微分・積分の始まりは小学生の算数 ~時速2kmで3時間進むと6km進む~
微積の始まりは小学生の算数 ~時速2kmで3時間進むと6km進む~
前回のブログ「微分・積分」思考法 ~世の中の仕組みを読み解く~ の続きです。
話を進める上での、最低限の前提の話を
させていただきたいと思います。
理系の人は決して読まないでください(笑)。
「時速2kmで3時間進むと6km進む」というのは、
おそらく、小学校5、6年生で習う算数ですね。
理解するのに掛け算ができればOKです。
いや、この程度であれば、
力技で足し算でも十分対応できます。
実は、この話は意外に深く、
高校で習う微積の話も
この題材を使って出来てしまいます。
ここで、微分に当たるのが、時速2km、
積分に当たるのが6kmです。
車のスピードメーターの針が(最近はデジタル表示ですね)
時速50kmのところを指していたとしましょう。
果たして、針がそこを指すために、
1時間という時間を使って、実際に50km進んだかを確認して、
その後で、針が時速50kmのところを
指しているわけではありませんね。
つまり、非常に短い時間を使って、
距離÷時間から時速を出しているわけです。
この非常に短い時間内のおける変化が微分に当たります。
更に、この微分の積み重ねが積分に当たるわけです。
この場合は、時間の長さについて考えていますが、
時間でなくてもかまいません。
ある物についての各構成要素(微分)、
物全体(積分)という見方もできます。
もう一つ例として、体重について考えてみます。
何かものを食べると体重が増えます。
運動して汗をかけば、体重が減ります。
つまり、体重は、単純に考えれば、
日々の食事と運動の組み合わせによる結果です
(勿論、実際にはそう単純ではないですね)。
食べる量(微分)が多ければ、当然、
体重(積分)は増えていきます。
汗(微分)をたくさんかけば、体重(積分)は減ります。
「時速2kmで3時間進むと6km進む」という例は、
時速が一定だから、
単純な掛け算で、2×3=6と答えが出せますが、
時速が色々変化したらどうでしょうか?
そう簡単ではなさそうですね。
車の場合なら、距離の表示があるので、
実際に走ってみれば、答えがわかりますが、
その変化の仕方を数式で表せれば、
計算して実際の距離を求められます。
もしくは、時速の変化の記録があれば、
それを、短い時間でいちいち区切って、
その短い時間当たりに進んだ距離を時速×時間で
それぞれ求めて後で足し算をすれば、
最終的な距離を出すことができます。
その計算の仕方を学ぶのが
高校数学での「微分・積分」です。
なんというか、その計算のテクニックを追いかけていることが
メインなので、数学嫌いの人が増えてしまい、
役立つとわかるはずの数学がつまらないものになっている
というのが実感ですね。
実際のところ、他の教科もみんな、
わざわざつまらなくしているという
印象を拭い去ることができません。
それはさておき、
微分の代表格が「速度」で、
積分の代表格が「距離」というお話でした。
次回以降、まだまだ具体例を挙げたいと思います。
また、微分と積分の両方が大切であるにもかかわらず、
我々は微分を重視する傾向にあることにも触れたいと思います。