現場不在のDXはありえるのか
こんにちは。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されただいぶたち、どこの企業においても「DX」と言ったことがないところを探す方が難しくなってきている今日この頃ですね。
今朝、以下のツイートをしました:
現場不在でDXといって一体何がしたいのか問題
-- Tomoharu NAGASAWA / 長沢智治 (@tnagasawa) September 23, 2021
DXを従来の情報システム部門やIT関連部門が推進することも多いことでしょう。とりわけ、「エンタープライズ」と呼ばれる伝統と大きな事業体を抱える企業においては、Information (情報)を扱う専門部門があるわけです。
従来も今日も「情報」は重要であり、情報の流れ、循環が、業務の流れとなっています。もちろん、情報だけでなく「モノ」も重要であり、同様のことが言えるのは言うまでもありませんね。
情報の流通をよくしていくことでビジネスを加速できることはだいたいわかっているので、業務効率化につながります。また、情報にまつわるムリ・ムラ・ムダによってコストがかさむことも多いためコスト削減にも寄与します。かくして、情報システム部門が事業においては必要となったわけです(雑)。
DXの定義や意義についてはここでは皆様の心のうちに頼るとして、私は「DXには現場が不可欠」だと思っているのです。現場不在でDXというのはなんとも難解で複雑です。ただでさえ、複雑なDXへの取り組みに対して、現場不在は、まさに「複雑 × 複雑」なのです。
上図では、「それぞれのミッションやフェーズがあるので、今ご自身がいる立ち位置を認識することと、チームや組織でコンセンサスをとるためのたたき台として見ていきましょう」と言い続けておりますが、ことDXについては、どこの立ち位置であったとしても現場不在はありえないと考えています。
現場とは、業務の現場はもちろんんこと、現場が存在し得る理由であるビジネスそのものでもあります。
なぜそう捉えているのかを書いていると私の書く時間と皆様の読む時間が溶けていくので、割愛したいと思いますが、以下の2つの言葉をお贈りいたします。
外部の変化速度が、組織内部の変化速度を上回っているのであれば、その組織の終わりは近い -- ジャック・ウェルチ
外側の変化のスピードと自社内の変化のスピードを比較して外部にスピードで負けているようだとそのまま衰退に向かってしまいますよということですね。ビジネスである以上は、顧客と競争があるわけです。ここに「共創」も加わるわけなので、外部変化スピードは無視できません。
すなわち、このスピードは矢面にさらされている現場だからわかることでもあるのです。
そして、既存のビジネスであればあるほど、蓄積により必要なものだけでなくムダなものも憑いてきてしまっていることがよくあります。余計な承認フローや二度手間な重複作業、仲介前提のフローなどです。それらはコストを生み、効率を阻害するだけでなく、従業員と顧客の満足度も削っていきます。
完璧とは付け加えるものがなくなった時ではなく、削るものがなくなった時である -- アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
よろしければ下記も読んでいただけるとうれしいです。
DXのカギは体験である 〜 デジタルにはフローの見直しと革新を
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長沢智治