も現役で書いている方にも使えるメソッドかもしれません。ご参考になれば。


1.営業は数打つな。

私のイメージの中では、営業っていうのはとにかく数を打つんだという固定観念がありました。後から知ったことですが、営業職を生業にされている方々の中には、いまだに「せんみつ」とかいう言葉があります。これはDMやら電話アポなどは1000本打って3つ決まれば御の字みたいな意味です。

しかしR部長が教えてくれたのは、ことシステム開発営業においては「数を打つな」ということです。

ある日、R部長はこう言いました。

「俺たちの業界、疲れたらいい営業はできないぞ」

マッチングサイトでシステム開発の提案となりますと、1件書くのに最低で2時間、気合いを入れると3~4時間かかります。そんな労力を、ピントが合ってるのかどうか分からない案件に注ぎ込みますと相当疲弊します。

書けそうな案件が10件あったとしたら、そのうち1~2件にパワーを集中して書くべきです。文章に込められる気合いが違いますから、受注の確度も上がります。


2.読み手を飽きさせるな

文字ベースの見積り・提案の文章は基本的に長文ですが、「長文でいいんだ」とダラダラ文章を書いていたところ、R部長は「無視」という結果をもって厳しく叱ってくれました。

1件の案件に20件も30件もの提案が集まる優良案件では、読み手は常に「次の提案に行く理由」を探しています。

私は、たとえどうしても書きたいことであっても、読み手にとって退屈だろうと思われることは3行以上続けないように心がけました。

たとえば、初めのうちは、提案の一番最初に自己紹介で入る書き方をしていましたが、止めました。

この先書かれている提案が面白いかどうかわからないのに、書き手の経歴などに興味の「きょ」の字もないからです。

3.序盤でつかめ

R部長は、あるときこう言いました。

「お前の営業は序盤が面白くない。最初が面白くない映画が、途中から突然面白くなったことはあるか?」

と。

「いや、ありますよ」と言いかけましたが、確かにそれはレアケース。

基本的には出だしで「あちゃー」と思った映画はそのままその調子でいきますよね。

しかもマッチングサイトを利用されているお客さんは映画館のお客さんではなく、言ってみれば大道芸を見ていただいてる通りすがりのお客さんです。

まずしっかりと足を止めていただくために、とにかく最初に「お?」と思わせる必要があります。

お客さんのテンションを読み取って、もし導入効果を求める方なら

「私たちは、常に費用対効果を意識したご提案を心がけています!」

などとします。

あるいは一度業者に騙されて慎重になっているお客様と見えたら

「他社でトラブルになった案件の火消しばかり集まるようになりました(困惑)」

とか、自社の業界の商慣行が難しいと思われているようであれば

「弊社は、単なるコンピュータ屋ではなく業務解析や業務理解で売っている会社です。」

といった感じで入ります。

少なくとも10行くらいは読んでもらいたいので、長文は避け、軽快な短文を重ねることも意識します。

4.強引でも実績を謳え

別の日、R部長はこう言いました。

「お前ができることを、お前が、お前自身の口でどんなにアピールしても信じてもらえない。ただし他のお客の評価であれば信じてもらえる可能性がグッと上がる。」

と。

その意味で、過去実績というのは大事なようです。

たとえばECサイトの構築案件であれば、たとえまったく業界が違っても少しでも関わったことがあれば「数年前に構築経験があり、今も保守を続けています」と言います。

うちのようなフルスクラッチを売りにしている会社では、ビジネスロジックは完全にゼロから作りますので、同じ業界のシステムを作った経験はそれほどコスト面で関係はしないですが、お客さん的には「専門用語がわかる」だけでも大変助かるのだと思います。

