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ありとあらゆる「義」を考え直す

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 2014年を象徴する漢字一文字は「税」

その年の世相を表す漢字一文字を公益財団法人・日本漢字能力検定協会(漢検)が全国公募し、京都の清水寺で発表するという行事が恒例です。
2014年は「税」が選ばれました。詳しくはこちらの漢検さんの資料をご参照ください。

ちなみに、1位から10位を羅列してみますと、
「税・熱・嘘・災・雪・泣・噴・増・偽・妖」となります。どの漢字を見ても2014年の1年間に起きた事象なり、該当する人物が頭に浮かんできそうです。

では個人的に決めた一文字について述べたいと思います。

 「義」です。

漢検さんの発表には、20位までが記載されていますが、「義」についてはこの20位以内には入っていないようです。

まず「義」の意味ですが、ネット上のデジタル大辞泉の解説を引用いたしますと5つの意味が記載されています。

儒教における五常の一。人として守るべき正しい道。道義。「仁・―・礼・智・信」
道理。条理。
意味。意義。「読書百遍(ひゃっぺん)―自(おのずか)ら見(あらわ)る」
教え。教義。
血縁上のものでない義理の関係。「―を結ぶ」

今回使用する意味は、このうちの3番目です。つまり、色々な物事の意味・意義について(改めて)考える機会をいただいた2014年ではなかったかという意味です。

 解散総選挙の意義

まず直近では、年末に衆議院が解散し12月14日に投開票で選挙がありました。日経新聞さんの報道によると、その選挙費用は631億円とのこと。多額の費用をかけてませ、わざわざ任期半ばで解散し選挙を行う大義がどこにあるのかと散々話題になりました。

そこで個人的には「大義名分がないのに解散するのはよくない」という部分について信を問う選挙にすればいいのかと無理矢理解釈するしかないかなとも思った次第です。選挙と共に消費税を上げる意義についても再考したいところです。

 歴史という教科の意義

鎌倉幕府といえば1192年と子供の頃覚えされられたものです。しかも年号を覚える語呂合わせとしては、「いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府」が最もよく知られているのではないでしょうか。それが、最近では1192年とは学校で教えていないそうで、この事実を知ったのが2014年でした。

相当なショックでした。覚えされられたあのエセ事実は何だったのかと。歴史には学びたいが歴史は学びたくないと改めて思った瞬間なのでした。最近では、「本能寺の変」についての新たな真実についても言及されているようです。

そもそも、年号を使って年単位で考えているのは、単に太陽と地球の事情によって1年という区切りが決まっているという理由だけなので、半年でも月単位でもよいですし、100年単位にして、1192年も12世紀末くらいの表現でもそもそもいいわけです。

 再現実験の意義

STAP細胞の件については残念な結果になってしまったことは周知の事実です。個人的にも当初のセンセーショナルな発表がなされた時に言及させていただきましたが、その後、急展開を見せ、再現実験をする意義があるのかと思われた方も少なくなかったかと推察します。

2002年にノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊先生は、会見等でよく「何の役にも立たない」とおっしゃっていました。比較するのもなんですが、科学というのは、「何の役にも立たない」くらいが丁度いいと、この2014年の出来事から改めて思うところです。

個人的にもよく言っていることは、何の役に立つのか簡単にわかるようでは大したことではない。逆に何の役に立つのかわかってしまったら科学としての興味は徐々に薄れていくかもしれないという点です。以前にも「ビジネスの種の宝庫」で言及しております。

 あなたの行っているその仕事の意義

2014年に限った話ではありませんが、これもよく考えるところですね。仕事の中で、「果たしてこれをやる意味ってホントにあるのか?」と思いつつもやっている仕事って少なくないのではと。

実際に、自分にそのプロセスをいじくる権限が与えられると、不要な部分は抹消したことが何度もありますし、逆に必要なのに存在していなければ、付け加えることもあります。

 番外編・2014年の「義」といえば!

「義」を使った熟語に「一義」があります。一義といえば、2014年3月でお開きとなってしまいましたが、お昼のひと時を何十年と楽しませてくださったフジテレビ「笑っていいとも!」司会者タモリさんの本名(森田一義さん)ですね。その意味でも、2014年の漢字一文字はこの「義」がふさわしい気がします。

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