公募していた社長が決定した件など
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先日、荒木氏の名刺活用法の本をベタ褒めしてうまい棒をゲットした(売掛計上中・未回収)私ですが、実は私はこの名刺活用の方法が諸手(もろて)を上げてすばらしく感じ、みなさんに是非真似すべきと言っているのではありません。
荒木氏のすばらしいところは、常に常識に囚われず、自分の頭でゼロから考えて、新しいビジネスを組み立てられるという点にあります。
彼が仕事に向かう姿勢の極めてわかりやすい例がこの名刺の活用法です。
名刺活用法そのものについては、プロジェクトのメンバーや外注先をある程度の裁量でコーディネートできる立場じゃないと、あまり意義は感じられないかも知れませんが、仕事のやり方については、きっと万人にとって参考にすべきところが多々あると思いますね。
普通に考えれば、彼のやり方は無茶苦茶で、かなりタブーを侵しています。
しかし、成し遂げたい目的の本質を見て、これが効果的だと思えばとことんやる。
こういうの、とてもいいです。
本で集めてきたメソッドを組み合わせて提案するコンサルタントが多いですが、そういうの、つまらないですから。方程式に当てはめる方法は、大抵効果ないですし。
一点、荒木氏が今回、もし判断を誤った可能性があるとすれば、この名刺活用の方法を本にして世に知らしめてしまったことですね。
今後、彼に「名刺ケースを見せてくださいよ。私の名刺はそこにありますか?」と言い出す人が出てこないことを祈ります。いや、彼にとってはそれでもいいのでしょうかね。
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ところで、本題。
先日私が
この記事で、新事業の社長を募集したのを覚えていますでしょうか。
たぶんほとんどの方は興味もないし覚えてもいないと思うのですが、気になってる方もいると思われますので一応ご報告です。
なんと、おかげさまで1名の応募がありまして、飲みやら麻雀やらの厳しい選考会を経まして、このGW中に遂にめでたく新社長(法人未登記のため仮)が決定しました!88888!
いや、本人の名誉のために言っておきますが、真面目に選考しました。大丈夫です。
もともと検討に値する応募は、1名か2名、多くて3名くらいかと思っていましたので、応募者が1名のみというのは特別さびしい結果ではないのですが、しかしふと考えたのは、この1名の影には、「ちょっとやってみたいかも」と思いつつもなんとなく辞めておいた人が10人くらいいたのではないかな?ということです。
あるいは、自分も将来起業したいと思っているけど、今すぐは無理。でも、IT業界で13年とか会社をやってて、自ら『俺はベンチャーなんて危険なことはしないんだ』と変なスローガンを打ち立ててる島田が「絶対儲かる」と言ってる事業ってどんな事業なのか、興味を持った人も、まあ20人くらいはいると思います。
また、ずるがしこい人で、『なんか資本金を出してくれるっていうし、うまいことカネを引き出して、海外視察に行くとか言って適当に豪遊して、怒られたらごめんちゃいで逃げられんじゃね?』とか思った人も30人くらいいると思います。
そういった人たちの、誰もが応募して来ませんでした。
うるうる。
いや、泣いてません。
これを中国や東南アジアの事情に詳しい社員の一人に話したところ、「いやー、日本人らしいですねえ」と笑われました。「中国だったら、『どう考えてもあなた無理でしょ』みたいな人が100人くらい殺到して収拾つかなくなりますよ」と。
私もそれは困るので、まあいいっちゃいいのですが、一応このブログはおこがましくも、みなさんにビジネスについてのヒントを与えるという主旨なのでひとつだけ言っておきます。
もし将来自分の力でビジネスを切り開いていきたいと思っていて、今回の社長募集の記事になんらか興味を持ったのであれば、冷やかしでもなんでも、とにかく応募してくればいいと思います。
「ばーか、すでにうまくビジネスやってて、おまえの考える事業なんてまーったく惹かれなかったんだよ。」
ならしょうがありません。うるうる。
でも、本当は応募したかったけどなんとなくやめてしまった人がいると思います。
もったいないです。
エントリーのメールを書くのなんて、小一時間ですし、別に選考に落ちたって、何も失うものなどないじゃないですか。
で、情報は引き出すだけ引き出して、いつでも「やーめた」で引き返せばいいのです。
こんなWebで万人向けに発信している内容なんて、私が日々考えていることのほんの一割にも満たない内容です。エントリーしてみればもっと深い内容が手に入ります。
もしかすると、「あ、この程度か」と思うかも知れませんが、それだっていいじゃないですか。「この程度でビジネスになると考えてるんだ」というのだって大きな収穫です。
「そうは言っても、こないだの記事には厳しい条件が書かれていて、自分は当てはまらなかった」
こういう人はいませんでしょうか?
これは就職試験のエントリーじゃありません。もし仮初めにも会社をやってみようかな、などと思っているのであれば、そんな発想ではいけません。
希望の条件は、ただ私が勝手に言っているだけです。社長(候補生)は、相手の出す条件をそのまま飲む必要はありません。いや、社長はというか、出来るビジネスマンなら、でしょうか。
「男性限定と書かれていますが、私は女性です。私も狂ったように徹夜で仕事します。スタートアップ時の苦しみは覚悟してます!」
「30歳までと書いてありますが、私は今年45です。趣旨は変わってくるかも知れませんが、私は営業を20年やってきましたので顧客開拓の面では大きなアドバンテージがあると思います。」
こう言って、相手の言ってる条件なんて覆せばいいのです。
「私は実は去年起業しました。でも事業的にうまく行ってないので、その事業に乗っからせてもらえませんか?」
こんなのでも面白いです。
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今回の募集では私が買い手で、社長希望者が売り手なのですが、買い手が買いたいものの希望を言うのは当然です。むしろ希望を言わない客の方が厄介です。
あるブティックを訪れたお客さんが
「今日は、今の時期にちょっと一枚羽織る感じの春っぽいカーデガンを探してるんだよねー」
といったら、まずは淡色系のカーデガンが売れる可能性が高いですが、必ずしもそうとは限りません。
いろいろ話しているうちに最後はスプリングセーターを買って帰るかもしれませんし、薄手のコートみたいなのを買って帰るかもしれませんし、あるいはまったく関係ないジーパンを買ってしまうかも知れません。
大事なのは、買いたい方が、とりあえずの意思表示をすることであり、売り手はその希望を真摯に聞き届け、分析して、自らの頭で練って提案するということです。
「これ、なんで厳しい条件がついてるんだ?雇用機会均等法に反するじゃないか!...あ、雇用じゃないのか...じゃあしょうがないのか...。」
などと言っていたら、今後、多くのビジネスチャンスを逃すことになります。
もし、自由な発想でこのビジネス界で野太く、安定的に頼られる存在であり続けるのであれば、常に顧客の立場に立って本気で分析して考え尽くす必要があります。
「こんなこと言ってるけど、別に絶対ってわけじゃないだろう。条件が違ってもより大きなメリットが見込めれば、きっと乗ってくるはずだ。」
という感じです。
これは今回の社長募集の話に限った話ではありません。
顧客は、直接的にお金を支払っていただく商取引上の相手方だけでなく、上司、部下、協力会社、友人、家族など周囲にいるすべての利害関係者と捉えて、その人達が求めるすべての要望にどう応えていくべきか、脳内の経営者として一つ一つ真剣に考えていくべきです。
会社経営者でもフリーランスでもサラリーマンでもこのあたりの考え方は同じです。
最近巷では、こういう考え方を、『脳内ビジネス』と呼んでいるようですね。
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