サッチャーは首相になる前に低い声を練習していた
イギリスで初めての女性首相でもあり、「鉄の女」とも呼ばれたサッチャー元首相が8日、87歳で亡くなられました。
私は、サッチャーさんのことは、名女優メリル・ストリープ主演のサッチャー元首相の首相時代や晩年の姿を描いた映画、「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」を観たときのボイストレーニングの様子が特に印象に残っています。
以前の記事「いい女は声が低い」でも書きましたが、映画の中では志も高く、良いことを言っていたのですが、甲高い声を多く議員から非難されていました。
友人の議員とコンサルタントからの、「庶民出身の利点を生かして、国民の視点に立てる立場を生かすんだ。そしてトップになる。」というアドバイスのもと、ボイストレーニングを行うことを決意します。映画の中でサッチャーは、ボイストレーナーについて低い声を出す訓練していました。
サッチャーさんは、トレーニングによって甲高い声を低くしたことで、より説得力を増していくのです。
甲高い声は一見情熱的に聞こえますが、低い声のほうがより説得力やリーダーシップを感じさせるのです。
「声を低くすると、気持ちが冷めてしまう。」そう思われるかもしれません。
しかし、熱い情熱を持ちながら、音だけ低くすることは可能です。
しかも、甲高い声より、さらに自分の中に強いインスピレーションがわいてくる。
これは低い声だからこそ可能なことなのです。
私が提唱するのは、ただの低い声ではありません。
横隔膜を使って、豊かな呼吸とともに出す低い声です。
低い声を豊かに響かせるためには横隔膜が不可欠なのです。
横隔膜は呼吸のためのインナーマッスル。
横隔膜を使うということは、深い呼吸を伴います。
例えば、スポーツでも、演劇でも、演奏でもそうですが、良いパフォーマンスが出ているときというのは、呼吸が深いときです。
呼吸が出来ているときというのは、頭が明瞭になり、感覚が鋭敏になる。
浅い呼吸で、興奮状態で話しているより、ずっと自分の心の状態が良いのです。
そして、どんなに気持ちが盛り上がっていても、また緊張してアガっていても、横隔膜をしっかり使うことで、言葉が上滑りしません。どんどん早口になってしまい何を言っているのか分からなくなってしまう人は、たいてい横隔膜が使えていないことが多いのです。
次期のアメリカ大統領へ、少しずつ動き出しているといわれている、ヒラリー・クリントンさん。
ヒラリーさんも、サッチャーさんと似て低い声で、話しに説得力を感じます。初のアメリカ女性大統領となるのでしょうか。
トレーニングのとき、低い声を出すためのコツについてよく聞かれます。
まずは、ご自分の一番低い声を探すこと。
そのために、「低音マックスポルタメント」をご紹介しています。
ポルタメント・トレーニングとは高い声からあくびをするように「はあ~~ぁ」と音を下げていくことです。
★★低音マックス・ポルタメント★★
1、肋骨の一番下とおへその間に手を置き、「あ」と言うつもりで口を開けて息を吸う
2、「はあ!~~~ぁ」と高い音から今でる一番低い音にあくびのようになめらかにずり下がる。低い音に到達したらそのままの音程で「あ~~~」と伸ばし、最後は手を置いている場所、横隔膜をぐいっと押し「~~あ・・・!」と音を止める。
ポイント:声と一緒に手を頭上から下げる動作を行うとイメージしやすい。伸ばしていた音を横隔膜でとめることで、横隔膜を使うことを覚えていく。
3、、大きくブレスをとってもう一度行う。
一回のトレーニングで5回行ってください。約一分で終わります。
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