「なぜ、DXや組織変革が上手くいかないのか?」に切り込み、ハウツーではなく解説する書籍がでました
こんにちは。
DX(デジタルトランスフォーメーション)やビジネスアジリティ、はたまた組織変革が叫ばれ、さまざまな企業さんが取り組んでいます。しかしながら、呼びかけだけ、形だけのテーマになってしまっていることも多いと見受けられます。
私自身も、微力ながらこれらに取り組まれている方々への伴走支援をさせていただいている身でありますが、これらの取り組みが進展しない要因として、既存の文化、成功体験、周辺環境が、これらの取り組みと整合性が取れていないことが挙げられます。
私自身の伴走支援では、これらに対してのリファレンスを提示させていただく機会も多くあるのですが、できるだけ早い段階で提示させていただく事柄があり、その一部はこれから紹介をさせていただく書籍に含まれています。
元々英語オリジナル版でリファレンスしておりました。
書籍: The Professional Agile Leader: The Leader's Journey Toward Growing Mature Agile Teams and Organizations (The Professional Scrum Series)
本書籍は、リーダーとして上記取り組みを行うためのよくあるハウツー本ではないのが特徴です。本書籍は、取り組みを推進するリーダーになる過程を描き、そこにポイントとなるエッセンス、理論、プラクティスを提示するといった野心的な構成となっています。したがって、本書籍を最初から最後まで読むと、ケーススタディを通じた擬似体験によりリーダーとしてどうあるべきかが自然と感じられ、それを自社の組織、文化、周辺環境においてどうやりくりすべきかを自らが考えられるようになるように設計されているのです。
日本語版の書籍名は以下となります:
書籍: プロフェッショナルアジャイルリーダー: 組織変革を目指すトップとチームの成長ストーリー
- 著者: Ron Eringa, Kurt Bittner, Laurens Bonnema
- 訳者: 長沢 智治
- 出版社: 丸善出版
- 発売日: 2025年1月
- 価格: 3,300円(税込)
微力ながら、翻訳は私が担当をさせていただきました。先述のように英語オリジナル版から読み込み、伴走支援でもリファレンスしていた書籍ですので思い入れもあり、引き受けさせていただきました。この場をお借りして関係された皆様に感謝申し上げます。また、翻訳レビューは、日本語の事業会社で実際に組織変革やアジャイル変革に携わる方々にお願いしました。お忙しい中、短期間での翻訳レビューありがとうございました。
本書でいう「アジャイルリーダー」とは、リーダーシップを発揮する/すべき、あらゆる人たちを指しています。「アジャイル」と銘打っていると「ハードルが高そう」「アジャイルには否定的なんだけど」「難しそう」と思われるかもしれません。しかしながら、本書では、アジャイルプラクティスや代表的なフレームワークである「スクラム」についてはほとんど登場しません。現実的な組織的、ビジネス的な課題に立ち向かった結果としてのアプローチがアジャイルであるだけであり、またアジャイルだけでもないというところとなります。
したがって、アジャイルありきの書籍ではないことは、強調させていただきたいです。
以下に関心のある方はぜひ本書を手に取っていただきたいです:
- 変化に適応するビジネスをしたい方
- 変化に適応する組織開発/変革をしたい方
- 既存のビジネス・組織と新しいビジネス・組織に苦慮している方
- アジャイルを実践しているが組織や業務環境が限定的だと感じている方
- 「アジャイル」や「スクラム」に凝り固まってしまっていて既存のアプローチを否定してしまっている方
- 既存のアプローチに凝り固まってしまっていて「アジャイル」や「スクラム」のアプローチを否定してしまっている方
- アジャイルの難しい言葉、独特な言葉を横に置き、アジャイルを理解したい方
- マネジメント層のジレンマを理解したい方
- マネジメント層に現場を伝えるヒントを得たい方
- エビデンスベースドマネジメントの実践方法を知りたい方
長沢智治