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~攻撃は最大の防御なり~正解のない対策を斜めから斬る

本格的な情報戦に入ってきたウィキリークスの相手は誰なのだろう?

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一連のウィキリークス関連を見ていて、遂に情報戦が本格に的になってきたように思っています。いつも書いていることですが、何かを起こすには「明確な動機」があるものです。ウィキリークスvs国家のように見えますが、どうも違うように思えてなりません。

以前にアフガニスタン紛争に関する機密文書流出?内部告発?で考える漏洩と隠蔽の基準って「どこを中心」にするのかで大きく変わるで書いたものを思い出しました。

漏洩を

隠蔽を

当事者 したくない 知られたくない
第三者 してほしくない 知りたい


今回は、ここまで単純な構造ではないのでしょうが、何か気になる感じがします。

ウィキリークス、一時閲覧不能に=サイバー攻撃でサービス停止-米管理会社

大量の米公電を相次いで公開し波紋を広げている内部告発サイト「ウィキリークス」が3日午後から約6時間にわたり閲覧できない状態に陥った。ウィキリークスのドメイン名(インターネット上の住所)を管理する米国の会社が、外部からの大量のサイバー攻撃を理由に、ウィキリークスへのサービス提供を停止した。

サイバー攻撃、国家が関与=ウィキリークス弁護士

内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ氏のロンドンの弁護士マーク・スティーブンズ氏は3日、AFP通信に対し、同サイトがサイバー攻撃を受けている問題について、いずれかの国が関わっている可能性があるとの見方を示した。

この2つを見たときに、本格的な情報戦に突入してきたと思いました。サーバの締め出しは徐々に広がりつつあるようですが、全世界中から締め出さない限りは、繋がっています。隠蔽か抹消かわかりませんが、インターネットのチカラを甘く見ているようでなりません。乱暴な言い方をすれば、個人的に気にさわるような書き込みをされたから、自分はインターネットを見ない!とか、社内から掲示板への書き込み禁止!などと言っているようなものです。実際にあったケースです。

ウィキリークスの行っていることは、それぞれの立場によって賛否両論でしょうが、最もシンプルに考えれば、「それで誰に何の損得」が生じてくるのか?だと思っています。情報漏洩で考えれば、漏らしてはならない情報を漏らすことは問題なのでしょうが、それを単に情報漏洩と言い切っていいのだろうか?と思います。テロとも言えますし、告発とも言えます。

影響する範囲は莫大です。

先日の、政府はデジタルデバイドか?「テロ資料や尖閣ビデオ」で「機密漏洩の罰則強化」とか眠たいことを言う前にやることがあるでしょう!や、刑事事件に発展する警視庁内部資料流出は「内部・複数・幹部・故意」と意図的にでも、昨今の流出を見て思う「デジタルデバイド」vs「インターネットを駆使」している人たちで書いたように、インターネットをそれなりに駆使しています。ウィキリークスに関して言えば、インターネットを知り尽くした最先端のやり方をしています。

複雑に影響しあう関係もあるのでしょうが、ウィキリークスの相手は国家なのでしょうか?今後は企業も出てくるようです。

なぜに、それを出すのか? それがどのように影響してくるのか? それをどうやって沈静化するのか?

ウィキリークスは事前にマスコミに情報を流しているようですが、私たちはウィキリークスに出たものや、ニュースとして知る意外に方法はありません。

過剰な反応をみれば、その情報が洩れることで、何らかの問題があるのは間違いありません。その問題のレベルは情報によっては国家の安全に影響するものも多く含まれているでしょう。過剰反応で大きさを見ることもできそうです。

しかし10歩くらい引いてみても、ここでは情報操作もできてしまいます。されているかどうかではなく、できると言うことです。

ウィキリークスのアサンジ氏は国際手配されているようですが、別件逮捕のように思うのは私だけでしょうか?

中身の情報もさることながら、情報戦の舞台がインターネットで行われていることと、それを完全に封じ込める方法がないこと。インターネットを利用したこれらのことは今後もっと増えていくように強く感じています。

情報戦の中で、情報を見極める眼力は益々個人個人が養っていかなければならない時代になってきました。

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