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「使いやすく」「ハマる」技術とは! それは・・・

「シンプルデザイン」=「スマートIT」ではない!

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とあるメーカーのデジタルフォトフレームがある。
非常にシンプルですっきりしたデザインだ。

Dpflame1

Dpflame2

写真を表示するのがメインであるため正面は液晶とフレームのみ。
操作ボタン類は上部にシンプル設計で設置されている。
見た目は悪くない。

では、設定するために操作してみよう。
すると、なんだろう、この違和感は。非常に操作しにくい。

Dpflame3

上記の画面でカーソルの初期状態が左上の”写真”になっている。
そして、右下の”設定”にカーソルを移動させるだけでも大変だ。
なぜなら、矢印キーが横に並んでいるからである。
並び順は左側から”上”、”下”、”左”、”右”で一見操作に関してややこしい感じはしない。
しかし、実際これで操作してみると、正面の画面と上部のこの矢印キー両方を、一押しするたびに順番に見ていかないと目的の位置に移動しなかった。
確かに不慣れであるからだと思う。

ただ、人の感覚では上に移動する場合は上側にある矢印キーを、左に移動する場合は左側にある矢印キーを押せる配列が直感的である。
そう、テレビゲームやパソコンのキーボードで操作している十字キーが最適な配列なのだ。

このデジタルフォトフレームでの操作は非常に違和感を感じた。
操作頻度に関しては、一度設定すればそう何度も設定をし直すこともないと思う。
そして、デジタルフォトフレームはデザイン性が重要視される商品であることは間違いない。

しかし、あまり使わないからこそ直感的な操作が必要だと思っている。
いつも使っているものは「慣れる」からである。いくら使いにくい操作でも何度も使っているとその操作に慣れていく。
あまり使わない操作で直感的でない場合は、使いにくいため違和感を感じてしまう。

このデジタルフォトフレームの横並びの矢印キーはシンプルでデザイン的に違和感が無い。しかし操作的には非常に違和感を感じてしまった。
デザイン、製造コスト等の問題もあるかもしれないが、この矢印キーを十字キーの配列に出来なかったのだろうか?

この矢印キーだけの問題ではないが残念ながら我が家ではこのデジタルフォトフレームは押入れ行きとなっている。

ここで言いたかったことは、操作に違和感を感じると継続して使ってもらえない。
せっかく時間と労力をかけて作ったものは、購入いただくことが最終目的ではないと思う。便利に使っていただくことが社会貢献だと感じている。
「使っていて気持ち良い感覚」がないと積極的に使ってもらえない。

決して「シンプルデザイン」=「スマートIT」ではないのである。

◆関連サイト:
・2010/07/15『さりげないサポート』・・・スマートIT術

・2010/07/05日本人が持っている”もてなし”の文化。ソフトウェア開発に取り入れてますか?

・2010/06/22入力インタフェースによる「正確さ」と「ストレス度」(マウス、音声認識、マルチタッチスクリーン、そして未来)

・2010/06/18便利な階層化、分かりにくい階層化。iPhone・iPadが売れた理由の一つがこれだ!

・2010/06/11テレビゲーム理論(『安心感』)

・2010/06/10デザインに負けない操作性との両立を目指そう!(Apple社、Google社がそうであるように)

・2010/06/02任天堂とApple社

・2010/05/26テレビゲーム理論(iPad、そしてニンテンドーDS、制限がある中で・・・)

・2010/05/13テレビゲーム理論(序論)

・2010/05/11IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(2)『夢中にする』

・2010/05/08IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(1)『スマート』

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