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「使いやすく」「ハマる」技術とは! それは・・・

便利な階層化、分かりにくい階層化。iPhone・iPadが売れた理由の一つがこれだ!

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何故、使いにくいソフトウェアが氾濫しているのでしょうか。
残念ながら少なくても私にはそう感じるときがある。
また、ソフトウェアだけでなくハードウェアも絡んだ家電製品も多機能化して使いにくい製品になってきている。

一例として分かりやすいのは階層化でしょう。多機能になり製造コストを下げるためにはボタンの数を減らさなければならない。そうすると、同じような機能はグループ化し階層化することによりボタンの数を減らす場合がよく見かける。

まずは、楽器のシンセサイザー。
昔のアナログシンセサイザーの時代は、各機能にボタンやつまみが割りつけられて非常に直感的だった。
しかし、デジタルシンセサイザーになってからは、ボタンやつまみの数が極端に減りボタンの下に階層化されて直感的でなく非常に分かりづらくなってしまった。最近ではその反省か、つまみ類が搭載され直感的になってきた機種もある。これは演奏している最中に微妙に音色を変えることを目的にした機能につまみ類が割りつけられた。やはり楽器演奏のようにリアルタイムで変更したい場合は、そのパラメータを階層化しているととうてい操作が間に合わないからである。

次に、今までの日本メーカーが発売してきたガラパゴス携帯電話はどうだろうか。
ボタンが多い。その割には分かりにくいのだ。
特に機能の設定では階層化されてどこに何が入っているか悩んでしまう。

それに比べてさすがAppleである。というか、スティーブ・ジョブズである。
iPhone4は表面にあるボタンはホームボタンのみである。
あとは上側面に電源オン/オフボタン。サイドに音量調整ボタンとサウンドオン/オフスイッチのみ。
非常に潔い。
基本的な操作は直接画面上を指でタッチ操作する。
そこで取り上げなければならないことは今回のテーマである階層のことである。
iPhoneやiPadの場合は階層を意識する必要がない点が優れている。
基本的に各データやファイルはアプリごと持っているように表現しているのだ。
今までパソコンを敬遠していた人たちはこの階層構造(パソコンの場合はフォルダ構造)がなかなか理解できずに触らなくなってきている人が多いと感じている。
ということは、このAppleの戦略は万人向けの誰もが簡単に使える端末を完成させたと言ってよいのでは。

先日テレビで放映していたが、99歳の老女がルーペを使わないと本を読めないため読書が遠ざかっていたがiPadを持ってからは積極的に読書しているそうである。
その老女は楽しいと言っていた。

簡単で直感的な操作が老女の世界を変えたのである。
同じ電子書籍でもiPadでない従来のノートパソコンや電子書籍端末であればこの老女は使用していなかったであろう。
iPhoneやiPadの「夢中にさせるインターフェース」や「難しいことを考えなくて良い潔い設計」が、誰もが使える端末になったのだろう。

ただ、今までパソコンを使いこんできた人たちはフォルダ構造に慣れてしまったため 、戸惑いがあるかもしれないが。。。

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