国勢調査を語り個人情報を聞き出す詐欺の手口と回避方法
先日の「振り込め詐欺新名称」でもあったように、振り込め詐欺系の犯罪が多くなっています。ドラマやテレビ番組でも話題を多く見るようになったような気がしています。
愛媛県統計課は17日、松山市と西条市の一般世帯で15日に国勢調査をかたって個人情報を聞き出そうとする不審電話が2件あったと発表した。電話はいずれも男の声で、松山市のケースでは60~90歳の居住者の有無を、西条市の場合は家族構成や年金振り込み先などを尋ねてきたという。同課は「国や県がいきなり電話やメールで個人情報をうかがうことはない」と注意を呼びかけている。
以前に書いた今年は国勢調査の年「便乗した偽物を見分ける眼力」と「押さえておきたいポイント」と国勢調査便乗の偽物登場ですが、本家もわかりにくさ極まりない、も参照下さい。
国勢調査は5年に一度、西暦でいうと下一桁が0年か5年の年に実施されます。前回は2010年だったので、次回は2015年なのですが、こんなの覚えているはずがありません。
子供の頃は警察官が聞き取りに来ていたような記憶がありますが、それが国勢調査だったのかはわかりません。
実際の国勢調査では、書類提出やネット上での調査となります。
詐欺師とは、料理を作るようなものです。何を作るかレシピを検索(1.標的)し、食材と事前の下ごしらえ(2.準備)を行い、調理のための味加減(3.進行)を調整し、盛りつけ(4.金銭の受け渡し)となります。何を作るにしても、このような順番になると思います。
この2.準備の段階で、標的と下ごしらえが必要になります。これは上記のような「国勢調査」等の調査員になりすましたり、落とし物を拾ったことにしたりと、被害者に対して相手確認を行うという、逆質問が行われます。
なりすましですが、もっともらしく振る舞われると、普通に答えるものですし、その質問単体だけで考えれば特に問題があるようには見えません。名前とか家族構成、勤務先等や、同じ場所に住んでいない家族のことなど・・・国勢調査員になりすますだけで、随分と多くの情報を得ることが出来ます。
ここで得た情報を元に、後日3.進行が行われます。調理のための味加減は、調査で得られた名前や構成等から作られた「もっともらしいシナリオ」の演出が行われます。調査で得られた多くの情報を元に作られたシナリオであり、アドリブに関しても情報が多くあるので、展開が可能となります。
多くの情報を持っていれば、元々「嘘八百」な作り話なので、パズルのピースをはめるように都合いい部分だけを利用されます。最終的には、4.金銭の受け渡しが行われ、それ以降追い掛けることも出来ません。
■ 回避方法
アヤシイと思われるような連絡と感じれば、その場で止めることも出来ますが、敵も「それなりに上手」を行っています。そもそも「アヤシイと思っていない」から詐欺にあってしまうのであり、何をアヤシイと判断すればいいのか?難しい部分でもあります。
その1.
どのような連絡も「必ず折り返す」習慣をしてもらうようにする。折り返し連絡されると困る場合が多いので、有効技の1つです。または、電話番号が変わった等のウソを言いますが、以前の番号に電話をしてみる方法もあります。
その2.
5W1Hの質問項目を電話口に用意しておく。
01.What なにを。対象。
02.When いつ。時間。タイミング。
03.Where どこで。場所。舞台。
04.Who だれが。人物。行動主体。
05.Why なぜ。なんのために。目的。理由。
06.How どのように。いかにして。手段。実現方法。
基本中の基本ですが、電話口に用意しておくことで、突然であっても準備出来ます。これらの質問項目を立て続けに聞けば、何かおかしな雰囲気を感じるものです。
その3.
かかってきた電話はすべて録音する設定にしておく。古い電話機でなければ、通話を自動的に録音してくれる機能がついています。もしも、そのような機能がついていなければ、録音機能付き電話をプレゼントして下さい。録音することで、後でゆっくり聞くことも出来ますし、証拠の音声にもなります。
そして何よりも「誰かに相談させる」ことを、お約束にして下さい。
意表を付いた質問をすることも可能ですが、とっさの判断で必ず出来るものでもありません。合い言葉を決めておくことも有効と言われています。古い昔の話題を出してくることも有効ですが、これもすぐに出てくるものではありません。
先日公開した「未然防止に使える「注意喚起標語45個」」も無償でお使い頂けますので、ご利用下さい。
普段から何気に目にしていれば、何かがあってもヒントになります。
結局は、1人で判断しないこと!これを絶対のお約束にするしか、方法は見つかりません。
この機会に、自分の周りで被害にあってしまいそうな方々へ連絡してみてはいかがでしょうか?