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~攻撃は最大の防御なり~正解のない対策を斜めから斬る

全展望監視(パノプティコン)を作り眺めていたビッグブラザーを「フルチン」にしたウィキリークス:その1

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ジョン・キムのハーバード講義「ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来」を読みました。従来は、政府等が監視する側、一般市民は監視される側のパノプティコンと呼ばれる全展望監視システムの中にありましたし、現在もありますが、ウィキリークス登場により「この立場が逆転」した状態を著者は「逆パノプティコン」状態であると呼んでいます。

このパノプティコンとは、 

 

中央に監視塔があり、外周には収容者が入っています。中央からは強い光等を発しており収容者側から監視塔を見ることは出来ません。よって実際監視塔に誰がいるのかもわかりませんし、誰もいなくとも、常に監視されているような抑止効果があります。 ギリシャ語で「すべてを見わたせる眼」と言われるようです。

逆パノプティコン社会の到来 ジョン・キム著 ネットによる市民の監視力描く

内部告発サイトの「ウィキリークス」、ソーシャルメディアによる中東での反政府運動、ソニーを襲った謎のハッカー集団「アノニマス」。いずれもインターネット時代を象徴する出来事だが、世界各地で起きたこれらの事象は実は根底でつながっている。本書はその因果関係を解き明かした本だ。

 副題に「ジョン・キムのハーバード講義」とあるように、韓国生まれの学者が米国での研究をもとにネット社会の今の姿を描いた。「パノプティコン(全展望監視システム)」は18世紀に英国で考えられた監獄所で、中央の看守塔を独房がぐるりと囲み、看守だけが受刑者を監視できる仕組み。「逆パノプティコン」はその逆で、一般市民が政府を監視できる時代がやって来たと指摘する。

プライバシーに関する研究をしたことがあります。パノプティコンは重要な1つのキーワードでした。似ている例は、中国のインターネット検閲と思います。政府等がビッグ・ブラザーであるならば、その逆となる一般市民はビッグなものの「手の上で飼われている?遊んでいる?」ような小さな存在になるのでしょうか。スモールとしておきます。

例えば人間に飼われる犬ならば、「飼い犬に手を噛まれた」のか、そもそも飼っていると思っていただけで、飼われてなかったのか・・・

私も犬を飼っていますが、うちの大型犬に噛まれたことは一度もありません。まぁ噛んだら「それなり」のことはするでしょう(笑) しかし本気で噛むと思ってない飼い主からすれば、大型犬が本気で来れば・・・コワイです。正直シャレになりません。

そんなことがウィキリークスの一件で情勢が変わりました。「本気噛み」されてしまったのです。

パノプティコンについて書いたブログ:

Facebookが「巨大監視ビッグブラザー」の機能をして、我々は「全展望型監視パノプティコン」の深い中に入っていく

Google のプライバシー問題:洗練された全展望監視パノプティコンの世界

Google がパケットをのぞき見ている?次はエシュロンか?

私たちは「インターネットがはじまる前から」パノプティコンな世界にいます。 よく言えば秩序の守れた社会とかになるのかも知れませんが、「ビッグ」と「スモール」との間に信頼関係のあることが大前提となります。

例えばアナログな紙媒体情報と、デジタルなゼロイチ情報の違いです。アナログ情報は「ビッグ」にとって扱いやすいもの。権力による圧力の及ぶ範囲に限りがある分だけ、コントロールしやすくなります。発行を止めるとか。

一方のデジタル情報の世界になると、権力による圧力の及ぶ範囲が莫大に広がってしまうため、コントロール出来なくなります。誰でも簡単に「つぶやいた」ことが、もの凄い勢いで伝播していきます。これはもう誰にも止められません。

私たちは情報の入手にニュース等を利用しますが、そもそもニュースで流れていることが本当なのだろうか?と最近特に疑問に思っています。都合の悪いことは出さない。事実をねじ曲げたり、時間差を持たせることで「そのもの」の中身が変わってしまうこととか。。。

いや、それでもニュース利用しますよ。他に方法がないのですから。。。ただ、今までバカ正直で「ストレートに見聞きした方法」を変えています。色々な角度から、最後は自分で納得出来る?腑に落ちるように心がけています。

結局、私たちに出来ることは、受け取り方の意識を変えることくらいしか出来ません。が、これが一番重要かと思うのです。

ウィキリークスについて書いたブログ:

Wikileaksに関連し米国政府は、Twitter、Gmail、Facebookにまで利用者情報の開示を求めている

2010年1大ニュース:記録するから洩れるのならば、記憶なら大丈夫なのか?【Wikileaksその1】

2011年に向けて準備しておきたい今年の出来事から学ぶ基本的なこと【Wikileaksその2】

ウィキリークスに便乗した「ニセ情報の操作?撹乱?」が凄く脅威に感じること

本格的な情報戦に入ってきたウィキリークスの相手は誰なのだろう?

アフガニスタン紛争に関する機密文書流出?内部告発?で考える漏洩と隠蔽の基準って「どこを中心」にするのかで大きく変わる

ウィリークスの彼らは、技術的、心理的な情報操作の最先端にあると感じています。尖閣ビデオの時も同じように思いました。

例えば、情報公開のやり方です。「保険」と言う名前のデータが既にネット上にあり、誰でも入手出来る状態で置かれています。このデータはウィキリークスに何かあった場合に即時公開出来るように強度暗号化されたものです。暗号鍵はTwiteerで流せる文字数らしいです。おそらくこのデータにはいくつかに分けられたデータが入っており、それぞれ暗号鍵が違うのではないか?と勝手に想像しています。

情報戦において、技術的要素も心理的要素も重要です。タイミングなどもあります。出せばいいってものではありません。

何かが起こると必ず出てくる便乗犯がいますが、ウィキリークスをなりすました便乗犯になると、どっちがどっちなのか?と誰が判断できるのでしょうか?時間の経過でハッキリしますが、一時的にでも情報操作や混乱を招くことが出来ます。

国内でもインターネットを用いた内部情報漏洩事件が昨年から多くなってきました。実際にウィキリークスほどの手段は使っていませんが、それでも簡単に出来る時代と環境が整ってきた。なんともスゴイことです。

最近ではビッグブラザーではない、そのへんの泥棒ですら「Facebookの書き込みから情報を入手しTwitterで相手の行動を読む」ようにハイテクを駆使して情報収集しています。

現在、国家に関する情報が流れていますが、今後は企業に関する不正や内部告発が多く出てくるようです。

と、ここまで書いて、もしかして・・・と思ったのが、ビッグが自ら「フルチン」にされたように見せておいて、実は何も問題のない「ビッグな自作自演」なのかも?と、勝手に感じたりしてみました(笑)

今回は「その1」として上空から眺めたビッグブラザー編。次回「その2」で”この仕組み”が企業に及ぼす影響についてまとめたいと思っています。

 

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