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~攻撃は最大の防御なり~正解のない対策を斜めから斬る

急増している「国勢調査をかたる不審電話」が最も危険な理由と対処方法

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昨日の続き、みのもんたの朝ズバッ!「国勢調査のかたり電話が急増」(7/10)に出ますの具体的回避法のまとめです。

報告されている件数では、全国で100件以上あるようです。報告されている件数とは、それらの電話を不審に思ったから報告されているのであって、不審に思っていないケースも含めると、かなりの件数になっているのではないかと推測します。

1.国勢調査は2015年

前回は2010年で、次回は2015年の秋頃になります。ます、そもそも、電話で聞き出すことはありません。

しかし、国勢調査と言われれば「答えなきゃならない義務」のように感じてしまうものです。

例えば、営業系の電話等がかかってきても、家族構成とか、年金受給額等を伝えることは絶対にないでしょう。

でも、国勢調査と言われれば、その質問される項目すらよくわかってないので、聞かれたことは「ほぼ答えてしまう」ことで、ほとんど誰にも知られていない情報までも提供をしてしまっているのです。

国勢調査関連のブログについては、以前に書いた国勢調査を語り個人情報を聞き出す詐欺の手口と回避方法今年は国勢調査の年「便乗した偽物を見分ける眼力」と「押さえておきたいポイント」国勢調査便乗の偽物登場ですが、本家もわかりにくさ極まりない、も参照下さい。

ちなみに国勢調査の調査項目は、

どのような内容を調査するの?

調査事項の変遷(大正9年~平成22年)

大規模調査と簡易調査

【平成22年国勢調査の調査事項】

<個人について>

と広範囲になっています。

これらの電話の最も脅威的なことは、従来の電話を使った詐欺では、第1発目の電話で「オレオレ」を名乗り、様子を見ながら進行していくのですが、

調査をかたることで「十分な情報収集」をした後に、第2発目の電話で収集した情報を元に、シナリオが組みやすくなっている点にあります。かたり調査の場合、第1発目の電話では、あくまでも調査(実際はウソ)なので、相手の反応や、話しやすさ(騙しやすさ)を、調査しながら長時間の会話の中で「見極めること」が出来てしまうことにあります。

年金受給額や預貯金額等は、調査対象項目に含まれませんが、そもそも「ウソなかたり」で聞き出しているので、何でも聞けてしまうことに脅威を感じます。

2.対処方法

最も物理的な方法しかありません。電話口の見える場所に「国勢調査は電話でかかってこない!」と貼っておくことです。

ある程度、高度な手法が使えれば、他にもあるのですが、まずは「最も簡単」なこと、基本的なことが重要です。

他には、

1.その相手確認をするために、折り返しの連絡先、所属先を聞く

2.ナンバーディスプレイの番号確認

3.電話機の自動録音機能を使う

4.電話連絡を待てと言われても、こちらから連絡すること。番号が変わったと言われても以前の番号にかけてみる。

5.本人にしかわからない質問、昔の話などをしたときの反応をみる

6.自分は絶対に騙されないと思わない

7.誰にも言わず内緒と言われても、必ず誰かに相談する

※ これらの注意事項を電話口のわかりやすい場所に書いて貼っておく。

国勢調査のかたりに限らず、一般的な不審電話への対処方法です。

また、注意喚起標語(無償)も活用して下さい。

3.他の注意ポイント

1.他のアンケートよりも、国勢調査とかたることで、ズバズバと色々突っ込んだことまで聞けてしまう。

よくわからないこと、相手確認が確実に出来ない場合など、「答えられる内容であっても、わからないこと」にして、答えない。

2.エサ付きのアンケート(時間10分くらいで商品券3000円程度)、例えば、高齢者の食生活について・・・みたいなものだと、エサに釣られ色々答えてしまいがちです。本物の調査もありますが、実際に聞きたいこと(年金受給額など)以外の質問をちりばめることで、何を聞かれているのかが、わかりにくくなります。

3.2の対処方法5.本人にしかわからない質問、昔の話などをしたときの反応をみるは、もっとも有効です。不審電話対策ように「合い言葉」を作っている場合と同じです。合い言葉を作っている場合でも、本人にしかわからない質問をすることです。これも事前に電話口に2-3個書いておくことで、いつでも使うことができます。

結局、最終防御地点は、ウィルス対策ソフトと同じく、末端のギリギリ部分でしかありません。常に意識を高くもつことが重要ですが、こういうものはすぐに忘れるものなので、「何度も目にする場所」「電話口の近く」等に、書いて貼っておくことが、気づくための近道になると思っています。

どれほどの注意をしていても、誰しも騙されるものです。常に騙されないぞ!と思っているよりは、注意事項を貼っておくほうが、実際には役に立つのではないでしょうか? どうにか、やり難い環境を作っていきたいものです。

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