IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(2)『夢中にする』
第一回はIT業界でヒットを出し続ける企業の最大の共通点として一番目に掲げた『スマート』に関してご紹介した。
・IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(1)『スマート』
第二回では最大の共通点二番目に掲げた『夢中にする』に関して記載していきたい。
2.『夢中にする』
Apple
任天堂
Google
どれも夢中になってしまう。
そう、ハマってしまう。
・任天堂:ゲームソフト
ゲームソフト程、寝食を忘れて夢中になるものはない。
それは、ゲームだから夢中になるのではなく、夢中になる要素が入っているからそうなるのである。
目標設定、競争心、隠しアイテム、裏技、褒める・・・
私が感じるには、程良いストレスが夢中にさせていると思うのである。初めはゲーム全体としては簡単なステージから始めるが、それでも最初は難しく感じる。そこを集中して頑張ることでステージがクリアできる。
難しく感じる時の程良いストレスとクリアした時の快感が、ゲームを夢中にさせている。そして、段階的に難しくなるステージが用意されている点も夢中になる要素である。
さらに、ゲームが初めてな人でも最初のステージクリアはできるように、そしてゲームが得意な人は高得点が採れるようになっており、誰でも簡単にゲームが楽しく出来るようバランスが配慮されている。
・Apple:iPhone
iPhoneやiPadに採用されているタッチパネルのマルチタッチ方式。
私はこれほどまで直感的なインタフェースは無いと感じているほどである。
ページスライド、拡大・縮小、さらにページめくり。
触っていて非常に気持ち良い。
大多数の人がそうであるようにこの操作には夢中になっているのではないだろうか。
ページめくりは日常生活で行う操作そのものである。ここまで直感的なものはない。
Appleは今まで新しいインタフェースで人々を夢中にしてきた。
MacintoshのGUIでの操作性、iPodの指でホイールを回す感覚、iPhone・iPadでのマルチタッチ方式。
・Google:Google Map、Google Earth
この地図ソフトは非常にハマる要素が採用されている。
従来は画面に表示している地図の続きを表示するには矢印方向ボタンを押すことにより続きの地図が表示される仕組みであった。
また、地図上のある地点をクリックすると、その地点が地図の中心に移動する仕組みもあった。
それをGoogle Mapはマウスでドラッグすることによりシームレスに続きの地図が見えるようになった。
さらにマウスのホイールを回すことにより拡大・縮小ができるという直感的な操作を取り入れた。
非常に快適である。
この快適さによって夢中にさせられた。
また、Google Earthを初めて見た時は衝撃だった。
指定した場所の観光ツアーができるのである。そのツアーの場所移動は次の地点までは一旦高度を上げ地球が回り次の目的地の上空までくると止まり、次は目的地の拡大画面に徐々になっていく。全てシームレスの一連動作になっている。
私はいろいろな観光地を設定して夢中になり試したものである。観賞しているだけでも楽しい。
まさに行ったことのないところを観光しているように感じるのである。
最近、Google Mapの中にGoogle Earthビューが組み込まれ、さらに気軽に“地球”を体験できる。
最後に、今回取り上げた3社ともそれぞれの分野では後発組であることを付け加えておこう。
後発組でヒットを飛ばした。その理由の一つが今回取り上げた、「操作していて気持ち良い感覚」である。
何か“気づき”を感じていただければ幸いである。