実際、同じ業界のシステムだと難しいポイントはわかりますしね。

5.聞き手にまわれ

R部長は、こうも教えてくれました。

「基本的にお客はお前の言うことなんかに興味がない。お客はただ自分の話がしたいだけだ。」

無能な営業マンほどよく語るというのがありますが、優秀な営業マンは滔々とお客さんに語らせるものです。

するとお客さんが問題とおっしゃっているところではないところに、本当の問題が隠れていて、お互いにびっくり、ということもよくあることです。

ただ、R部長が連れまわす営業フィールドはマッチングサイトです。ここではお客さんは滔々と語ってはくれません。

ではどうするか。

お客さんの書いた文書を徹底的に読み込み、それを要約し、問題点を箇条書きにして、気の利いたカウンターを入れておくのです。

すると「こいつはよく話を聞いてくれるし、理解力もあって相槌もうまく、話し甲斐がある」と思っていただけるのです。

6.夢を共有せよ

今回はかなりいい提案ができたかも・・・

と思った提案営業の帰り道、

「お客さんはお前の辛気臭い真面目腐った顔なんて見たくもない」

R部長はこうおっしゃいました。

「お客さんのおっしゃる方法だとこんな問題があります」「リスクなくスモールスタートで始めましょう」「みなさん簡単にお考えなのですが、何度も失敗案件を見てきました」

この手の話は、信頼関係を築いたあとですべき話。

まずはお客さんと同じ方向を向き、私どもは利害が対立する関係でないことをそこはかとなく知らしめるのがよいようです。

7.金額とともに提案せよ

「『金額は会ってから』と言っておけば、変な言質をとられることもないのでは」と書いた提案文を見ながら、R部長は厳しい口調でこう言いました。

「ここに集まるお客さんは図体ばかりでかくて動きの遅い大企業を嫌っている。小さい会社のくせに大企業ぶった会社はもっと嫌いだ。」

つまり「これをやったらいくらかかりますか?」という相談をしたときに「社に戻って、上の者とSEと外注に相談します」というような営業は興ざめであるという話です。

何をやったらいくらアップし何をやらないといくらダウンするのか、はっきり書くことが大事です。

それは、営業が、工数を算出する能力見積りを書く権限リスクを背負い込む覚悟があることの現れです。

後から提示金額を修正するタイミングはあります。たいてい要件は書き切れてないですから。

8.提案には、それができる根拠を添えろ

「お客さんはお前を蹴落としたいわけじゃない。」

R部長は時に矛盾したことを言いました。

営業コンペは確かに競争ではあるのですが、発注担当者は受験や就職試験のような感覚で私たちのことを見ていません。「嫌ならやらなくていいんだよ」ではなく、必ず何か困っていることがあり、助けてもらいたがっているのです。

彼らの求めにぴったり合えば喜んで私たちに仕事を出す判断をします。

しかし逆に彼らは騙されるのが大嫌いです。提案には根拠を付して彼らの不安を取り除いてあげることが大事なようです。

9.フットワークをアピール

「筆談は筆談。結局は人間次第だ。」

R部長は、ときに演説口調で熱く語りました。

「最後は人間力で決まる。とにかく行かせてもらえ!」と。

行くのは面倒ですし、時間もコストもかかります。できれば文章だけのやり取りや、電話、最悪でもSkype会議などで発注をいただきたいものです。

しかし、発注を受けられるかどうかの最後のところは、お客さん担当者や社長さんと人間的な信頼関係が築けるかどうかです。

また仮に会わずにサクッと決まってしまっても「得やすしは失いやすし」です。

簡単に取れたお客さんは簡単に去っていきます。

私がR部長の元を去ってから5年くらい経ちますが、彼に引き合わせていただいた会社さんと、今も10~20社くらいコネクションを持ち続け、そこからの紹介で取引先は増え続けています。

10.営業は勉強だ

R部長は直接は言いませんでしたが、背中で語られたことがあります。

(営業は勉強だぞ・・・)

1つの引き合いをもらって、そのために必死で調べて見積もりを書く。時には1日がかりで書くこともありますし、社外の業者や有識者に聞いてみたりすることもあります。

私が実際にはやったことがないにも関わらず、RFIDの仕様、SMS認証の実装方法、Salesforceとの連携の仕方などがだいたいわかるのは、過去の数々の没案件のおかげです。

最近はコンペなんてクソとばかりに参加しなくなったために、その勉強の機会は失われましたね。。

私が起業したのが1998年。当初は起業時に助けていた社長からお出しいただいた仕事で食いつないでいましたが、思えば2001年くらいから10年近く、楽天ビジネスをメインで新規開拓をしてきたと思います。

いま改めて感謝の言葉を贈らせていただきます。長い間、本当にありがとうございました。

そしてスタッフのみなさまもお疲れ様でした。今後もよりよいサービスを期待しています。





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