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ITとビジネスのおいしいところを考察 ~ ときどき開発業務改善ネタ

仮面ライダー大戦でみるITとビジネスの可能性

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このブログを見てくださっている方ならば、すでに3月29日から上映される映画についてはご存知でしょうか。

平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat. スーパー戦隊

のことです。

私ももちろん、初日に小学一年生の息子と一緒に見に行く予定ですが、何度かあったライダー大戦では、過去まともに決着がついたことがありませんでしたが、今回はなんと!昭和か、平成かで決着を必ずつけるとのことです 。

白倉P 「なんとか”対”なんとか、VSシリーズと言いながら戦ったためしがない。対立しつつもやがて仲良くなり、手を組んでいく ー これはもう40年前からずっとそういう形。今回の『仮面ライダー大戦』については、決着をつける。平成が勝つ、昭和が勝つ、勝ち負けの結末をきちんと描く」

2014年東映ラインナップ発表会 from マイナビニュース

これをどのような形で「決着」させるかというと、IT の力をも借りてユーザー参加型で決するということです。具体的には、公式サイトと映画館での一般投票の結果により結末を変えるということです。それを公開初日の直前まで受けつけ (※ネットは3/25 23:59まで、映画館は3/19までとのこと)、公開初日に決した結末を上映してしまうということです。

映画館での投票は、本日映画館にて前売り券を購入しながら見てきました。

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各映画館にてこの投票ブースが設置されています。無記名で、「平成ライダー」か「昭和ライダー」に○をつけて投票箱に投函するというシンプルなものとなっています。お子様と観戦予定の皆さんはぜひお子様とご一緒に投票して観戦前から盛り上がってみてはいかがでしょうか?

現時点での投票経過を見てみると、圧倒的多数で、「昭和ライダー」への支持が高いです。これは普通に考えても、Web での投票結果ですので、いわゆる「お・と・な」の支持率が影響されているものを容易に想像が付きます。とはいえ、平成ライダーも15作品目、当時の子供たちは十分大人に育っています。その背景があっても根強い昭和ライダーへの支持は、彼らの改造人間になってしまった悲しみや、人々の自由のために戦い続ける姿に心打たれたか、はたまた、圧倒的な武力を誇る平成ライダーにほぼ体一つで戦い抜く昭和ライダーへの誇りと同情なのか、、、そして今回の目玉と言えば、仮面ライダー1号を演じていた藤岡弘、氏が数十年ぶりに本郷猛訳で出演するのも大きな理由となっているようですね。とにかく白熱した投票となっています。

さて、映画的には、エンディングを2種類撮影しておき、上映前夜に投票結果を反映させ、上映に臨むことは十分に可能でしょう。このやり方は、仮面ライダー龍騎のテレビスペシャルで放映中に投票を受けつけエンディングを変えた実績もあります。

ここでお伝えしたいのは、このように今までは作り手だけに委ねられていた映画製作に IT の力も借りた投票という形で視聴者も関わることができること、そしてこれを話題としビジネスにも活かしていることです。このようなケースが増えてきており、今までは一般顧客にリーチすることが難しかった分野もアイディアと IT の力でリーチすることも、エンゲージすることも可能になってきています。これを意識しているか、していないかでビジネスが左右されることもしばしばです。

さて、話題を戻して、投票とうんちくについては、先日開催された Developers Summit 2014 (通称 デブサミ) の私のセッションでも、この仮面ライダー大戦を題材としてお話しました。セッションの資料には、仮面ライダーについては触れられていませんが、セッションでは実際にこのサイトを例にとり、その場で (仮面ライダーの映画とビジネスとITについて両方をw) 解説しながら、投票もしてみました。

その時の模様は、動画に収録してありますので、ここまで読んでいただき関心を持っていただけた方は、以下より、ご覧下さい。

デブサミ2014【14-D-4】アトラシアン エバンジェリストが語るこれからの開発スタイル【資料公開】 by 長沢の個人ブログ

さてさて、今回、映画という性質でありながら、その結末を視聴者に委ねた理由についても、「昭和ライダー、平成ライダーというのは視聴者から生まれた定義」としたうえで、

白倉P「勝ち負けを決める、どちらかのエンディングが決まると、平成が勝った、昭和が勝ったとなりますが、作り手としてはどちらに転ぼうと、本当は昭和も平成もないんです。『仮面ライダー』というのは、平成も昭和もなくて、子供も大人もなくて、大げさにいうと全国民のものだという意識でやっております。この映画、この企画をきっかけにして平成や昭和という垣根がなくなるといいなと思っています」

『仮面ライダー大戦』白倉伸一郎に聞く、"平成vs昭和"のファン投票と結末を描く理由 「こんなに昭和が元気だとは思わなかった」 (2) 『仮面ライダー』というのは全国民のもの from マイナビニュース

すでに、ITとビジネスにおいても、どちらが先か、どちらが大事だといえないくらい融合した時代になっていることはこのブログでも数年前に取り上げました。今はそれが映画にも反映されているわけですね。そして、その世界観では、ある意味失敗することもいとわない、仮説検証が行える時代ともいえます。チャレンジするビジネスには、チャレンジするIT、チャレンジするソフトウェア開発があります。

長沢智治

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