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ITとビジネスのおいしいところを考察 ~ ときどき開発業務改善ネタ

ビジネスとしてのソフトウェア開発

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こんちには。久しぶりの投稿です。

ITmedia エンタープライズに、
  Rational Software Development Forum Tokyoリポート
  現代のソフト開発は映画制作のようなもの――IBM Rationalウォーカー・ロイス氏

という記事が掲載されています。

私は、残念ながらこのフォーラムに出席してはいませんが、この記事からビジネスとしてのソフトウェア開発の追及におけるキーポイントがいくつか紹介されたのではないかと思いました。実際の内容については出席していないためコメントできませんが、ウォーカー・ロイス氏は、私が日本ラショナルソフトウェア、日本アイ・ビー・エムに所属していたときのワールド・ワイドでのボスにあたり、日本、米国で何度か話をした、私にとってはもっとも尊敬する業界人の一人です。

彼も公演にて言及したようですが、ことツールについては、高機能かどうかとか、統合がどうかとかが選定のポイントとなりがちですが、どんなに高機能でも、統合がなされていてもそれを使いこなすことがゴールではなく、なんらかの課題を解決することがゴールであることからも得策ではないといえるのではないでしょうか?

課題を解決するために高機能や統合が必要であればそれは十分な選定ポイントとなるのは当然ではありますが、必要十分以上の使いこなせない、使わない高機能や統合は調達や導入コストを増加させるだけかもしれません。

ウォーカー氏も言及しているように、複雑さの軽減がカギであり、チームメンバーがそれぞれの役割が責務を完遂するためにそれぞれの作業に専念できる環境づくりが重要となっていくということが言えます。

ビジネスとしてのソフトウェア開発を成熟させていくには、まずは複雑さの軽減=簡素化を実現し、それぞれの仕事に専念できる環境を整えること、さらには、それぞれの作業の成果をベースとして、現状の見える化、予測可能化が促進されること必要であると言えます。

ただ、一気にそういった成熟したレベルに行くことは非常に難しく、それを目指した組織は多くの割合で失敗しているのが実情です。成熟したレベルへ到達するためには、現状を知ること、そしてその現状から目標となる成熟したレベルまでの道程を描き、計画し、反復的に改善活動を地道に実施していくことが大切ですね。

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