ウィキリークスに便乗した「ニセ情報の操作?撹乱?」が凄く脅威に感じること
ウィキリークスが発信する情報の真偽はわかりません。公になることで出所と思われる「ところ」が認められなくとも「そうなのだろう」と思うのは、読み手自身に委ねられます。きっと「そうなのだろう」と思って見ているところに「便乗する機会」があれば、利用する側には便利なのかもしれません。
パキスタンが捏造公電でインド批判の怖さ:ニューズウィーク日本版より
パキスタンの日刊紙「ニューズ」は12月9日、民間内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した公電により、パキスタンがインドに関して常々指摘してきた疑惑の数々が裏付けられたと報じた。
■今まで誰もやらなかったほうが不思議
唯一の問題は、これらの公電がどれも本物ではなさそうだということ。ウィキリークスが入手した公電のすべて(まだ公開されていない物も含む)を提供されている英ガーディアン紙も、ニューズ紙の記述に該当する公電を見つけられなかった。パキスタンの4紙に掲載されたこの記事には署名がなく、イスラマバードに拠点を置く軍部寄りの通信社オンライン・エージェンシーのクレジットが入っているだけだ。
前回の続きです。本格的な情報戦に入ってきたウィキリークスの相手は誰なのだろう?
この1週間で大きな動きがありました。代表の逮捕、サイバー攻撃、様々な圧力、関係者による新しいサイトの開設・・・と、急展開しています。Yahooのニュースでは一覧で見られます。
サイバー攻撃や圧力など、ニュースとして見栄えのするものが多くありました。これはニュースとして扱われた件数で比較するしかありません。同じ内容の記事でも複数のメディアが取り上げていると、多少の違いが読んでいてわかります。しかし、この中に埋もれているように思うのが、このニュースです。件数が極端に少ないのですが、重要度で考えればもっと上位に上がってきてもいいのでは?と思うのです。
冒頭に書いた「情報の真偽・・・」ですが、ウィキリークスに限らず、何をどのように感じるかは読み手に委ねられます。これは、立場や考え方によって受け取り方も異なるからです。それはそれで何も問題はないと思っています。
今回、一連のウィキリークス関連ニュースは、出てくる度に衝撃度の高い内容が多く含まれています。立場によっては、とても受け入れられない程のインパクトもあるでしょう。この衝撃度の高い内容は、リリースされる度に波紋が広がっていきます。
しかし、最も脅威に思うことが、引用したニュースです。
本物ではなさそうだ、となっています。
例えば、情報の出所の立場になれば、情報の撹乱をするために「ニセ情報」を流すことで、本物と思われるものまでも、うやむやに出来そうです。それも偽物だから。。。と。これは今回も起きているサーバへの集中攻撃に似ています。サーバへ一度に多数の想定以上の接続があれば落ちます。情報も偽物を流すことで、それもウソ、あれもウソ、みんなウソ・・・となりかねません。
または、情報の出所が存在しなくとも、存在したかのように「ニセ情報」を流すことで、情報操作が一時的にも出来てしまいます。何らかの明確な意図をもってすることも出来ますし、愉快犯的に流すことも可能でしょう。
もちろん、それなりの精査をすればわかるのかも知れませんが、元々の情報の真偽が不明確である以上、当事者以外にはわかりません。
2000年頃に起きた、官公庁のWeb改ざん事件を思い出します。当時各省庁のWebサーバが多く改ざんされました。気象庁のサーバは、9-17時の職員がいる時間帯しか公開してなかったように記憶しています。目視チェックをする・・・当時でも考えられないようなことでしたが、それほど神経質になっていた。ということにしておきます。
この頃、政府が公式発表する数字データに改ざんがあれば、とんでもないことが起きます!という営業トークでした。企業の場合も同じですよね?と。。。
公式サイトの改ざんよりも、本来表に出ないはずの情報がウィキリークスによって表面化しています。こっちのがインパクトは大きいでしょう。
これに便乗して、操作、撹乱を起こすことは、そんなに難しいことではないと思っています。実際に1個人でも出来ることです。出来ることと、やってしまうことは全然違いますが、経緯さえ大きくそれなければ、それっぽいものは捏造出来ます。
これらは、一時的な衝撃でしかありませんが、かき回すことが目的であれば、十分に効果のある方法でもあります。
ニュース以外にも、インターネットの発達により、Twitterなどの媒体を通じて知ることが出来るようになりました。しかし、チェーンメールのようにニセ情報であっても、一気に拡散するツールが揃っている以上、これを見極めることは困難です。
情報見極め眼力をつけたいと思っていますが、何をもって判断するのか?難しい局面に来たように感じています。